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C4ピカソの試乗をしてきました

シトロエンC4ピカソ カタログ写真

現在、空撮部の増車計画の為、様々な車両を見たり調べたりしています。
大きな車(全長5mオーバー)も必要なのですがほどほど大きな車(全長4.5m前後)も平行して必要としています。
具体的にはトゥーランの様な車です。
こちらは地元ディーラーも試乗車もあるのですがトゥーランを検討するには今回試乗する車も比較に必要です。

それがシトロエン C4ピカソです。

現在、山梨にはシトロエンのディーラーがありません。
試乗などの為には都内に入る必要があります。
八王子近辺のディーラーもたたんでしまったので、世田谷のディーラーにお伺いしました。

ディーラーの対応は・・・満点に近いとご報告しておきます。(田舎のディーラーより人員のレベルが相対的に高い)

お急ぎの方に結果から・・・ 車の出来は非常に良い
という評価になります。
各種媒体でも、同様な評価が始まっていますので、このページでは目線をかえて攻めてみます。

ライバルとの比較

ピカソを考えている方はこんな車と比較するのでしょうか?
 グランセニック:中古車価格が安い
 トゥーラン:DSG+TSIが魅力
 ザフィーラ(二代目):見たこと無い・・・
 ムルティプラ:MTのみですが・・・
 国産ミニバン:一応

◆比較:グランセニツク
ラテン車好きという前提ですと・・・
ルノー・グランセニックと比べる事になります。
これはデビュー当時に試乗経験があります。
止まっていても、走ってもあまり良い印象がありません。
質感も低く、デザイン面も・・・
中古価格が安めなのでこの点は魅力です。
ただ・・・ルノーは部品が高めの価格設定なので長く乗ると、この点が気になります。
個人的にはC4ピカソを、「素」で買うことをおすすめします。

◆比較:トゥーラン
私はトゥーランの試乗経験がありません。(ショールームで見たのみ)
この会社の傾向はある程度予測できますので、あえて試乗していません。(最終判断に近くなると、もちろん乗りますが・・・)
迷ったなら・・・トゥーランにしておけば後悔無しです。(特に体重が重たい方は=シート堅め)
購入するのは現行(新車)と限定します。この車の最大の魅力はDSG+TSI!
これが安価に味わえることです。非搭載のマイナー前モデルは中古価格も高いことから美味しい所がありません。
トゥーランの中古なら・・・他をおすすめすることになります。
内装の質感などを含め、「良い買い物したな・・・」感はピカソの勝ち。
特にファブリックシートの居心地の良さはドイツ車に無い風合いです。
現実的な道具(ランニングコストなど)はトゥーランが勝ちです。
トゥーランもピカソも極めて高レベルな欧州ミニバンです。
この2台に迷うような環境にいるなら、やはりトゥーランが無難です。
同じトラブルが発生しても、トゥーランの方が周囲から色々と言われないような気がします。

◆比較:ザフィーラ(正規最終型)
乗ったこと(見たこと)はありません。
カタログを見る限りは内装の質感は高そうです。
国内の販売実績と連動せず、この頃のオペルは上がり調子なので、恐らく良い車です。
この車を候補にする方は特殊な方・・・なハズなので、ご自身で研究して見て下さい。
初代ザフィーラ(トラヴィック)の中古を試乗したことがあります。
世間の評判ほど良くなかったと記憶しています。

◆比較:ムルティプラ
まずは・・・5MTというのがネックになる方がいるはずです(私は妻にAT限定を解除させました)
これはクリアーとして話を進めます。
C4ピカソ=高速向き・偶数家族向き
ムルティプラ=低速~中速向き
C4ピカソの高速巡航は無敵と呼べるレベルです。
100km巡航限定ならA6よりも楽です。(それ位、良い車)
一方のムルティプラは幅広・ショートホイールベースであることからハンドリングミニバンの究極系です。
国産にありがちな足回りを必要以上に締め上げた「スポーティー」ではありません。
ベクトルは違うがどちらも良い車です。
着眼点は家族構成にあります。
ムルティプラは前席3人乗りです。
子供1人なら、右側=夫 中央=子供 左側=妻 で完成。
子供2人なら、前右=夫 前中央=テーブル 前左=子供1 後右=子供2 後左=妻
子供3人なら、前右=夫 前中央=テーブル 前左=子供1 後右=子供2 後中央=子供3 後左=妻
我が家は子供3人+夫婦で良く乗ります。サードシート付のピカソの場合はどこかが一人になります。
この点で、ムルティプラしかないという現実に行き当たります。

