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ドローン空撮[技術解説] - DJI純正バッテリーの自己放電確認テスト

DJI純正バッテリーの自己放電確認テスト

DJI Phantom2の純正バッテリーの自己放電を確認します。

DJI Phantom2 × 5セット
手持ちのバッテリーの確認

今回の実証購入テストにより5個のバッテリーを入手しました。
右の4個が初期不良の交換によりやってきた物。
左は、最後にAmazon公式から購入したときにセットされていた物です。
全て、購入直後に満充電。
17日経過後に、バッテリー残量25%程度までのフライトを1回行っています。
今回は、この中の何本かを自己放電テストに投入します。
理由は、手持ちの機体のテストやセットアップも平行して進めたいため。
非改造で、従来機体(0 [Zero]製造)と同等の信頼性を目指します。

識別 電圧 セル1 セル2 セル3 シリアル 備考
1604A : 3221150414402 12,500mV 4,166mV 4,169mV 4,166mV 2704 Amazon公式からの購入
1604B : 3221150522353 12,527mV 4,172mV 4,176mV 4,179mV 177 初期不良の代替え品
1604C : 3221153508464 12,554mV 4,180mV 4,184mV 4,190mV 1012 初期不良の代替え品
1604D : 3221153510912 12,546mV 4,184mV 4,182mV 4,180mV 5644 初期不良の代替え品
1604E : 3221153510952 12,530mV 4,174mV 4,176mV 4,179mV 6195 初期不良の代替え品

・純正ソフト上の表示値
・充電の割合は、全て99%
・温度は、26.5~27.1度
・充電から一晩経過後に測定

通電待機電力の測定
通電待機電力の測定

最初にスタンバイ状態での消費電力を計測します。
実務ではスタンバイで10分待機などということも普通に発生します。
この際に、電源を一度切るのかどうかの判断材料とします。
撮影現場では、妙な音を繰り返し発するのは避けたいところ。
無視できるロスなら、通電したままスタンバイ状態を保持します。

なお、純正ジンバルは通電状態。
誰でも容易に再現出来るテスト環境です。

容量表示 電圧 セル1 セル2 セル3 温度 備考
満充電 99% 12,546mV 4,184mV 4,182mV 4,180mV 満充電から一晩経過後に計測
テスト開始 98% 12,495mV 4,165mV 4,166mV 4,165mV 27.1° テスト開始は、満充電から1日経過の状態
30分経過 92% 12,310mV 4,103mV 4,104mV 4,103mV 32.5° 30分のスタンバイで6%減少
1時間経過 88% 12,148mV 4,049mV 4,050mV 4,049mV 36.3° 1時間のスタンバイで10%減少
2時間経過 76% 11,867mV 3,955mV 3,957mV 3,955mV 39.6° 温度上昇が収まらない
3時間経過 64% 11,619mV 3,873mV 3,873mV 3,872mV 40.6°
4時間経過 51% 11,417mV 3,805mV 3,805mV 3,805mV 40.6°

・1604E : 3221153510952 のバッテリーにてテスト実施

本来ならば1時間計測で目的は達成出来ます。
テスト時間を延長したのは、温度表示が気になったから。
テスト開始時は、27.1度。
1時間のスタンバイで36.3度となり、最終的には40度近くまで上昇します。
テスト終了後にバッテリーに触れた限りは、通常のフライト終了の時よりも低い状態です。
温度センサーがどの場所にあるのかが不明ですが実用上は問題なしと判断しました。

最小構成の通電待機電力測定
最小構成の通電待機電力測定

安定したデータ取得のために最低構成のベンチを用意しました。
補記類を全て外すことにより消費電力は、通常構成の1/6程度に減少。
短時間で計測することは当然ですが、計測ロスを最小限とします。
念のため最小構成ベンチのテスト。

容量表示 電圧 セル1 セル2 セル3 温度 備考
テスト開始 99% 12,547mV 4,184mV 4,186mV 4,181mV 28.7°
30分経過 98% 12,515mV 4,174mV 4,172mV 4,170mV 30.0° 30分のスタンバイで1%減少
1時間経過 97% 12,484mV 4,163mV 4,161mV 4,160mV 30.5° 1時間のスタンバイで2%減少

・1604D : 32211535109122 のバッテリーにてテスト実施

今後の自然放電の観察は、このベンチを用いて実施します。

公開日:2016/05/11
最終更新日:2016/05/11
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