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ドローン空撮[技術解説] - 危険な業者の判断方法

危険な業者の判断方法

2014年11月3日発生の、「第9回湘南国際マラソン」にてのマルチコプター人身事故。
この事故を受けての啓発活動コンテンツの第八弾。
もっとも簡単な、「危険な業者」の判定方法について。

はじめに

まずは、以下の事実から。

自社ホームページ・ブログ・SNSなどで、「著作権侵害」の疑いがある業者。
具体的には、機材の商品写真を転載(正しくない引用)している空撮会社は、企業コンプライアンス的に問題がある。
この一点のみで危険な業者と断定出来る。

「選んではいけない」
このタイプの空撮会社は具体的に述べることが可能です。
それは、自社管理Webサイト内で著作権侵害をしている会社です。
画像などの転用は、法令準拠として当然。
また、安易なSNS転用などからも危機管理能力が推測出来ます。

商品写真には著作権があります。
著作権者の許可無く転載することは著作権侵害に該当します。
また、正しく無い引用(SNSシェア)なども著作権侵害に該当します。

どのような売り込み文句も無視して下さい。
著作権侵害とそれを疑われる行為のみで、該当する空撮会社への依頼は控えるべきです。

このページは、「第9回湘南国際マラソン」のマルチコプター墜落事故を受けての啓発コンテンツです。
この様な事故後には、ネットにて事故を起こした空撮会社のサイトなど閲覧されることになります。
その際に、この様な初歩的な権利侵害は容易に特定されます。
問題がある空撮会社を選んだ責任を問われるかも知れません。
法律は、知らないでは済まされません。
正しい知識を身につけて、誰からも指摘されない業者を選択して下さい。

著作権侵害の有無により、業者判定が可能

空撮会社への正式発注の前に、その空撮会社の以下を調べて見て下さい。
・公式ホームページ
・公式ブログ
・SNS
・動画サイト(YouTube)等
・代表者や従業員のブログ等

企業コンプライアンスが整っている会社では、上記自社管理コンテンツにて商品写真を転載する事はありません。
中には、「許可を取っている」と言う方もいるかも知れませんが、この世界は誰が著作者が確定するのも難しい世界です。
許可を出せる立場では無いにも関わらず許可を出すなどという事もしばしば起こります。
著作権が絡むことは、「さわらない」が正しい判断です。

このページの公開日は、2014年12月12日です。
今後は、著作権侵害に該当する事例は少なくなると期待します。
ここまで明確に、0 [Zero]のサイトに記したわけですから、著作権に関する知識が少ない業者も勉強をすることでしょう。
故に、これ以降は事例が減ると思います。
今後は、2014年11月以前のブログなどを探して、その会社が信頼出来るかどうかを計れば良いでしょう。

コラム:SNSシェアは違法か?合法か?

SNSなどで、商品画像をシェアにより表示・・・
ネット上では合法とする意見が多いのですが、この点は注意が必要です。
確かに、正しい使い方をしていると引用として機能します。
しかし、著作権的に問題のある引用がされているのが実体です。
具体的には、主従の関係が引用として正しい体裁が整っていません。
多くのSNSの記事は、正しい著作権法の知識を備えて閲覧すると、問題がある引用と言わざるを得ないと思います。
どちらにしても、個人サイトなら百歩譲って致し方なしとも思えます。
しかし・・・ 空撮会社が管理するSNS・ブログではどうでしょか?
空撮業は、通常の仕事よりも高い危機管理能力が問われます。
空撮業務の中では、疑わしいと思える環境下にて飛ばさないという判断も必要になってきます。
安易なSNSシェアを日常的に行っている方が、この様な事が出来るかと言うと・・・
後は、想像にお任せします。

「素人が何を言う!」という反論もあるかも知れませんので補足します。
0 [Zero]は、元々がWeb制作会社です。
今でこそ空撮屋ですが、2006年頃をピークとしてWeb制作の世界で名が通っていました。
版権などで厳しいところでは・・・
ディーズニーランドのオフィシャルホテルである、東京ベイホテル東急(現:東京ベイ舞浜ホテル クラブリゾート)の公式サイトを昨年まで制作していました。
その期間は6年という長期間に及んでいます。
ディズニーの版権の取り扱いが厳しく、小さなミスが大きなニュースと成り得るメジャーWebサイトでの実績です。
また、個人情報保護法の施行前から、該当データを事務所内に保管する事も日常でした。
どちらかというと、防衛側の立場としてのキャリアが長いのです。
空撮業が主となった現在でも秘匿性の高い業務を日常としています。
故に・・・
権利関係の管理に関しては、素人では無いんですね。

自社Webサイトに画像を落としている方は、当然の事ながら著作権侵害は確定。
シェアだから問題無しと安心している方も、企業コンプライアンスの観点からはアウト。
※私が防衛サイドなら指摘します。

一連のコンテンツでは、今までは語らない部分まで掘り下げています。
今回の著作権に関する事も、今まで触れない部分でした。
この様な部分も語らなければならない程に、マルチコプター空撮のモラルは地に落ちています。
本当なら、実名を具体的に上げて「○○会社は危険」と警鐘を鳴らしたいところなのですが・・・
この様にすると、名誉毀損に該当していまいます。
一般には知られていませんが、本当の事を書いても名誉毀損となってしまいます。
このページを書く為に、結果として同業者のページを閲覧しましたが・・・
著作権ほどではありませんが、名誉毀損に該当する話も無数に出てきています。
そうそう・・・パブリシティ権や、守秘義務に関しても・・・
総じて言えるのは、この数年で出てきたマルチコプター空撮屋の企業コンプライアンスは、無しに等しいという事です。
健全な業界の発展の為にも、関係各社には正しい企業活動をお願いします。

公開日:2014/12/12
最終更新日:2014/12/15
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