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ドローン空撮[技術解説] - フタバ14SGは空撮送信機の定番と成り得るか?

サイバーショットDSC-WX200発表
14SGの重量

フタバ14SG発売

Ver2化作業の一つとして送信機を交換しました。
昨年の夏に「JR・XG8」から、「フタバ・8FG」に交換。
慣熟も途中と言える様な状況ですが「フタバ・14SG」に乗り換え。

・テレメトリー対応
・8FGとプログラム互換
・8FGから細かな改修有り
・軽量受信機(R7008SB)
・実売価格4.4万円(受信機付き)
・重量は微増(8FG比136g増)

スペック上で欠点と言えるのは総重量と標準バッテリーの容量のみ。
どちらも許容出来る範囲。

デメリットよりもメリットが多い。
注目はフタバ実用機初のテレメトリー。
発売予定のセンサーも含めて判断すると、JRよりもフタバにメリットあり。(マルチコプター空撮に用いるとして)
・光学回転センサーは複数個搭載可能
・GPSの用意有り

マルチコプターのコントローラーの定番はDJI Wookong_M
これにはS・BUSを用いないとトリムズレを起こすという無視できない相性問題が有り。
この事から、JRは選択しにくい。
本命と考えたのがいずれフタバから発売される実用テレメトリー搭載機。
つまり、14SGまでの繋ぎとして8FGを採用していたという経緯があります。

14SGスライドスイッチ

スライドスイッチ

←0 [Zero]が送信機を選択する際に、非常に重視するスイッチ。
実務ではチルトに割り振ります。
「最小のノッチ範囲でコントロール出来る事」 これが望む性能なのですが・・・14SGで、「どうにか合格」というレベル。

本来は8FGではなく、18MZを昨年の夏に導入する予定でした。
この18MZ(実売22.2万円)のスライドスイッチは非常にお粗末な物で・・・
売価で4万円程度の8FGの質感よりも遙かに劣るという代物でした。
18MZは複雑なミキシングが可能。
ここも魅力ではあるのですが日常的につかう重要なスイッチの出来が悪いのはそれ以上に困ります。

発売を急ぎすぎた感がある、14SG

8FGから14SGへのSDカードによるデータ移行は対応しています。
文章では見つけられなかったのですがフタバのサポートに電話をした際に確認を取りました。
公式には、「8FGと14SGはデータ移行可能」です。
しかし・・・上記の様に、データ移行には問題があるようです。

私の環境では上空飛行に用いるモードでは上空で絶対にプロペラが止まらないという設定がされていました。
8FGから14SGにデータを移行して、ジンバルサーボなどが指示通りに動く事を確認。
サーボモニタでの観察を怠りました。(こんな事がフタバの送信で起こると想定していません)

そして、フライト・・・
離陸から目線高さのホバリンクは問題無し。
一気に50m程度まで上昇。
そこから、最大速度にて高度低下のテスト=プロペラ停止。

従来型ラジコンヘリコプターでは無くマルチコプターですので、プロペラ停止は墜落を意味します。
十分な高さのあるときに最大降下速度の確認の為にスロットルを抜いた(プロペラは止まらないという前提)ので、対応出来ました。
無いとは思いますが・・・
少ないテストフライトで実務などに望むのは危険です。
ここで、スロットルカーブのプラグラム部分が移植されているにもかかわらず動作しないというバグに気がつけました。

14SGへの移行に関して

この対策と現象確認に2日ほど費やしました。
※送信機の慣熟を兼ねて
その結果、2012年末頃に量販店に並んでいたロットではこのバグに対応出来る方法は無いと思われるという結論に至りました。
この現象は場合によっては墜落につながる事から、ノウハウとなりますが対策方法を公開します。

8FGから14SGにデータ移行は行ってはいけない。
※2013年1月現在

フタバ側でも、他のバグと一緒にファームで対策を入れてくると推測されます。
時間が解決すると思われますがしばらくは8FGからのデータ移行は封印すべきです。

14バグ

バグが多い・・・

←タイマー表示に注目してください。
百分率まで、表示されています。(05:00.01)
送信機からタイマーには百分率設定が出来ません。
結果はご覧の通りです。
※データは14SGにて新規に起こした物

面白いのは送信機の特定の設定を変えると、百分率の部分が別の数値になること。
2台の送信機で同様な現象が取れたことから、バグと確定出来ます。
8FGからの移行のYouTube動画でも、同様な結果が見て取れます。
どうやら、私が特殊なミキシングやスイッチ割り振りを行っているのが原因。
フタバに問い合わせても、「?」な回答が多い・・・

まとめ

バグが解消できれば「14SGはマルチコプター空撮の定番」となる送信機に成り得ます。
しかし・・・
2013年1月現在はどうも動作が怪しい・・・
現在、8FGを用いていて、14SGに大きなメリットを感じていないなら8FGに留まるのも良いかと思います。
0 [Zero]ではこの送信機(テレメトリー)想定で動力バッテリーの容量を落としました。
つまり・・・引き返すことが出来ません。
このままテストを続けます。

コラム:XG8という送信機
XG8重量

趣味でラジコンをするなら、JR・XG8はベストな送信機でしょう。
重量は14SGと比較すると200g軽量。
価格も安く、プログラムも理解しやすい。
そして、電波障害にも強い。
実用的なテレメトリーが用意されていて、サポートも良心的。
0 [Zero]でもバルーン空撮にはXG8を使っています。(3台所有)
趣味で用いる送信機で迷っているなら、これで決まりです。

ネット上でもXG8は良いことが書かれている事が多いと思います。
ここでは数少ないXG8の欠点を述べてみます。

初心者に優しすぎる。

これが具体的なXG8の具体的な欠点。
PCM9Xの時には受け付けていた、汎用的な機能が「良心の観点から止められています」

結局は普通のユーザーが普通に使うには良い送信機です。
0 [Zero]の様に、フライト中に任意の角度にチルト角を設定したい(複数個)とか
エルロンからラダーへのミックスを複数使いたいとか・・・
普通じゃ無い使い方をするにはXG8は不向きです。
皮肉ですが・・・
初心者に配慮していないフタバ14SGの方が普通の使い方をしない方には向いています。

公開日:2013/01/21
最終更新日:2013/01/28
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