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福島第一20km圏内。ブログもどきで書くべき話。

浪江町請戸地区からの福島第一原発

←福島第一原発まで7km地点から。
2011年4月16日 私が撮影。

今回のお題は福島第一原発20km圏内に行ったときの話。
義援バルーン空撮では扱いにくい話を、ブログもどきにて書いてみます。

自動車カテゴリですので、それらしい内容に無理矢理着陸します。

浪江町請戸橋付近にて空撮

まずは保身から

福島第一原発の半径20km圏内は警戒区域に2011年4月22日から指定されています。
私が訪れている4月16日の段階では「頭を使えば、合法的に20km圏内にも入れる」状況でした。

これにて保身完了。

このページ内の写真は全て私が撮影。

日本の海岸はどこでも津波のリスクが付きまとう

海岸から2km内陸部

今回の東日本大震災では地盤沈下が大規模に起こっています。
石巻市の住宅地などの床下浸水を、ニュースで見ていると思います。

地盤沈下は被災地の広い範囲で発生しています。
当然ですが福島第一原発の周辺でも同様の事が言えます。
この写真の場所は海岸から2kmの距離にあります。
全てではありませんが低地は震災から一ヶ月が経過しても水に浸かったままです。

もしも、お住まいの地域が海岸から5km以内の低地なら・・・
同様の事は起こりうると想定する必要があります。
また、購入する車の選考時にはこの様な状況で、「動く」のか「動かない」のかを選択する必要があります。
潔くスポーツカーを選ぶのなら・・・
その車は迷わず捨てられるでしょう。

被災地にてアウディA6オールロードクワトロ

災害時に判断に困るのがSUVという類の車です。

「この車は四駆だぞ」 (千と千尋より)

この様な考えが頭を過ぎって、実力以上の悪路に車を進めてしまう場合があります。
また、SUVを選ぶ方の多くが暴走気味の思考の持ち主であることも常識では無いでしょうか?

福島第一付近ではSUVの生息が根本的に少ない。
ドライバーは普段から悪路の走破に慣れている。
この様な環境であったことから、震災後に悪路でスタックしたと思われる車両には一台も出会っていません。
しかし・・・
首都圏で、同様な事が起こったとすると、勘違いしたSUVによりスタックの多発。
そのスタック車両に邪魔をされて、救助活動がままならない。
この様な状況が容易に想像出来ます。

これと同じ様なことはスキー場周辺の道路にも当てはまります。

事故を起こしているのは都市部のナンバーを付けたSUV。

悪路でもっとも必要な車の能力は・・・
ドライバーの経験です。

ノーマルタイヤを履いた北海道のタクシードライバーの方がSUV+スタッドレス+東京のドライバーに勝ります。
雪道や未舗装路では車両の基本スペックよりもドライバーの能力の差が出ることになります。

今回の震災以降は車選びにも影響があるかと思いますが・・・
悪路走破性は気にしなくてもイイよ!とコメントします。
ちなみに、エスティマハイブリッドも必要ありません。
安価な、DC-ACインバーターを一つダッシュボードに忍ばせれば、装備は十分です。

本気で、災害時に「活躍」したいなら・・・
・ハンドウインチ
・ハイリフトジャッキ
・チェンソー
・これらを使いこなせる経験

以上を、「装備」する事をおすすめします。

津波直後の道路は以下の様な状態になります。
義援バルーン空撮から

この様な状況では突撃仕様のジムニーを手練れが乗っても移動はままなりません。
仮に移動が出来たとしても・・・
行方不明者がガレキの下に居ると思われ場所を踏むことが出来ますか?

JAFのお世話になるところ・・・

JAFのお世話になるところ・・・

この時の20km圏内の撮影時に、絶体絶命のピンチがありました。

←ビンチを脱した直後に撮影。

浸水した水が引いた後の道路。
ここに泥が残っている状態です。

「何台かの車両が通った後があった」
「スタックもしくは脱出に苦労した跡がない」
「車を回すには1km以上のバックが必要」

進むか戻るかの決断で、「突撃」を選んだのですが・・・
道半ばで推力を失いスタックとなりました。

車はメルセデス・ベンツT1N。
FR・デフロック無し・空荷(積載物はバルーン)・周囲に人影無し・乗員は私とアシスタント(嫁)
結構泣きが入る条件がそろっています。

救いは駆動輪がSUV用でもオールティレーンに近いパターンであること。
T1Nが前後違う銘柄を選んでいるのはこの様な時を想定してのこと。(本当)
ブランコの様に車両を前後に揺らしながら泥路から脱出。
その後、ドアミラーを頼りに1kmを後退・・・

私の人生がこの様な事の連続なので、緊張する事も無いのですが(故に脱出後に、ネタを撮っている)

ここで不動車になったら、JAFは来てくれるのでしょうか?

ここで、反省会。
「何台も走った跡があり、それらがスタックしていない」
考えて見れば、これは簡単に答えがありました。

全て自衛隊の車両・・・

FRの商用車がかなう相手ではありません。
頭の隅からは追いやっていましたが・・・

クロカン仕様のT1Nが欲しい(日本にあるのか?)、今日この頃です。

なお、今夜から愛媛(片道800km)出張です。
2011年11月14日 18:28

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