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ドローン空撮[技術解説] - 電波障害の再検証

電波障害の再検証
三里沈下橋

標準装備の電波障害検証器機を用いて、障害原因を探る為にテストフライトを実施しました。

←テスト現場は、高知県四万十市の、「三里沈下橋」
1年前の撮影時に電波障害(GPS抜け)が確認出来ていた現場です。
その当時は、高周波・低周波の電磁場を的確に計測出来る器機を持ち合わせていませんでした。
2013年現在は、ラジコン空撮で最低限必要と思われる計測器機を携帯しています。

ご注意下さい:
この場所は、最終的には、「何ら問題無し」という結論に至ります。
周辺の電波状況は極めて良好です。
人体への影響は、全く無しと言えるレベル。
ラジコンのフライトにも支障はありません。
※フライトを推奨するものではありません

電波障害の原因?
1年前の障害の内容

この三里沈下橋では、「遅咲きのヒマワリ」のタイトルバック撮影が2012年の9月に行われています。
旋回などのワークは、この橋の下流にある佐田の沈下橋にて行われています。

←空撮ロケ地として選ばれなかった理由のひとつが、橋の直上にある電線の存在。
ワークには確実に障害となり、引いた画では確実に映り込みます。
ここで確認出来たのは、「GPSが抜ける」という現象でした。
左岸の離陸スペースでは問題が無かったのですが、右岸に近づくとGPSが測位出来なくなってしまいます。
墜落の直接原因とはなりにくいのですが、「怪しさ」は感じていました。
この場所では調整も含めて、何日かフライトを実施。
その都度、GPSが抜ける現象は出ています。
つまり・・・この場所は、GPS抜けの再現性がある場所と、私の中では固まっていました。
なお、下流の佐田の沈下橋では、同日でも問題無し。
この場所のみ、時間に連動せずにGPSに障害が確認出来ていました。(2012年9月の段階)
つまり、太陽活動によるGPS障害でもありません。
今回の再検証の目的は、曖昧に感じていた「怪しさ」を具体的な数値で示せる事です。

検証結果
検証結果

左側:ME 3830B 低周波電磁波測定器
右側:FH 32D 高周波電磁波測定器

結論としては、どちらの計測値も問題無し。
この風景に相応しい「田舎の通常」の数値です。
なお、ノウハウに該当する部分なので、具体的な障害を起こす数値と現象に関しては、今後も非公開となります。
ご自身で必要な器機を購入し、必要な計測を実施してノウハウを蓄積して下さい。

この時点ではフライトは行っていません。
仮に、この計測数値でGPS抜けが発生すると・・・
それはそれで問題です。

実飛行テスト結果
実飛行テスト結果

障害発生無し。

これが結論です。
数値測定は正常ですので、当然とも言えるのですが・・・
1年前のロケ時には、障害原因があったのか、それとも別の原因なのか・・・
どちらにしても、検証作業はこの時点で終了です。

今回は、近く(約120km)にて業務空撮が発生したことから、「ついで」に足を伸ばしています。
四万十市は、事務所から800km離れている事から容易に検証は出来ません。
次の機会(数年後?)に、この場所にで再度のテストは実施します。
変化があれば、このページにてご紹介します。

実飛行テストサンプル
2013年10月 【現行型:2.0kgクラス 6モーター】 高知県四万十市 三里沈下橋

フライトテスト時には、カメラを回していました。
何らの作品を撮る考えは無かったのですが、雰囲気があまりにも良かったことから・・・
後半部分を無編集で公開します。
なお、前半部分は、墜落限界を探るマニューバ。
さすがに、画は使い物になりませんでした。

簡単にワーク(テスト)を紹介すると・・・
0:14~:横トラック(ラダー方向の逃げの確認)
0.35~:高さ精度の確認(GPS・気圧高度計)
0.50~:横トラックからの切り返し(実践的なワーク)
0.56~:後退しつつ上昇(実践的なワーク)

全てがテストの一部として実施されています。
作品としては、速度が速すぎです。
この様な題材なら、この速度の半分以下が適正な速度。
1周してから後退上昇のフィニッシュまでで、1分30秒程度のエンドロールを継ぎ目無く撮るイメージでしょう。

結論

今回のテストでは答えが出せない。

これが、今回の検証の結論となります。
なので、以下は推測となります。

この場所の周囲は山に囲まれています。
低い位置のGPSは拾いにくい条件です。
1年前の複数回(複数日)では、偶然条件が悪かった。
今回は、この位置関係が良好であった。
つまり・・・周囲の環境で障害が発生する要因が無かった。

ロケ時と、今回のテスト時では周囲の構造物には変化無し。
ただし、影響のある範囲に採石場が存在します。(テスト撮影時には稼働していないと推測)
ここからの障害も否定出来ないことから・・・次回は、可能な限り日中にテストを行いたいと考えています。

同じ機体で、同じ日にココでしか障害が発生してない。(2012年のロケ時)
この日(2013年10月の日没時)は、障害が出ていません。
この差がどこにあるのかを、今後も探っていきます。

この日は、120km離れた高知市周辺での業務撮影。
その仕事が14時過ぎに終わったことから、日没時間ギリギリを承知で四万十市を目指す。
このテストを終えて、次の業務準備の為に事務所(山梨)に戻っています。(到着は、翌日の正午)
ノウハウとは、この様な積み重ねから得ています。
この頃は、0 [Zero]のサイトの、「結果」のみを利用される方も多いことから、ノウハウの肝心な部分は非公開という方向に舵を取らさせて頂きました。
弊社サイトも含めて、ネット上の情報を鵜呑みにするのは危険です。
人前で業務フライトを行うなら、必要なテストはご自身で実施して下さい。
なお、今年の春から開始したマンション眺望撮影専用機体の開発は無期限の停止が内定しました。
その理由は、「マルチコプタージャマーのリスクから逃げられないから」という結論に至っています。
ジャマーに関しては、別の技術解説ページにて述べる予定です。
非合法手段をもちいれば、第三者がマルチコプターを容易に墜落させられる。
これが、マルチコプタージャマーです。
困った事に、私でも現場で用いられるマルチコプタージャマーの発見は困難。(相手が一定水準以上の知識を持っているなら)
2013年現在は、様々な業種でマルチコプターが夢の扉を開くと思われていますが・・・
その甘い考えに冷や水を掛けることになります。
興味がある方は、GPSジャマーなどという単語で調べ始めて下さい。

公開日:2013/10/23
最終更新日:2013/10/29
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