◆比較:国産ミニバン
国産も良い車が増えてきました。
新型MPVやプレマシーなど、ハンドリング面で驚いた経験があります。
(日々の付き合いだと、この点がネガになることも・・・)
逆にトヨタさんのミニバンには・・・走ると候補から落ちていく・・・悲しい経験しかありません。
具体的には・・・
ムルティプラ購入の際に、アイシスの試乗をしてみました。
走り出す前は良かったんです。値段もそこそこで、使いやすそうでした。
ショールームの段階で、Bピラーを外していることが気になっていました。(走りの面でプラスは何も無いハズ)
このネガをどこまでつぶせるのかの確認のため、試乗です。
すごかった・・・です。
運転席ではトヨタ流のふにゃふにゃハンドリング。セカンドシートでは低速から始まる床の振動・・・
直線の試乗のみで落選というのはこの車だけでした。(二代目MPVは曲がってダメ)
Bピラー外し+スライドドアの弊害はもの凄いネガになっていました。
この車の開発を進めたので、この頃のトヨタの考えがわかります。(売れればOK!)
その際に、トヨタ・マツダ・ホンダに試乗しましたがトヨタ以外は合格域に入っています。
で・・・現行MPVなどに乗っている、ハンドリング重視な方に是非ともピカソは試乗していただきたい!
一般的に言われる、ハンドリング面はMPVやストリームの方が優れます。
しかし・・・走る距離のほとんどを占めるはずの直線ではピカソが圧倒的に優れます。
疲れない・デザイン・安全などでは国産は足もとに及びません。
だまされたと思って・・・シトロエンの試乗をしてみてください。
その際はトルコンATからの試乗が絶対条件です。(気に入ったらロボATの試乗へ)

あえて、ネガから考える

ピカソは高評価で当然の車です。
普通の試乗程度では致命的な欠点は見つけられず、良いところばかりが目に付く車です。
ここでは敢えて、欠点中心に書いていきます。

◆ガソリンエンジン
シトロエンが属するPSAはディーゼルが現在の主流です。
プジョーがディーゼルでルマンに挑んでいることからも、開発資源はディーゼルに入れているはずです。
当然の事ながら、ガソリンの開発速度は落ちることになります。
アウディがディーゼルで蓄えた技術をガソリンに応用するのとは雰囲気が異なります。
さて、そのエンジンですが・・・致命的に悪いワケではないのです。
VWのTSIなどを見た物ですから・・・燃費面などで見劣りがします。
元々が左ハンドル前提の車ですので、エンジンマウントなども左ハンドルに最適化されています。
右ハンドルとなる国内版では停止時にわずかにハンドルに振動が入ることにより、このネガが出てきます。
ただし・・・C5などを100の振動とすると、ピカソでは20程度にまで押さえ込まれています。
具体的に指摘されても気が付かない人が居るという極めて小さい振動です。
この振動も走っている限りは気が付けません。
エンジン面では燃費のみが欠点です。

◆2ペダル6MT(ロボMT)
自動車雑誌ではこちらを進めると思われます。
私も、購入するならこっちです。
私のように高速メイン用途なら、益々こちらです。
ただし・・・試乗や都内の走行メインならトルコン(普通)のATの方が良いような・・・
私も都内の試乗だったのですがその用途なら普通のATの方が印象が良かったと報告します。
この2ペダルMT(この表現はキライ)はアルファロメオの現行のセレスピードなどと比較すると良い意味で洗練されていません。
普通のMT車に乗っている様な感覚なのです。
私はセレスピードを運転すると酔いそうな感覚を得ます。
助手席や、後の席なら問題なしですが運転するとこうなります。
自分でシフトすると、良いのですが・・・それなら普通のMTで良いじゃないかと・・・
なお、2ペダル6MTは燃費面では優秀。エンジンの美味しいところではなく、コンピュータが燃費の良いところでシフトするからだそうです。
私は転がしたいので、普通のMTが好きですが・・・

