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ドローン空撮[技術解説] - 5機目のDJI PHANTOM2

5機目のDJI PHANTOM2

5機目が到着しました。
今までは、Amazon発送のストア(プライム)
今回は、Amazon公式。
さてさて、どのような結果となるのか?

DJI Phantom2 × 5セット
DJI Phantom2 × 4+1=5セット

購入済み4機に関しておさらいします。
・Amazon マーケットプレイスにて購入
・発送はAmazon倉庫から
・価格は、Amazon公式よりも多少安い
・届いた商品は、バッテリー4個の全てが初期不良
・箱には、←この様なステッカーが貼られている
・初期不良対応はストアにて

届いた商品の開封前に箱を確認。
直前に購入している4機には、「DJI Phantom2+ 3軸ジ_テリー」という、微妙な誤変換シールが貼られていました。
「もしかすると、再生品なのか・・・」 などという心配も頭を過ぎります。
なお、今回の個体にはステッカーがありません。
この事からAmazonの倉庫では、ストアと公式では別の在庫が管理されていると推測出来ます。
とっ言う事は・・・良い方向ということでしょうか?

DJI Phantom2 × 5セット
今度は問題なし

←2016年4月22日撮影。
これが到着直後のバッテリー残量です。
この後に充電しテストフライトを行いましたが問題なしでした。

予想通り、Amazon公式の在庫は、初期不良無しでした。

この撮影後に、純正充電器にて満充電。
他のバッテリーも同様に満充電とし、自然放電テストに入ります。

DJI Phantom2 バッテリ
第1回自然放電のテスト結果

純正バッテリーは流通過程に問題があることは、今回の実証購入テストで確定です。
大手通販にて購入した4機の純正バッテリー全てが初期不良であったという事実は動かしがたいところです。

DJIの品質が数年前から大きく向上したことは以前にも述べました。
2016年現在では通常の家電製品よりも、少し劣るというレベルまで向上しています。(褒めています)
今回の4個のバッテリーも工場出荷時は問題が無かったことでしょう。
しかし、鮮度が命と言えるリポバッテリーは流通経路を管理しないと、この様な事が起こります。
今回も、DJI Japanには、4個連続で初期不良となったことは伝わっています。
それにもかかわらず、初期不良率の高いストアの在庫は放置されています。
志があるメーカーならば、一報が入った段階で流通在庫のストップ。
原因の解明と、再発防止を行うのが当然のところです。
過去に適切な対策がされているなら、今回の4連続初期不良は発生しないと言う事です。

DJIの安全管理ポリシーが低い事を物語るエピソードを一つ紹介します。
1年ほど前の話ですが、DJIの公式動画ではDJI製品を公園で飛ばすことを推奨していました。
自動車のラジコンなども公園で走らせられないことは当然という時代に、この様な事がまかり通っていたメーカーです。
安全に対する志は、伝統的に低いメーカーであるという認識が必要です。

本題に戻ります。
最初の4個の初期不良バッテリーは、ストアから新品が届いています。
今回のAmazon公式から届いたバッテリーも含めた5個の自然放電テストを実施しました。

充電日:2016/04/22
充電器:充電
状況:新品購入直後
確認日:2016/05/09 [17日]
保管状況:室内暗所

上記の条件で、在庫の5個のバッテリー全てでインジケーター表示が4(満充電)から、3になりました。
結果は予想の通り。
やはり、自己放電が高すぎます。
リチウムポリマーバッテリーは、満充電から短期間で自己放電により電圧は下がります。
満充電付近は急速に下がりますが、いづれは落ち着きます。(すいません、ここのテストは行ったことがありません)
50%容量の保管状態では、1年経過しても容量はほとんど減らないと断言出来ます。(3年継続でテスト継続中のバッテリーあり)
本来なら厳密にセル毎の放電状態などを観察すべきところですが、敢えて省略します。
※純正ソフトから確認可能
どのような結果の場合も、この機体の場合は純正バッテリーを使うことが万が一の事故の時を考えると得策と思えます。
この素材に関しては、非改造に近い状態で安定運用を目指します。
結局は、詳細なデータ取りが必要という事ですね・・・

困るのが、今後のバッテリー管理ポリシーです。
通常の様な50%状態で数ヶ月の保管を行った場合は、過放電によるバッテリー損傷という可能性が否定できません。
満充電のままで、夏場の車両移動なども避けたいところ。
0 [Zero]は該当しませんが、飛行機移動なども非常に悩ましいところです。
※ここは人命尊重の観点から、30%前後推奨

2016/0610加筆:
PHANTOM2のバッテリーにも自己放電機能が搭載された可能性有り。

まとめ

今回の実証購入テストにて以下がわかりました。

・4個購入し、4個が初期不良という事が普通に発生する
・Amazon倉庫から発送でも、ストアと公式では在庫品が違う
・DJI Japanは特段対応してない (ユーザーやAmazonに対して)
・純正バッテリーの自然放電特性を調べる必要アリ

DJI Phantomシリーズは、ドローン業界の最初のヒット商品です。
量販店で山積みで販売されて、一般ユーザーの多くが購入。
そして・・・
海や山で大量に廃棄されています。
様々な理由で野に放たれているのですが、バッテリー起因という疑いが持てるようになってきました。
自社の安定運用の為にも、バッテリー考察は継続します。

公開日:2016/05/10
最終更新日:2016/05/10
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