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ドローン空撮[技術解説] - 初のマルチコプター空撮業務の解説

降雪時のラジコン空撮
YouTube画質:720p推奨 モーションスタビライザー:未使用

二日間に渡って開催された競技期間中に撮影された空撮画像を0 [Zero]にて編集。
参考気象データ 2012年2月25日 12:10(湯沢)
平均3.7m/s 瞬間最大7.5m/s  ※競技時間中の最大瞬間観測値
参考気象データ 2012年2月26日 14:00(湯沢)
平均6.2m/s 瞬間最大10.8m/s  ※競技時間中の最大瞬間観測値

編集動画は色調と速度(倍速部分)のみ調整。
モーションスタビライザーは用いてません。

参考気象データ 2012年2月25日 13:50(湯沢)
平均2.2m/s 瞬間最大4.5m/s  ※前半は1m/s以下と推測。

使用機体:2.0kgクラス 6モーター [高機動タイプ]

サンプル動画:
使用カメラ : SONY cyber-shot DSC-HX9V
カメラ内手ぶれを補正 : アクティブ
モーションスタビライザー : 未使用
編集:離陸から着陸までノーカット
音声 : iZotope VSTにてノイズ低減
HD画像 : YouTubeにて 1080p推奨
HD画像(モーションスタビライザーサンプル) : YouTubeにて 1080p推奨

本気で3ヶ月

0 [Zero]が本気で3ヶ月

最初のマルチコプター(市販品)を購入したのが2012年12月。
約3ヶ月で、このレベルまで到達しています。

2.0kgクラスという、他社と比較すると軽量な機体にも関わらず、未加工でも実用に耐えれる内容になっています。
十分な軽量化とあらゆるパーツの選別により、市販品とは比較にならない高画質且つ信頼性を得た機体に仕上がっています。

短期間で実用機体が完成したのはバルーン空撮と、第一期ラジコン空撮の技術蓄積があったからです。

参考気象データ 2012年2月26日 14:20(湯沢)
平均4.3m/s 瞬間最大7.5m/s  ※前半は3m/s以下と推測。

サンプル動画:
使用カメラ : SONY cyber-shot DSC-HX9V
カメラ内手ぶれを補正 : アクティブ
モーションスタビライザー : proDAD Mercalli
編集:離陸から着陸までノーカット
音声 : iZotope VSTにてノイズ低減
HD画像 : YouTubeにて 1080p推奨

空撮の信頼性

信頼性は機材の量と比例

この写真に写っている範囲の荷物は全て0 [Zero]が用意した機材です。
・動力用バッテリー30本(この条件下では4分のフライト)
・動力用バッテリー充電用の親バッテリー(ドライバッテリー17kg)
・充電器3台(6本のバッテリーを同時に充電可能)
・スペア機器(送信機・カメラ・バッテリー類)
・スペアパーツ(プロペラ・モーター・コントローラー類)
・ノートPC
・工具類

さらに、麓の車両に戻ると、予備機体と2機以上のストックパーツ。
人員だけは二重化出来ませんでしたが装備は二重化されています。
機体は2.0kgクラスですが安全且つ信頼性の高い実務にはここまでの準備が必要です。
通常の業務でも、ワゴン車が最低ラインの車両。
風雨を伴う長時間の撮影はワンボックス車で対応します。

なお、2日間のフライトでスペアパーツを必要とする事は一切無かったことも付け加えておきます。
メンテナンスも、宿泊施設に戻った際に集中的に実施。
現場ではメンテナンスによる中断も発生させていません。

ThinkPad T510

全て、0 [Zero]では標準

用意しているノートパソコンなども、信頼性を重視した選択。
通常なら、MacBook Proを用意するところですがThinkPad(セミラグドPC)を用意。
キーボードは常に濡れていた状態ですがこちらもトラブル無し。

セミラグドPCはパナソニック・タフブックなどが有名ですがあちらは屋内のプレゼンなどでは不向き。
ThinkPad(T510)なら、打ち合わせから空撮の現場でも使えると言う事から選択。
ThinkPad(上級品)は米軍規格に対応するノートPCです。

参考気象データ 2012年2月26日 14:30(湯沢)
平均3.9m/s 瞬間最大8.4m/s  ※後半は10m/s以上と推測。

サンプル動画:
使用カメラ : SONY cyber-shot DSC-HX9V
カメラ内手ぶれを補正 : アクティブ
モーションスタビライザー : 未使用
編集:離陸から着陸までノーカット
音声 : iZotope VSTにてノイズ低減
HD画像 : YouTubeにて 1080p推奨

国内でマルチコプターにより撮影された動画で、これよりも過酷な条件は見たことがありません。
地吹雪となっている瞬間は風速10m/s以上の風になっています。
モーションスタビライザーなども未使用。
さらに、都合の良いところを繋がずに、全てノーカットの公開。
離陸直後に、「風の予感」を感じた事から、速やかに安全地帯に待避。
2日目決勝も終盤となっていたことから、即席の対風テストに入っています。
結果はご覧の通り。
用途次第では・・・未加工でも使えない事は無いという画が撮れています。
パイロットは二日間の競技時間中は風速8m/sを超えない状況では積極的にフライト。
普通なら疲労が蓄積して弱音を吐くような時間帯でも集中力は一切途切れていません。
「偶然撮れた」ではなく、常にこのクラスの撮影が可能であることが0 [Zero]の特長です。