◆独自のインパネ・内装
この部分に関しては検証してません。
間違っている事もあるので、注意して読んで下さい。

前席のエアコン調整
左右独立です。サードシートまで吹き出し口が付いています。
この点は良い点です。
問題は・・・前席のコントロールはドア側に付いています。
「パーソナルな物なので、これで良いじゃないか」がシトロエンの言い分ですが運転席から助手席の温度コントロールが出来るのか?と眺めていました。
(チョイノリではこの位しか気が付けないほど、良い車)

◆信頼性と耐久性
この頃のラテン車の信頼性は高くなってきました。
ムルティプラにてこの点は確認出来ました。(年間2万km走っています)
耐久性に関しては・・・ドイツ車・昔のボルボよりもハッキリと劣ります。
ラテン車(シトロエン・フィアット)では20万kmを余裕で走りきれるとは・・・思えません。
物理的には問題なしなのですが部品の供給体制と部品その物の耐用年数の低さはハッキリと確認出来ています。
C4ピカソを10年乗ろう・・・と意気込む人は少ないかと思いますがその場合にはある程度の覚悟が必要です。
ひと頃よりも信頼性で良くなったという具体的な芽があります。
シトロエンは3年間距離無制限の保証が付いています。
これはBMWにも、トヨタにもない補償体制です。

345万円・・・

まず、345万円が本体価格です。
主要なオプションとしてはフルレザーパッケージ(75万円)です。

シトロエンが商売下手だな・・・と感じるのはこの価格設定です。
だって・・・高いと思いませんか?
「国産よりも100万円高い・・・」などという記事も目に付きます。
この価格は個人的には、「適価」と思いました。
国産ではオプション(もしくは上級グレード標準)となる以下の装備が全て標準です。

ニーエアバック+カーテンエアバック
前後パークアシスト
ESP(トヨタのオプションは有名)
オートワイパー・オートクルーズ・オートライト
リアエアサス(壊れるという・・・突っ込みは無しで)
首振りヘッドライト(アウディなら600万以上の車しかつきません)
3年間距離無制限保証(国産には設定無し)

こうやって列べてみても、以上が標準装備の400万以下の車を思いつきません。(国産には無いのです!)

レザーシートを考えます。
フルレザーパッケージ=75万円
ただのレザーシートではありません。
ダッシュボードもレザー張りなんです。
普段から、現行のアウディを内装の判断基準としている私が良いと合格点を出します。
BMW(E90)よりもベンツ(Eクラス)よりもC4ピカソが勝ります。
アウディではA3のレザーシート(乗り出し500万弱)よりもピカソが勝ちます。

まとめ

車の出来は現行のシトロエンでNO1
C6よりも、ピカソを私は評価します。
価格は現在のユーロ高を考慮すると、安いとさえ・・・
家族が反対する場合は以下の言葉で決めて下さい。
◆対輸入車
「BMWでも2年間保証なのに、シトロエンは3年間」
「アウディなら600万クラスの装備が標準」
「ベンツよりも内装の質感が高い」

◆対国産車
「安全=ニーエアバックなんて国産ミニバンではありえない」
「3年間距離無制限保証=国産ではこんな保証は無い=壊れなくなったんだよ!」
「345万円=この装備なら、エリシオンもアルファードもずっと高い」
「長く乗っても飽きない=台数少ないから」

正規ディーゼルが入るタイミングでは社用車として購入の候補として上位にあげます。
社用車として考えると、運転者を選ぶムルティプラよりもバランスの良い車かもしれません。
私が普通のサラリーマンなら、この車を新車で買っておきます。
最低5年。可能な限り長く乗るという条件での購入です。

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