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ドローン空撮[技術解説] - DJI Wookong-MのGPSアンテナ

ookong-MのGPSアンテナ
GPSアンテナのオフセット量検証

GPSアンテナの取り付け方法に変更あり

2012年12月に購入した、新品のWookong-MのGPSアンテナ。
これらはオフセットさせて取り付けないと、GPSモードのフライトの際に真っ直ぐ飛ばない事が判明。

←これはオフセット量の検証中の写真。
取りあえずは極端に振って戻す方向に調整。
ここまで、オフセットさせると機体は左に流れます。
一般的には指向性のあるアンテナで、この様な取り付け方法はあり得ません。
一定以上の経験者は0 [Zero]の様に陥りやすいトラブルと思われます。
Wookong-Mの増設時などには注意して下さい。

なお、オフセット量は反時計方向に14°にて様子を見ることとします。

【加筆:その後】
ある同業者と先日お話しした際・・・
その方のWookong_Mは時計方向にオフセットが必要とのこと。
つまり、コンパスICの取付方向(設計レベル)が数種類ある事が確定。
購入時期などの確認は取っていませんが追加情報として加筆します。
なお、私が開発担当のエンジニアなら・・・
GPSの位置情報から必要な電子コンパスオフセット値を取得。
もちろん、オフセット量の自動取得には機体に真っ直ぐアンテナが取りつけられているが前提となりますが・・・
※初期のWookong_M取付マニュアルの様に接着剤固定を推奨するなら、この様な設計と思います。(故に、この地雷を踏んだとも・・・)
また、一部のネット上の情報で、「実装不良」と推測する記事があるようですが(該当記事は見つけられず)、インサーターの仕組みを理解して入れば、その可能性は消せます。
あくまで設計段階で、初期のGPSアンテナ内の電子コンパスチップと取付方向を変えないとこの現象は再現されません。
加筆日:2013/04/05

これはユーザーがすべき作業なのか?

新旧GPSアンテナ比較

左:2011年12月購入
右:2012年12月購入

中身は明らかに違う物でした。
電子コンパスICと思われるパーツの搭載位置も違う。
旧仕様の方がスッキリとしている。(設計でマルチパスを意識している)
この裏面(搭載位置では上)にあるGPSアンテナその物には変化無し。(非常に安価な物)
取り付け位置も、適切と思える位置でした。

最新ロットと思われる、2012年12月購入のGPSアンテナは取り付けの際に一定のオフセットが必要です。
具体的には反時計方向に10~15゜のオフセットが必要。加筆:個体により方向も量も違うと想定する必要有り。
GPSアンテナには取り付け方向がプリントされていますがそれは無視。
あくまで、実飛行を行い必要なオフセット量を探る必要があります。
なお、新品購入した二つのアンテナが同じ現象を示すので、同時期のロットは同じ傾向が高いと推測されます。

テストの結果、新旧の互換性は保たれている様です。
古いタイプのGPSアンテナを新しいIMUなどと組み合わせても特に問題は出ませんでした。
もちろん、古いタイプのGPSアンテナは、「真っ直ぐ」取り付ける必要があります。
ただ・・・
新旧混在は新たなトラブルを呼び込むような予感もします。
特に問題が無ければ、同じロット同士でパーツは組むべきと考えます。

◆GPSアンテナの取り付けはマニュアル(国内版)に以下の内容が記されています。
2011年12月 : アンテナは真っ直ぐ取り付けろ。
2012年12月 : アンテナは真っ直ぐ取り付けろ。真っ直ぐ飛ばなければオフセットさせろ
 (離れたページに記載)

今回は販売店からの指摘で、マニュアルの該当ページに気がつけました。
1年間も運用していたことから、この様な形で改修が入っているとは想定してません。
想定外の為、気がつくのが遅れ解決に時間を必要としました。

なお、アンテナオフセット後の飛行感覚は従来と同じと言えるレベルになっています。
これで耐久飛行テストに入れます。

アンテナオフセット量

0 [Zero]のGPSアンテナの取り付け位置

0 [Zero]ではフレーム直付けのプラットフォーム搭載が標準的な方法。
空力改善と墜落時の破損低減。
さらに、軽量化。
そして、輻射波のカット。
ついでに、僅かなハレ切り効果。

数cm程度は取り付け位置を上げる可能性を残しますがこの方法がベストと考えています。

デメリットと指摘されそうなのはGPS衛星を捉える数が少なくなること。
確かに、少なくなるのですがGPSアンテナの仕組みを考えれば無視できる範囲と考えています。
輻射波対策のメリットの方が大きいと考えています。

公開日:2013/01/22
最終更新日:2013/06/30
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