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Audi TT 2.0クワトロ試乗 評価が難しい車・・・

2.0クワトロ

'09/03/26 二代目初試乗 Audi TT 3.2クワトロ
こちらも併せてご覧いただけると楽しめます。
あちら(3.2L)はトルコンATで乗りたい車。と締めています。

こちらは(2.0クワトロ)、人により評価はマチマチと結論から入ります。

DSG搭載車は「わんぱくなくらいで丁度良い」と考えます。
その結果は、「まさにその通り」でした。

手練れが丁寧に乗れば万能車です。
しかし、車が乗り手を選ぶ事も確認できました。

試乗その1:乗り込む

アウディでもっとも感心すること。
それは「シート位置が一発で決まる」です。
路上に出る前から、アウディの試乗ポイントが上がってしまうのはここがポイントと思っています。
なお、BMWにも同様な事が言えるのですが私自身がアウディ程の経験値を積んでいないため断言出来ません。
少なくとも、過去に試乗や同乗で乗ったBMWにハズレはありませんでした。(シート限定)

参考までに・・・
社用車であるA3 2.0TFSIのオプション設定されているレザーシートはBMWの5シリーズのレザーシートと同等の高評価をしています。
高価なオプションですがそれだけの価値があります。
500万以下限定で、「硬め」が好みならベストのシートです。
なお、500万以下限定の、「柔らかめ」ならシトロエン全般と、ボルボC30のファブリックシートを推奨します。

メルセデスは・・・
こちらの評価はマチマチなので、推奨することは出来ません。
「素晴らしい」と、「ダメダメ」が同居している不思議なメーカーです。

シートを高評価とする、アウディ一族にも例外はあります。
Q5・・・
あのシートはアウディのシートではありません。
走り始める前に、「この車はダメ~」と即答出来た、久しぶりのアウディです。
詳しくは後日ページを起こします。

試乗その2:ワインディング

TT

試乗で最初に舵を切ったのは、身近なワインディングでした。
ここがダメなら、「スポーツ」と名乗る価値が無いと言える重要な項目です。

結果としては・・・
合格です。

ただし、全面的に推奨という物件ではありません。

手練れが攻めると物足りない。
一般の方だと、使い切れない。
常識の速度の範囲なら、「ハンドルを切っただけ曲がる」という車です。 切っただけ曲がるは褒めてる様なのですが・・・
「操縦を覚えたい」という方にはマイナスに働くと思います。
(だって、楽ですから)
もちろん、この点を好んで、この車を購入する方もいることでしょう。

ツボにハマルのは・・・
手練れがゆったりと流す。
ここしか、ありません。
ただ・・・いつも、勇ましく走る訳ではないので、GTにわずかにスポーツテイストを入れたと考えれば評価出来る車です。

個人的には好きな傾向です。
ただし・・・
他の、良い車を知っているので・・・購入には至りません。
例えば・・・先代TTのクワトロスポーツとか。。。

試乗その3:高速

TTの燃費

走行区間:中央道 勝沼~八王子(石川SA)
平均速度:流れ+α
乗員:2名(ドライバーは私)
エアコン:ON

初代 TTにて、16.7km/Lを記録している条件と、ほぼ同一の条件です。

タイヤは18インチのコンチネンタルのスポコン2を履いています。
これが・・・転がりません。
タイヤを細くするか銘柄を換えれば、1割程度の改善は望めそうなのですが良いところを薄めてしまうような気もします。
少なくともスポコン2がベストなタイヤとは思えません。
どうせ燃費が悪いなら・・・パイロットスポーツなどの方がマッチングは良いと思います。
しかし・・・こうやって比べると初代TTが如何に燃費が良かったかを思い知らされます。

高速安定性などは「いつもの、アウディ」です。
高速でのツーリング性能はFR勢と比較にならないほど優秀です。
路面からのノイズも初代と比べると、上手に押さえています。

人並み以上の速度で、高速道路の山岳区間を走って、15km/Lの燃費なので・・・
「何が不満なんですか?」と言われそうですが・・・
「初代TTなら、ずっと楽しめて、燃費も良いんです」としか言えません。

