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バルーン空撮[技術解説] - 撮影時の服装に関して

撮影時の服装に関して
フェールラーベンG1000ベスト

バルーン空撮に携わるスタッフの服装にも全て意味があります。
ベストを中心に、服装に関する考え方を解説します。

←アシスタント用の春~秋(非冬期)着用前提として用意したベストです。
カメラメーカーの物では無く、業務に特化させる観点からアウトドアブランドからの選択となります。
ここでは、「バルーン空撮のアシスタント用」である事がポイントです。
・バルーンにキズをつける金物類は避ける
・主な機材は、工具・Oリング・ネジなどの小物
・現場に相応しい

これが、バルーン空撮「アシスタント用」ベストの選択基準です。

バルーンにキズをつける金物類は避ける
バルーンにキズをつける金物類は避ける
特に重要なのが、破れやすいエバール製バルーンにキズを付けないこと。
この種のベストは、基本的には無駄な突起物がありません。
しかし、ボタンの取付方ひとつでも改修が必要な場合は手直しを実施します。
※改修が必要なタイブは最初から購入しないとも言えます。

0 [Zero]のバルーンは車載式であることから、アシスタントやカメラマンはバルーン格納時などにバルーンと密着します。
その際の不用意なトラブルを避ける観点から選択(改修)されています。

主な機材は、工具・Oリング・ネジなどの小物
主な機材は、工具・Oリング・ネジなどの小物

バルーン空撮のアシスタントの身につける機材は少なめです。
交換レンズを身につける事はありません。(カメラマンが持ち歩く)
そのかわりに、機材補修などに用いるネジ類や尾翼の取付に用いるOリングなどを持ち歩きます。
これに対応する為に、小さくても大量のポケットを必要とします。
撮影に携わる仕事にも関わらずアウトドア系ブランドからの選択している理由がここにありました。
カメラ機材系のベストではレンズを入れる観点から大きめのポケットとなる。これがバルーン空撮のアシスタント用として不向きなところです。
アウトドア系の多くは、ポケット一つの収納量は少ない物の数が多いことが特徴です。

現場に相応しい
現場に相応しい

バルーン空撮の現場は多様です。
マンション眺望撮影・人文字・環境調査・イベント撮影・・・
どの撮影でも人目に付く仕事です。
つまり、第3者も含めて撮影の関係者は人から見られることになります。
この際に「空撮のスタッフ」と見られる為にベストを着用します。
この場合も、現場毎に相応しい色調にする必要がある。
具体的には・・・
・建築現場=カーキー・ブルー
・イベント撮影=オレンジ・ブルー

主にこの様な使い分けになります。

カーキーが2着あるのは、それだけ頻繁に使うから。
夏期に2日連続などの業務を行う場合のスペアです。
オレンジを着用するのは、年間で数回という頻度。
人文字撮影などのイベントの際に、明確に関係者としてアピールする必要があるときに用います。

なお、ラジコン空撮のアシスタントの場合は、黒からの選択が標準になります。
この場合は、画面内に映り込んだ際に可能な限り目立たない事が選択基準となります。
また、身につける機材は動力バッテリーなどが多くなることから、「少なくても大きなポケット」という選択基準になります。
今回のベストは、あくまでも「バルーン空撮用」
それも、アシスタントという限定を付けた選択になります。

コラム:4着同時購入の理由
現場に相応しい

2014年1月現在バルーン空撮のアシスタントは2名が在籍しています。
今回の購入は、この内の一名の非冬期用機材です。
それも、バルーン空撮専用です。(マルチコプター空撮では、別のベストを着用)
この、「4着同時」に関して、コラムでは述べてみます。

最大の理由は、「ポケットを覚える必要がある為」
←この様な夜景撮影の現場にて、スムーズに撮影を遂行する観点からは、着用する服装が頻繁に変わるのは問題です。
同じ物を数年に渡って着用すると、暗闇などの撮影時の信頼性があがります。
また、現場に忘れ物などをする危険性も少なくなります。
※特定業務では、極めて重要な項目。
上記していますが、カメラマンはカメラ機材メーカーから選択しています。
具体的にはテンバのベストです。
これは、定番と呼べる商品なのでカメラ量販店にて常時購入が可能。
この様な事もプロの機材としては重要なところです。
ところが今回のベストは、フェールラーベンと言うアウトドア系のファッションブランドからの選択です。
このベストは定番品では無いので・・・一度市場から無くなると永遠に出てこない可能性がある。
この様な観点から、数年先まで見通した上での4着同時購入です。

ここで取り上げたのはベストですが、靴などにも同様の配慮がされています。
思い当たるだけでも、10種類は業務に応じた靴を履き分けています。
砂地・礫・泥・水・雪・氷など、足場毎に対応する観点から。
撮影案件によっては、「クライアントのブランドから」などという用意もしています。
非常に細かい部分ですが、プロとして恥ずかしく無い仕事を行う為に、この様な配慮までされています。
機会があれば、靴なども技術解説にて紹介させて頂きます。

公開日:2014/01/08
最終更新日:2014/01/08
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