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マツダ以外の日本メーカーは、なぜディーゼル車を積極的につくらないのか?

「某自動車サイトのQ&Aと同じ質問にブログもどきが答えます」の第二十五弾。

圧倒的な強者を避けますよね?
誰でも得意な事は積極的に取り組みますよね?
そういうことです。

マツダ以外の日本メーカーは、なぜディーゼル車を積極的につくらないのか?

Q:日本メーカーのディーゼル車というと、国内では真っ先にマツダの名が浮かびます。トヨタをはじめ、ホンダや日産などのメーカーはなぜ(昔から)ディーゼルを積極的につくらないのでしょう? 欧州市場よりも北米市場に軸足を置いているからですか?
引用元 : 「マツダ以外の日本メーカーは、なぜディーゼル車を積極的につくらないのか? - webCG」
https://www.webcg.net/articles/-/48483

回答例(webCG)
A:「欧州市場はディーゼル」という印象を抱かれる方がいるかもしれませんが、それもまた時代とともに変わるものです。
引用元 : 「マツダ以外の日本メーカーは、なぜディーゼル車を積極的につくらないのか? - webCG」
https://www.webcg.net/articles/-/48483

以下、私の回答。
A:各社で「得意」としているエンジンのジャンルが違うから。
知財などの蓄積により、得意な事はより得意に。
不得意な事は、より不得意に・・・
なお、ディーゼル比率の各国間の傾向は数十年単位の俯瞰では変化していない。

webCGでは以下に関しても語られています。
・86とディーゼル
・専用の噴射ポンプと直噴
・マツダのディーゼル戦略

マツダ以外の日本メーカーは、なぜディーゼル車を積極的につくらないのか?

この質問の答えとしては、「各自動車メーカーが現在の戦略が利益を生むのに最適と判断したから」となります。
トヨタの様な大きなメーカーは大きなパイを狙えば良い。
つまり、2024年現在ではハイブリッドを含むガソリンになります。
そして、マツダのような小さいメーカーは、主戦場に打って出ても大きな資本を持っている大メーカーと戦っても負け戦は見えている。
故に、トヨタが得意としていないディーゼルなどに進んで行くことになりました。
これ、スバルの水平対抗やAWDなども同様ですね。
俗に言う、ニッチ狙いです。

86とディーゼル

かつてスポーツカー「86」の欧州仕様を検討した際、欧州の販売サイドから「どうしてもディーゼル版を用意してほしい」と強く要請されたのですが、フォルクスワーゲンの不正問題や燃料代の上昇などディーゼルを取り巻く状況が変わってしまうと、話はトーンダウン。結局、うやむやになってしまいました。このように、パワーユニット開発には、法規制や流行など世の状況に左右される部分があるのです。
引用元 : 「マツダ以外の日本メーカーは、なぜディーゼル車を積極的につくらないのか? - webCG」
https://www.webcg.net/articles/-/48483

いつもの86ネタですね。
まず、皆さんで調べて欲しいのです。欧州でのディーゼル比率が時代と共にどのように変化してますか?
これを調べると見えてくるのですが、VW不正が無くてもディーゼルは減少という方向に既に動いていたんです。
日本ではVWのシェアが大幅に下がったことから、ディーゼルと同じ様な感じなのか・・・と思ってしまうのですが、ここ少し違います。
でも、86にもディーゼルの話が出ていたのは、ある意味でバブル末期の話であったと読み解く事は出来ますね。

専用の噴射ポンプと直噴

開発におカネがかかるというのも、ディーゼルエンジンの難しいところです。具体的には、圧縮比が高く専用の噴射ポンプも必要になる、といったことが挙げられます。
引用元 : 「マツダ以外の日本メーカーは、なぜディーゼル車を積極的につくらないのか? - webCG」
https://www.webcg.net/articles/-/48483

R55 直噴と非直噴

手持ちの二台から。
左 非直噴 Mini R55クラブマン Coper
右 直噴 Mini R55クラブマン JCW

多田さんは、ディーゼルに専用の噴射ポンプが必要になるからコスト高になるとしていますが・・・

ガソリン直噴も専用ポンプが必要なんですが・・・

ガソリンの場合も直噴の場合は、燃料噴射圧力が高くなります。
故に、ポンプも含めて燃料系のコストは非直噴(ポート噴射)と比較すると高価になる。
そして、この専用ポンプは高価で、よく壊れる。

この世代のMiniは、直噴であることが維持費の観点からは大きな足かせになっています。
既に先々代モデルとなってしまったことから廃車となる個体もチラホラ。
この原因が燃料ポンプの修理費の高さである事も多く・・・

なお、ディーゼルが高価になるのは燃料噴射以外の部分。
排ガス対策がガソリンと比較すると高価になってしまう主たる原因ですね。

マツダのディーゼル戦略

マツダがディーゼルに力を入れるのは、私が思うに、かつてのロータリーと同じように、そこでブランドの特別感やユニークさを表現しようという戦略もあってのことでしょう。 もっとも、そのマツダですら、重量がかさみ官能性にも乏しいディーゼルエンジンをスポーツカーに使うことはないとは思いますが……。
引用元 : 「マツダ以外の日本メーカーは、なぜディーゼル車を積極的につくらないのか? - webCG」
https://www.webcg.net/articles/-/48483

その通りです。
プリウスのエンジンを調べて見て下さい。
あれ、ハイブリッドだから燃費が良いのでは無く、純粋にエンジンその物の省燃費化の技術が飛んでも無く高いのです。
トヨタも、この点は十分承知していて、最新且つ最高率のエンジンは常にプリウスから投入します。
マツダも当然ですが、この事は理解している。
そして、トヨタと通常のガソリンエンジンで真っ正面から戦っても勝ち目はない。
故に、ロータリーとかディーゼルという絡めてから攻める戦略を選んだのです。

コラム:エンジンと発明

マツダ、新世代クリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D」の燃焼室構造が平成28年度全国発明表彰「恩賜発明賞」を受賞
引用元 : 「マツダニュースリリース 2016.5.26」
https://newsroom.mazda.com/ja/publicity/release/2016/201605/160526a.html

これが、マツダのディーゼル関係では大きなニュースでした。
当時に、これを探った際には、「何とも、マツダらしい解決手法だな~」(褒めています)と感じました。
ディーゼルは圧縮比が高いから燃費が良いと疑いを持たなかった私には大きな衝撃でした。
それから8年。
私の方も特許に関する知識が増えてきたことから・・・今では当時ほどの驚きはありません。
関係するいくつかの特許を探る限りは、完全なる新規の発明では無いのね。と読み取れます。
もちろん、価値のある発明なのですが、発明家として嫉妬するレベルではないというだけです。

なお、「恩賜発明賞」はその後の生活に大きな影響を及ぼす様々な発明が含まれています。
この賞のひとつの特徴は、発明から表彰までの期間が比較的空いていること。
つまり、確実に生活に普及してから表彰に至るという点です。
この賞をマツダのディーゼルエンジンが取ったというのは・・・嬉しい事ですね。

某自動車サイトのQ&Aと同じ質問に答えてみる

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