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ドローン空撮[技術解説] - 管理責任者の表示

管理責任者の表示

2014年11月3日発生の、「第9回湘南国際マラソン」にてのマルチコプター人身事故。
この事故を受けての啓発活動コンテンツの第二弾。
責任の在処を明確にする、管理責任者表示。

はじめに

まずは、以下の事実から。

「空を飛ぶラジコンは、暴走し遠方で墜落する可能性があります」

2014年現在では、家電量販店にてマルチコプターが販売されているという段階に入りました。
旅先で、気軽に空撮というホビーが成立しています。
0 [Zero]としては、小型機ならば責任の取れる飛ばし方を大人(空撮会社含む)がするのは認めます。
立場や時代が異なれば、モラルという価値観もかわる物。
法的に問題が無ければ、「良いか?」「悪いか?」は、フライト責任者に委ねるしかありません。
これが、自由と言うものでしょう。
ただし・・・
自由であるからには、責任が伴います。

機体に、「管理責任者表示」を!

暴走事故の逃げ得は、マルチコプター全体のモラルを疑われることになります。

管理責任者表示は、事故の際に誰が責任を取るのかを示しています。
機体が暴走して行方不明などになった際に、この表示を元に後日に問い合わせが入る事もあるでしょう。
必要ならば、金銭賠償なども負うことになります。
あなたには、「自由に飛ばす権利があります。同時に事故の責任を取る義務もあります」

マルチコプター空撮会社へのお願い
・機体の全てに「管理責任者表示」をお願いします

マルチコプターパイロットへのお願い
・事故の際には、責任を負うという自覚をお願いします

マルチコプター個人ユーザーへのお願い
・氏名・住所・連絡先程度の表記をお願いします

フライト総重量
「管理責任者表示」のユーザー側のメリット

「管理責任者表示」に気乗りがしない方もいるかとおもいますので、メリットを示します。

あなたのフライトエリア(街)にて、マルチコプターの暴走事故が発生。
マルチコプターが電車を止めて全国にニュースとなる・・・
犯人不明のまま、「同じ様な機体を持っている」と理由で、あなたが疑われる。

この様な事が、何時起こってもおかしくないという時代に入っています。
この時に、疑いを持たれるのは、そのエリア(街)に居住している方。
あなたが飛ばしているのも、事故機も同じファントム。
どちらも非改造で個体の特定は困難。
この様な時に、身の潔白を証明するのが「管理責任者表示」となります。
普段から、「管理責任者表示」を行い、周囲にその旨をアピールしておくことです。
マルチコプターバブルの頂点を迎えていません。
今後も、空物ラジコン未経験の新規参入者が増えていきます。
あなた自身を守る為。
健全にマルチコプターが世間に認められる為にも、「管理責任者表示」をお願いします。
なお、「管理責任者表示」を厳密に考える必要は無いと思います。
個人なら、氏名・住所・連絡先。
周知の法人なら、屋号でも良いと思います。

リポバッテリーの屋号ステッカー ◆0 [Zero]では・・・

・メンテナンスハッチ裏側に、「管理責任者表示」
・バッテリーに屋号ステッカー
・モーターアームの一部に屋号ステッカー

この様な表示を行っています。
ステッカーなどは、業務の特性から簡単に剥がせる物。(ロゴなどが映り込むと困る仕事も多い)
この場合でもメンテナンスハッチ内に、「管理責任者表示」が残ります。
例えば、2014年10月に放送となった、テレビ朝日・東映:『科捜研の女』(第12シリーズ・1話)では、2.0kgクラス6モーターを機体上部から寄りで撮影されています。
この様な時には、屋号ステッカーを剥がしていますが、「管理責任者表示」は機体内部に残ります。
バッテリーやモーターアームに表示するのは、墜落時にバラバラになる事を想定して。
※0 [Zero]の機体は、衝撃分散の観点から墜落時にバラバラになります。
断崖絶壁などの現場で、墜落しパーツの一部が100m下に落ちるなどのパターンを想定しての事です。

コラム:暴走の可能性

数年前のマルチコプターよりも、暴走の可能性が低くなったことは事実です。
説明書通りの運用をしていれば、暴走のリスクは極めて低いと思います。
特に、クアッド(ファントム)は、モーター関係の障害時に真下に即時に墜落することから暴走と言う観点から有利な機体です。
暴走という観点からは、ヘキサコプターが、クアッド(4)・オクト(8)に劣ります。
重量級ヘキサは、このデメリットが大きいことから0 [Zero]としてはおすすめしません。
やはり、プロ機はオクト(8)を標準と考えるべきです。

「0 [Zero]が、暴走の可能性が低いと言っているから安心出来るな・・・」と思うのは、早計です。
コントローラー回りの進化により、ハードウェア起因の暴走の可能性は低くなりました。
しかし、あらたな危険性が、今後は出現すると予想出来ます。
それが、GPSハッキングです。
詳しくは、啓発活動コンテンツの第三弾にて解説しますので、ココでは概要のみ。

GPSをハッキングされると、ホームポジションへの自動操縦を使えなくなる。

詳しくは、次回。

公開日:2014/11/11
最終更新日:2014/11/11
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