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最高クオリティのパノラマを日々制作していると、ひとつの壁に突き当たります。
それは、「ストレージの容量も速度も足りない・・・」
これが日々のストレスの発生源となっています。
この抜本解決を行いました。

パソコンの必要性能は急上昇!

2016年10月の段階では、「α7RⅡ+55mmの素材」によるパノラマ画像が、0 [Zero]の最高解像度の商品です。
これでマンションモデルルームに納入されるコルトン向けパノラマを撮影・加工しています。
このカメラが機材重量の縛りが強く、構造的に上空に留まることが出来ないバルーン空撮の上限です。
ドローン空撮なら、より大きなカメラや望遠レンズの採用により画質向上の余地は残されているのですが・・・
ここでは本題から外れるので取り上げません。
現在では、「一般的」(眺望撮影のプロ)と思える素材を用いてパノラマ画像でも、ワークステーションレベルのパソコンが要求されます。
撮影データや中間ファイルなどは高速なSSD上に置かれ、可能な限りストレスの無い環境を構築しています。
SSDの容量に制限もあるこから、納品となった案件からHDにデータ移すといいう流れです。
この用途に、今までは、Intel 750Seriesを用いていました。
このSSDは、ネット通販で普通に購入出来るSSDとしては現在でもトップクラスのSSDです。
主要スペックは以下の通りです。
容量 1.2TB
読み込み 2,400MB/s
書き込み 1,200MB/s
実売価格 \90,000

導入から1年以上が経過した2016年10月の段階でも、普通に入手出来るSSDとしての最高の地位を維持しています。
これ以上のスペックも存在していますが、店頭に並ぶことはありません。

まさかの半年待ち継続・・・

2016年の夏から秋は記録的な天候不順に見舞われました。
この年の9月は、一度もバルーン空撮を実施しないという記録が残りました。
つまり・・・仕事が貯まっています。
さらに、お得意様から追加の案件もチラホラと入ったことから・・・
マンション眺望向け商品は、半年待ちと言う状況が続いています。
この状況が意味するのは、「撮影はされても加工に入れない案件が山積み」を意味します。
加工順は、お客様の都合(モデルのオープンや広告のタイミング)で、0 [Zero]の指示が入ります。
基本的には・・・0 [Zero]が自由にならない時間軸です。
つまり、今の環境では数ヶ月以内に容量が足りなくなる事が確定です。
本当は、2017年春頃にSSD強化を行う予定だったのですが、これを前倒しします。

Intel SSD P3600 Series
Intel SSD P3600 Series採用

いろいろと悩みましたが、Intel SSD P3600 Seriesを採用しました。
販売開始は、2016年6月(某サイト)。
あれれ・・・1年前に750Seriesを購入したタイミングでも、P3600は存在していたハズなのですが・・・
ま~細かいことは考えません。
6月販売開始としていつもの通り、「最新の機材」とします。
主要スペックは以下の通りです。
容量 2.0TB
読み込み 2,600MB/s
書き込み 1,700MB/s
実売価格 \250,000 × 2

マイナーな商品であることから、容量当たりの単価は高めです。
ただし・・・書き込み速度など、欲しい性能が750 Seriesから、さらに向上しています。

SSDベンチ
Read 5,000MB/s Write 3,400MB/s

←これがIntel P3600 Series ストライピングの性能です。
通常の2.5インチSSDのざっくり10倍という速度です。
意地悪な方は、「そんな、性能使い切ら無いでしょ~」と言うかも知れませんが・・・
プロと言っても予算に限りはあります。
必要に迫られて大枚を叩きました。
考えても見て下さい。
1枚のパノラマを制作するに、5,000枚以上の素材撮影(4,240万画素RAW)
それを制作する中間ファイルは、PSB(フォトショップの大きい方)で50GB以上。
最終納品物は、TIFの限界を突破。
その写真は1枚でもDVDに入り切りません・・・
この様な画像を複数枚必要とする案件が、5~8件同時進行しています。
この様な業務では、ここまでのスペックを用意しても・・・
実は、まだ足りない!
機材スペックが上がれば、さらに上級の商品が実現可能になります。
※現段階でも妥協しています。
これが、クリエイターという生き物です。

Intel P3600×2は、P3608

今回は2枚のP3600にて必要性能を実現しています。
プロと言っても予算に限りはあるので、今回は50万円で勘弁して下さいとの事で・・・
実は、候補として上げていたのは、P3600以外にP3700。
さらに、P3608も候補としていました。
鋭い方は気がついたかも知れませんが、P3600 2TBのストライピングは、ほぼP3608の4TBと同等です。
ならば、貴重なPCIスロットを節約できるP3608 4TBを採用すれば良いとも感じるのですが・・・
こちらは、1枚100万円以上となるため躊躇。
SSDは、まだまだ進化の途中です。
このスペックで足りないなら・・・その時の最新式にバージョンアップするまでです。
実は、ステッチャー用のワークステーションのバージョンアップを数ヶ月前から進めていました。
本当は、このタイミングからNVMeのストライピングを採用する予定だったのです。
ところが、業務が忙しくなったことから、この計画は途中で停止。
数ヶ月の業務を乗り切るためにSSDのみ緊急バージョンアップとなった次第です。

公開日:2016/10/19
最終更新日:2016/10/19
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