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ドローン空撮[技術解説] - DJI lightbridge 検証中

DJI lightbridge 検証中

0 [Zero]が最初に導入する可能性があるFPVとして、DJI lightbridge を検証していきます。

lightbridge重量

時代の流れから、0 [Zero]もFPV採用に入るのは致し方ないところです。
2014年のタイミングでFPV採用を検討するなら、lightbridgeが最初の候補。
lightbridgeは8月に購入していましたが、機体には搭載していませんでした。
この時点で、購入から2ヶ月以上が経過しています。

←購入直後に機体側の重量増を想定。
ハーネス切り詰めとフタバ受信機などが減ることを考えると80g程度の重量増となる試算が出来ました。
この80gを2.0kgクラスに加えると、フライト総重量が2,000gを超えます。
心情的に2.0kgクラスが2,000gを越えるのは抵抗がある。
そこで、最初に着手したのが機体側の軽量化です。
lightbridgeを取りつけても2,000g以下に抑える軽量化の目標とします。
また、雨対策の基本計画なども平行して進めます。
各種現象と切り分けをするために機体重量は変化をさせずに、lightbridge搭載。
バックアップ機体も用意しつつ、真冬と真夏のテストと実務を消化。
正式採用は、2015年秋という計画です。
lightbridgeは、画期的といっていいハードですが過去最高レベルの改修を必要とします。
正式採用まで、1年が必要なのはプロとしては当然と考えています。
特に、機体側の発熱は大変な量。
いつも以上にテストが必要と感じています。

カーボンパイプ復活
lightbridgeの重量増加分を軽量化

2013年夏から、カーボンパイプからアルミパイプに交換していました。
主たる理由は、パーシャル域問題対策のひとつとして。
一言で言うと、「重量を増やす為」
これをカーボンパイプに戻します。
同時に放置してたハーネス切り詰めなどの軽量化しろも対策。
基本的には、80gの軽量化はこれで達成です。

カーボンパイプの話が出たので、ノウハウのひとつを公開します。
「カーボンパイプとアルミパイプのどちらが優れるか?」
これは、プロが用いる撮影機材としては、「カーボン」
それ以外の用途は、「アルミ」が答えになります。
カーボンの推奨理由は、重量以上に振動対策の観点から。
モーター起因の振動は、カーボンパイプの方が減衰します。
※ベンチにかければ一発で判明
カーボンパイプは、墜落などの際に破損を簡単な目視で見つけられないことがあります。
この観点から、振動をシビアに管理する必要が無い用途にはアルミを推奨します。

フレーム再設計
フレーム再設計に2ヶ月を消化

←これが「取りあえず」のlightbridge対応フレーム改修パーツの一部。
実務をこなしながらなので手が遅い事もあり、これが出来上がるのに2ヶ月掛かりました。
・廃熱対策
・将来的な降雨対策

具体的に言うと、「真夏の炎天下の信頼性」と、「雨の日でも撮影が出来る」
この二つを機体側の改修なしで、クリアする機体を制作する為です。
受信機と兼用するFPV送信機としてのlightbridgeの発熱量は無視出来ない量です。
これを気密の高い場所に搭載するのは問題がある。
実務は海岸なども多い事から、水分が外部から容易に入るのも困る。
純正ケースを熱排出が高い物に作り替えれば良いのですが・・・このアプローチは技適的に問題。
純正のケースを維持しつつ、耐熱と降雨対策を同時に消化する必要がある。
結局のところ大きなケースが必要となることから、このスペースを予め確保するという設計です。
このパーツのみでは、何のことやらわかりませんがお許し下さい。

トラブル続出
トラブル続出

2014年10月24日(金)に実装開始。
その日の午後には、一通りの動作確認が完了。
なお、手持ちにアンドロイド端末が無い事から、iPhoneにて接続(β版 v1.0.8) 取りあえずは、映像が5秒に1回途切れるという動作不良確認。
※原因が、GoPro側にあるのかは切り分けしていません

ここから、パン・チルトなどの拡張を行って、夕方にはテストフライトに入る予定・・・
しかし・・・突然のアプリのブラックアウト。
そして、ほどなくフリーズ。
フリーズ後は、再度のインストゥールを拒絶。
やむなく、別の端末で試みても改善無し。
iPhone6:該当アドレスへのアクセス拒絶
iPhone5S:Appをダウンロードするがインストゥール拒絶
iPhone4S・iPhone4:該当アドレスへのアクセス拒絶

早い話が、10/24の夜からはβ版の使用が出来なくなりました。
Appが立ち上がらない事から、その後の検証は一切進んでいません。
DJIの初物なので、このくらいは覚悟しています。
それにしてもお粗末です。
公式サイトからは、正規なAppがまもなくという雰囲気。
その下準備としてのβ版閉鎖なのでしょうか?
まさかとは思いますが、SIMが無いと動作しないとか?
製品版ですら、期待出来ないのですからβ版なら当然と言えます。

一旦作業終了です

このページを書いているタイミングで、新規の仕事が入ってきました。
数日後に空撮です。(スチール・動画共に)
総バラシとなっている機体を組み上げなくてはなりません。
ここでの選択肢はひとつ。
元に戻すです。
ただし、このまま組み上げると想定よりも機体重量が軽くなります。
ウエイトとして80g程度を搭載し、取りあえずは機体をまとめます。
この続きは、後日となります。

公開日:2014/10/27
最終更新日:2014/10/27
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