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ドローン空撮[技術解説] - 宅配ドローン実証機制作 その1

宅配ドローン実証機制作 その1

特願Aを用いる産業機の例として「宅配ドローン」の実体化に着手します。

特許出願済みドローン
特願Aをベースの実証機

←これが、今回制作する宅配ドローンのイメージです。
特許は、昨年出願済み。【特願A】
これをさらに発展させた、【特願G】の検証します。
【特願A】に関しては国際公開前であることから、最重要部は非公開。
【特願G】に関しては出願前なので、全て非公開にて作業は進みます。

全速後退姿勢
1号機は、お蔵入り

←これが、特願Aの最初の実証実験機です。
2015年9月1日に初フライトを行っています。
形は少し異様ですが、マルチコプターとしての基本構造は一般的なドローンと同一です。
DJIのフライトコントローラーは搭載していますが、特に改修なども行っていません。
この様な姿勢になっても、荷重変化が緩やかでGPSアンテナの水平が保たれます。
この様な特性は全てのドローンで有効なのですが、特に宅配向けで効果が最大限に発揮されると考えていました。

1号機は、実体化・フライトテスト完了

この機体は航空法に厳しい改正が入った場合に実務投入するという計画を行っていました。
その機観点から、「軽量ヒモ付きドローン」として製作されています。
「いかなる理由でも人工密集地の2.0kg以上の機体のフライトは禁止」などという事態になれば、これが活躍していました。

しかし・・・ 改正の内容が緩く収まったことから、この機体の優位性は消えてしまいました。
現在は、【特願A】のプレゼン用の機材となっており、まさにお蔵入りとなっています。

どのような機体を制作するのか?
どのような機体を制作するのか?

今の段階での、予定仕様は以下となります。
・【特願F】の機構テスト
・【特願G】の機構テスト
・8モーターもしくは16モーター
・フレームはマグネシウム
・機体重量は3~5kg(積載物を除く)
・プロペラは樹脂(プロペラ接触危険率Aクラス)
・1650ペリカンケースに収納可能
・最終的にはヒモ付きの実務機に転用

いつもの0 [Zero]と違うのは、機体重量の点でしょうか?
実務投入を想定しているに、重め(死亡事故を想定する必要有り)です。
ここには明確な理由があります。
この機体の主目的は、「特許の実証実験」です。
スケールダウンはしても、基本構造は最終形態と可能な限り同一とする必要があります。
故に、8モーター以上のマグネシウムフレームとなることが確定。
燃費の検証が必要であることから、使い慣れたサイズのモーターとプロペラを採用。(2.0kgクラス6モーターとして4年のノウハウ蓄積)
以上から、3~5kgの機体重量となることが想定されます。
一連のテストでは、16モーターのデータも欲しいところから余裕を持って想定しました。
8モーターも16モーターもフレームは共用。
実務投入の際には、8モーター化を行い3kgを下回る重量に仕上げる可能性も残します。
いつもの様な、限界に挑むような軽量化を実証機では行いません。
軽量化よりも、一般のユーザーが手荒く扱った際の信頼性の確認を行いたいと思います。
そして、この観点からのマグネシウムフレーム採用です。
カーボンフレームは衝撃の跡がわかりにくくなりますが、マグネシウムでは打痕としてハッキリと残ります。
どのような扱い方を行うと、実務にどのような影響が出てくるのか?
この様な部分を探ることになります。
そこに新たな発見があれば、さらに先の特許へと繋がっていきます。

公開日:2016/02/01
最終更新日:2016/02/01
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