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ドローン空撮[技術解説] - エクストリーム空撮

エクストリーム空撮
FORUM JIB BATTLE 2012空撮

FORUM JIB BATTLE 2012 オフィシャル空撮を2012年2月25・26日に石打丸山スキー場にて行ってきました。

競技中は視界が悪く雪が降っている条件。
2日目は時折10m/sを超える猛烈な吹雪に見舞われるという最悪のコンディション。

FORUM JIB BATTLE 2012 公式サイトに動画が掲載されたタイミングにて、0 [Zero]のサイトでもご紹介させて頂きます。

取り急ぎ、機材関係の信頼性を中心に、ここでは解説します。

吹雪の中のTシリーズ

機材トラブル「ゼロ」

二日間で50フライト(テスト含む)を消化しています。
この間に、機材トラブルは一切無し。
マルチコプター本体から、モニター用のPCまで吹雪の中で仕事を完遂しています。

2日目は公開練習から決勝まで吹雪き。
最大風速は15m/sに迫ろうかという強風。
マルチコプター空撮としては究極と呼べる条件。
テント下に設営された駐機場も、雪が降り積もっています。

雪でも飛べる空撮

雪が積もっても飛べるという事実

フライト数を重ね、マルチコプターには雪が積もっています。
一般の空撮会社では、「あり得ない」撮影現場です。

0 [Zero]は災害現場などでの空撮活用を真剣に考えています。
緊急性を要する現場で、「雨が降っているから撮影出来ない」「風が吹いているから撮影できない」などと言う事は出来ません。
開発当初から、降雨・降雪のテストを積極的に実施。
バルーン空撮での技術蓄積もあることから、当初から現実的な防水対策が完了していました。
2日間は機体が乾くことのないコンディション。
この様な時でも、0 [Zero]は撮影可能です。(オプションにて対応)

注意:
降雨・降雪などの過酷な条件下で安全なフライトが可能なのは国内では極少数とお考え下さい。

マルチコプターは複雑な電子器機から構成されています。
内部に水分が入った場合は上空での暴走などもあり得ます。
十分な機材テストと技術蓄積がある、0 [Zero]のみが対応出来るとお考え下さい。
※連続降雪フライトとして

仮に、0 [Zero]以外に発注し現場で降雨があった場合は注意が必要です。
十分なテストと実績を確認し、少しでも不安がある場合はフライトを中止して下さい。
仮に、雨天の際に事故などが発生した場合は発注元の責任も問われる可能性が十分あります。
事故と注文者責任 参考:マルチコプターの事故と注文者責任

なお、0 [Zero]の場合も、降雨・降雪後はマルチコプター本体のオーバーホールを必要とします。
対応は可能ですが必要なメンテナンス費をご請求する事となります。
次の撮影が直近に控えている場合且つ、事前のご契約に含まれていない場合は現場にてお断りする可能性もあります。
降雨時の飛行は可能ですが積極的におすすめしているわけでは無いと理解して下さい。

軽いから風に強く安全

軽いから風に強く安全

世界的なマルチコプターの傾向は・・・
「重いから機体が安定する」という方向が多いように感じます。
軽量なカメラを搭載する機体でも、無線転送装置や極端に重いフレームを容認し、重量を増やす方向に考えている機体がほとんどです。

0 [Zero]では「マルチコプターの安全性は機体の重量と反比例」と考えています。
重い機体では墜落時のダメージが大きくなる。
重い機体では突風の対応限界が低くなる。

以上から、十分な余力を有するモーターと軽量機体が全てであると考えています。
15m/sの突風は時速54km/hに相当します。
つまり、無風の条件なら、時速54km/h以上の速度を出せる機体でなければ、その場に留まる事は出来ません。
そして、重量バランスが優秀でないと、突風の強弱に対応する事は出来ません。
高機動タイプを優先的に開発していたのにはより高い安全マージンを有する機体を優先したからに他なりません。

なお、風速5m/s(普通にあり得る条件)は5m×3,600秒=時速18km/h
つまり、時速18km/hでも安定した動画が撮影できる機体でないと、風速5m/sでは実用にならない事を意味します。
0 [Zero]が当初から軟系ダンパーを採用せずに、磁気ダンパーなどの剛系ダンパーを採用しています。
これは実務での確実性(5m/sでも使える画を撮影)を上げるには風の影響を最小限に留める必要があると睨んだからです。
ストロークのある軟系ダンパーでは無風に近いホバリングしか撮影が出来ない事を意味します。

重要なので補足します。(真似をすると事故になるので)
「軽いだけではダメ」
軽い機体に、余力が「ない」モーターの場合は突風で流されます。
軽い機体に、余力が「ある」モーターを組み合わせることにより、突風に対抗出来るようになります。
同時に、高度なフライトテクニックも必要。
wookomg Mのような制御でも、風速10m/sを超えると舵を打ちっぱなしになります。
飛行機ならトルクロール。
ヘリなら連続フリップ程度のフライト技術を必要とします。

さらに、今回の様な、「本番」でミスもなく完遂するという条件を付けると・・・
目の前で連続フリップを5分継続できる位の集中力を必要とします。
そして、0 [Zero]のパイロット(開発者)は吹雪のスキー場で永遠に、これを繰り返す事ができる技術を持っています。

繰り返しになりますが「誰でも出来る」というフライトではありません。

コラム:エクストリーム空撮という新ジャンル
エクストリーム空撮

・ギャラリー
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・ハンドキャリー(スキー場の中腹)
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・低視界
・不安定な足場
・連続フライト

今回の撮影では同業者がいやがる条件のオンパレード。
上記全てを同時にクリア出来ると言い切れる同業者は数少ないのでは無いでしょうか?
この様な過酷な条件下でこそ、技術の差は現れる物。
0 [Zero]としては、「待っていました!」という現場でした。

後日(解禁後)に、しっかりと撮影動画は紹介しますが・・・
2.0kgクラスとしては世界トップクラスの画質をお約束します。
3m/s以下なら、ソフトスタビ無しで、そのまま使用可能。
10m/sを超える様な強風でも、用途次第では使用可能な素材が撮れています。

0 [Zero]では十分なテストデータと実績を元に、安全且つ高画質のマルチコプター空撮をご提案します。

公開日:2012/02/27
最終更新日:2012/12/06
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