試乗その4:都内の渋滞

環七内回り

今回の試乗路(仕事中)は環七の世田谷付近が含まれています。
当然ですが・・・渋滞が発生してます。
ここで、この車の第2のポイントがわかりました。

「渋滞には極端に弱い車ではないか・・・」

5km/h程度から停止までの流れで、車がギクシャクとします。
当然ですが他のDSG搭載車も得意な速度域ではありません。
このTTでは適度に締め上げられた脚と、18インチの装着タイヤ(スポコン2)により、このクセが増幅されています。

対処法としては・・・
・微妙なアクセルコントロールの習得
・止まる事がわかった瞬間に、ニュートラルにシフトチェンジ

私は上記二つの方法の両方を試し、どちらも選択しました。
アクセルのコントロールのみで、トルコン並の快適な乗り心地は不可能です。
シフトノブの形状が「明らかに、ニュートラルに入れやすさを重視した形状」であると取れたために走行中にニュートラル攻撃を採用しました。
※自己責任は当然

アクセルコントロールとニュートラル攻撃を加えても、渋滞中にカバー出来ないイベントがあります。
完全停止中に、前の車がジリジリと前進し車間が3m空いた・・・
この3mを詰める為に、こちら(TT)が移動することは避けるべきです。
どうやっても、ギクシャクします。
さらに、車(DSG)にも、悪いような気がします。

結論:相変わらず、人を見るのですね?

やんちゃな性格

初代TT(1.8T)はどっかんターボと優秀な6速トルコンATにより、右足のコントロールが試される車になってました。
手練れが乗ると気持ちよく速く走りますがトヨタユーザーに代表される「デシタルアクセル」しか出来ないドライバーの助手席に乗ると・・・
「拷問ですか?」と問いたくなる劣悪な乗り心地になる素敵な車でした。

この素敵な特性は、二代目TTにも増幅して受け継がれています。

恥ずかしいのですが・・・
3.2Lの試乗時には、この癖が見抜けませんでした。
私が助手席を試さなかった事と、渋滞に入らなかったことが気づけなかった原因です。
今回は山梨と都内の往復でした。
往路は私の運転。
ドライバー・ナビともに、「良い車だ~」とニコニコ。
(ただし、渋滞に弱いことは、ドライバーが気が付いている)

復路ではドライバー交代。
ドライバーは初代TTに1年。
現在はA3 2.0TFSIに乗っている社内ではもっともアウディを好いているドライバーに交代です。
この復路が・・・苦痛でした。
市街地も高速道路も、アクセルの微妙なコントロールをナビシートとダイレクトに感じる事になります。
微妙に腰痛も出てきました・・・

試乗時のポイント:渋滞と装着タイヤに注目

コンチネンタル スポーツコンタクト2 245/40R18

試乗のポイントは渋滞です。
スポーツ走行に関してはTTを購入しようと考えている「あなたが期待する以上」が備わっています。
走っても、眺めても、支払った価値以上と保証します。
この車を所有して、もっとも「失敗したかも・・・」と感じるのは同乗者がいる渋滞の中です。
なので・・・

試乗のポイントは渋滞を乗りこなせるかの判断です。

最初に、0~2km(歩くスピード以下)をくり返してください。
そこで、ギクシャクすると言うことがわかったら、0~10km。5~20km。など、実際の渋滞をイメージしながらスピードを上下させてください。
ここで、以下を覚えましょう。

・微妙なアクセルコントロールの習得
・止まる事がわかった瞬間に、ニュートラルにシフトチェンジ

これらを試してみて、渋滞を乗りこなせそうなら・・・
お好きなTTの購入に入ってください。

ダメかもと感じた・・・
なら、タイヤサイズを落とす事を考えましょう。
今回の試乗車はコンチネンタル スポーツコンタクト2 245/40R18が装着されていました。
これは渋滞中のDSGのギクシャクを増幅することに加担しています。
17インチにする。
ミシュランにする。
これらで渋滞中のギクシャクは軽減されます。

二代目TTは割安感がある車であることは間違いありません。
2009年に、そこそこ高級なクーペを探しているなら、ベストな一台と言って良いでしょう。
エンジンは個人的には3.2Lよりは2.0Lを推奨。
前輪重視のハルデックス(クワトロ)なら、私は潔くFFモデルを選びます。

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