コラム:0 [Zero]が目指している空撮

「何よりも安全」 そしてプロとしての、「確実性」

一言で、0 [Zero]のマルチコプター空撮を語ると、この言葉になります。
その安全は機体のみならず、関係する全てに及びます。
そして、このクオリティは全てのフライトに活かされています。

簡易防水 例えば・・・
一度の降雪フライトの成功で、「降雪対応」などという言葉を安易には使いません。
実際の業務の前に、実際の業務以上にストレスをかける環境下(フィールド)にて徹底したテスト。
温度・湿度・振動など全ての要素が実務では複雑に絡みます。
冷蔵庫の中で低温テストのみを行っても実際の現場では意味がありません。 降雨・降雪対応は実際の操作を伴わないテストでは意味を持ちません。
これは様々な機材の実際の開発現場を参考にすれば当然の事。
ラボの中で、検証作業が完了するなどとする一流メーカーはありません。
カメラも、自動車も実際の過酷な環境下で、あぶり出しを行います。
人命に関わる空撮機材は・・・過酷な環境での実際のフライトテストしか、選択肢が無いのは当然の事です。

0 [Zero]はバルーン空撮の国内トップブランド。
開発当初から、降雨・降雪対応を意識した機材開発を進めていました。
2010フリースタイルFISワールドカップ猪苗代大会【モーグル競技/デュアルモーグル競技】ではバルーンによりオフィシャル空撮を担当。
最終的に競技はキャンセルとなりましたが競技開始予定時刻から降雨の中で現場にバルーンを機材毎係留しています。
この2007年の例も、降雨の中で長時間のバルーン空撮を実施。
空撮屋にもかかわらず、特許出願まで行っています。
つまり・・・
無線機がトラブルを起こしても事故が発生しないバルーン空撮にて十分な実務を経験。
それをマルチコプターに応用しているからこそ、初回からトラブル無しで業務を完遂出来ているのです。
国内で0 [Zero]ほどのテストとテスト結果を公表している会社はありません。

そして、自社に不利となる情報でも公開。
この例では自社のバルーン墜落を写真入りで解説しています。
何よりも安全が大切と考える事から、デメリットでもキチンと公開する土壌が出来ています。
※マルチコプターではテスト中にも墜落無し

マルチコプターは海外では人の頭上を既に飛んでいます。
遠くない未来に、日本にもこの流れは入ってきます。

国内には「不特定多数の第三者直上フライト」は数年は発生しないと睨んでいました。
空撮に対する理解度に関しては日本は後進国です。
また、国内で空撮業務に長期に携わっている方はこの特性にあわせてとても慎重です。
機材トラブルが発生すれば、第三者が容易にケガをすると想定できる環境下ではポリシー上飛ばせないだろうと・・・
いつかは海外の流れから、誰かがパンドラの箱を空ける事になります。
止められない流れなら、国内の事情に適応できる軽量機体にて対応しよう。
この考えから、0 [Zero]では2.0kgクラス以下の機体を積極的に開発予定に入れていました。
しかし、この予想に反した動きが出てきています。

近接撮影を中心に、0 [Zero]も当初予定を修正する必要が出てきました。
DSLR機体(0 [Zero]としては重量機体)の開発は一時凍結。
開発資源は人物接近特化機に集中します。
どこからクレームが入っても「しっかりとした会社が責任を持ってやっています」と答える為に
莫大な時間と費用をかけてテストを繰り返す事になります。
こちらの対応に関してはWebサイトにて詳細に紹介していく予定です。

過去のバルーン空撮機材の開発時のテスト風景を紹介します。(2009年)
この様なテストをマルチコプターで繰り返すことになります。

◆マルチコプターの近接空撮実施を検討されている方へ
2012年現在では様々な技術レベルの空撮会社(個人)が乱立している状態です。
万が一の事故の際には発注者責任を問われる可能性も想定する必要があります。
業者選定の際には以下のポイントを中心にご確認することをおすすめします。
・空撮会社側の保険加入
・空撮会社の歴史
・機体重量(可能な限り軽い8モーター推奨)
・明確なテストデータ
・業務実績

※不明瞭なテストデータにご注意下さい
一部の空撮会社ではテストデータなどが悪質に改ざんされている事が確認出来ています。
弊社の様に気象庁の直近ポイントのデータ提示か、撮影時の風速計などに着目して下さい。

◆株式会社0のスペック
保険加入=マルチコプター専用保険に加入済み
空撮会社の歴史=2003年実務開始 (保険適用の事故=0件)
機体重量=2.0kg 6モーター
明確なテストデータ=ドローン空撮[技術解説]にて公開
業務実績=Jリーグヤマザキナビスコカップ決勝[2010年]サムライブルーパーク・坂本龍馬像(ワールドカップイベント)[2009年]など多数

札幌なども、業務に空きがあれば24時間移動に対応可能。
鹿児島(リンク先は社長ブログ)なども日常的な撮影エリアです。
対応エリアは国内で車両移動可能な範囲。
小笠原なども、日程に余裕を頂ける場合は対応可能です。

また、空撮のプロとして「撮れない」事が極めて少ない会社です。
風に弱いとされるバルーン空撮ですら、全てのイベント系撮影を完遂しています。
マルチコプターなら、バルーンと比較すれば遙かに達成は容易です。
この、「FORUM JIB BATTLE 2012」の際にも、サイトにて空撮を予告。
「国内初」を告知し、ご覧の様なコンディションの中で完遂しています。

公開日:2012/03/03
最終更新日:2017/03/25
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