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ドローン空撮[技術解説] - 1.0kgクラス・最初の1ヶ月

1.0kgクラス・最初の1ヶ月
カメラテスト

2013年3月から、1.0kgクラス 4モーターの実務導入が開始されました。
このページを公開している4月初頭までに、2本のドラマ撮影に投入。

←2月末に実施されたカメラテスト中の写真。
開発開始から約1ヶ月。
何回かの試作を繰り返して、1号機の完成となりました。
※撮影内容はドラマの公開前であることから、非公開となります。

「完璧」と呼べる安全性

「完璧」と呼べる安全性

軽量機体+AR.Droneハル(発泡スチロールのプロペラガード)+樹脂プロペラ(簡単に曲がる)
この組み合わせにより、業務撮影が可能な空撮機材としては過去に例が無い高い安全性が保証されます。
←このカメラテスト時にも、人物1m以内の、「寄り」。
ワークの検証ではこの後に人物を180°旋回し、上昇を含む全速前進をテスト。
実際の収録時は別のワークが採用となっています。
このワークでも見応えがありますが採用されたワークはさらに迫力があります。

実務能力にも文句なし

この機体は開発当初からドラマ撮影の現場にて酷使する前提で開発されています。
「絶対的な重量よりも、実務性能を重視」
これが開発当初からのコンセプトです。
フライト時間・画質・トラブルの発生率・壁などの接触時の挙動・メンテナンス性・パイロットの負担・バッテリーの交換時間・部品の入手性・・・
考えられる限りの、実務にて要求される性能を高いレベルで実現していることが1ヶ月の運用でわかりました。
現時点での改修の必要性は何もありません。

1.0kgクラス4モーターの欠点

この機体には以下の様な欠点もあります。
・垂直上昇の速度が遅い
・下降の画質が良くない
・遠くに飛ばせない(50m以内)
・風に弱い(実用2m/s以下)
・暗所に弱い(カメラ起因)

用途を考えると、無視できるとも言えます。
何よりも、メリットがデメリットを大きく上回ります。
機体の特性を理解して頂き、メリットを活かす方向でワークを組み立てると、「CGですか?」と勘違いされるような実写空撮映像が簡単に撮影出来てしまいます。
この機体の最大のデメリットはCGでつくられたような画像になってしまう事かもしれません。
スパイダーカムでも実現不可能なワークを可能にしています。

まとめ

1.0kgクラス4モーターは既に完成の域に入っています。
当面は改修の必要性を感じません。
屋内で高速移動を行うと、カメラ側が付いてこない(暗い)という小さな欠点はあります。
ここはカメラメーカーにお任せするしかないので、弊社側の作業は無し。
新型のカメラを搭載するジンバルの改修を都度行う程度の改修になります。
今後数年間は大きな改修が入らないと予想しています。
1.0kgクラス4モーターの開発は取りあえず完了。
業務の合間の時間を使っての開発はマンション眺望向け機体の開発に振り向けられます。

公開日:2013/04/02
最終更新日:2013/04/02
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