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ダイハツ不正とGRコペン

2023年導入 GRコペン×2台

2023年の自動車業界最大のニュースである「ダイハツ不正」を掘り下げます。

過去に購入している41台の多くは輸入車です。
国産車は、この10年で3台しか購入していません。
この数少ない国産車購入の中で、ネタが下りてきました。
まさかのダイハツの新車を2023年に2台購入していました。

このダイハツ不正に関しては本業にも影響がある事柄です。
自動車の管轄は国土交通省。
そして、私の本業である飛行体(ドローン・eVTOL)の管轄も国土交通省です。
今後の飛行体開発にも影響は少なからず発生することから、今回の経緯は仕事として見守っています。

なお、最近のR&D(基礎設計と特許発案)の対象は乗員が少なめのeVTOLでした。
俗に言う、空飛ぶ車です。
GRコペンの購入理由の一つが、キャビン設計時の空間の検討の為。
設計後に、間隔の狭い席間の根拠を問われた際に、「コペンと一緒です」と答える為です。
なお、「外人は大きいぞ!」と言われたときのために、「M4と一緒です」も用意しています。

あえて、GRコペンを軸として今後を考える

まず、今回の問題は自動車業界として非常に大きな変換の切っ掛けとなる事案です。
様々な変化が発生すると推測されますが、今の段階で未来予測をしてみます。
※然るべき段階で答え合わせをします。

Q1:GRコペンはどうなるか?
A1:復活は無く消滅。3代目の登場は2030年以降と予想

Q2:ダイハツはどうなるか?
A2:ブランドは消えない。しかしモデル数は削減される

Q3:軽自動車はどうなるか?
A3:ガラパゴスの継続

Q1:GRコペンはどうなるか?

A1:復活は無く消滅。3代目の登場は2030年以降と予想

ポイントは以下の通り
・不正の内容
・自動ブレーキ義務化
・スポーツカーは最後に復活

◆外部リンク:ダイハツ・第三者委員会による調査結果および今後の対応について
第三者委員会 調査報告書

興味がある方は、上記リンクの調査報告書をご覧下さい。
そして、コペンが該当する不正は以下になります。

1):p.50 車体番号の虚偽記載

2):p.51 左右対称位置の打点の試験結果の流用

3):p.52 インパクタ衝突角度の虚偽記載

4):p.53 試験速度の改ざん

5):p.74 騒音の試験結果の虚偽記載

6):p.80 後軸重量の虚偽記載

7):p.80 積算走行距離の虚偽記載

8):p.81 試験実施回数の虚偽記載

9):p.84 確認結果の虚偽記載

まず、今回の件で色々な方がコメントを出すと思います。
そして、その人の立場により内容の強弱は付くはずです。
このページもその中の一つとなるのですが、コメントを出す人間のタイプが少しレアになります。
・自身が航空機(ドローン)の開発者である
・同時に経営者でもある
・自動車開発者の思考をある程度は理解している
・国土交通省に許可申請をすることは自動車も航空機も一緒

この全てを同時に叶える人材で、自動車業界外にいるのは少しレアです。
今後の自身のR&Dに少なからず影響がある内容なので時間をかけて考えました。

まず、結論としては上記したとおりです。
GRコペンの再販は無いと思います。

不正の内容から感じるのは、「安全率の範囲のブレで実性能に大きな影響は無い」という現場での見切り。
一応はエンジニアとしての魂は残っていると評価します。
ここ、以下で取り上げますがVWのエンジニアと大きな違いです。
※ダイハツのエンジニアを褒めています

不正の内容は国土交通書の責任の範囲で問題なしと落とせるところはあります。
しかし、全てを問わないのは無理がある内容です。
これで、お咎め無しという落ちを付けるならば、未来の私は国土交通省と戦う事になります。
確かに、経済に大きな影響が出る本件を過剰に取り締まるには無理があります。
でも・・・自動車メーカーとして超えてはいけない一線を越えてしまったと受け止められます。
個人的には、国土交通省の検査基準は、「本当に必要ですか?」と思うことは多々あります。
同時に、「なぜ、これを試験しないの?」という項目もあるのです。
どちらにしても、国内で開発をするには国土交通省に従うしか選択肢は無いのです。
そして経済に多大な影響があるという観点から、この件を見逃すとすると・・・
もっと先々に大きな影響が出てしまいます。

経済への影響が余りにも大きいことから、本心ではあらゆる方が先々に問題の無い範囲で緩い結果を望むはずです。
これ、ライバルメーカーとなるスズキでも同じです。
一時的にシュアアップよりも軽自動車全体の衰退が困りますので・・・
そして、「妥協しませんでしたよ!」という姿勢を見せる際にコペンの打ち切りは都合が良いのです。
一般の方が見るのは、不正問題により禊ぎをどこまでしたのか?
その際には売上げベースでは無く、不正の数をベースにするハズ。
その際に、売上げの割りに不正の数が多いコペンは都合の良いコマになります。

不正の問題よりも小さいですがもう一つの原因が自動ブレーキ対策。
少なくとも、2023年12月の段階でコペンには自動ブレーキが未装着です。
そして、自動ブレーキ対応の期限まで約2年。
仮に対応をする気なら、既に改修は入っているはず。
なお、コペンと同様の継続生産車であるハイエースの自動ブレーキ対応は2017年です。
そしてGRコペンの発売は2019年。
仮に対応する気があったなら2019年のタイミングで採用していハズです。
つまり、今回の不正が無くてもコペンは2025年には生産が終了していたハズだった。
その期限が近いことと他に優先すべき車両はあることから、GRコペンの再認証はされない。
つまり、第2世代(LA400K)GRコペンは2023年式が最終年となると予想します。

それでも禊ぎは必要です。
原因がタイトな開発環境とするならば車両整理の方向しか落としどころはありません。
再検査が必要ないとされた車両から販売は再開。
そして再検査が必要とされた中から優先順位を付けて再販の流れへ。
その際に唯一のスポーツカーとされるコペンの復活は上記したとおりありません。
そして予定していただろう第3世代のコペンは然るべきタイミングまで登場は延期されることになります。
これは過去に自動車メーカーの不祥事や経営危機にどのように対応したのかを観察すれば見えてきます。
スポーツカーは常にリストラの最優先に上がっています。

Q2:ダイハツはどうなるか?

A2:ブランドは消えない。しかしモデル数は削減される

本題とは外れますが2023年の自動車業界ネタとして・・・

ビッグモーターは無くなります。

でも、ダイハツは残ります。

根拠は、VWは現在も残っている事。
出来れば、VWのディーゼル不正に関して調べて欲しいのですが・・・
これ明らかに闇が深すぎます。
ダイハツは、自動車メーカーとして超えてはいけない線を越えたとしました。
でも、VWは人(開発者)として超えてはいけないところを攻めてしまっています。
メディアは、「安全を蔑ろにして~」と煽りますが、ここは無視します。
そもそも、軽自動車で安全を語る段階でおかしいのです。
パッシブセーフティーは物理の世界です。
根本的に小さい軽自動車で、ハイトワゴンなどが販売されている段階でお察しです。
例えば後面からの衝突の基準は、「同じ重量の車両が後ろから追突」とされています。
少し考えれば、これで星を付けるとかおかしな話であることはわかりますね?

結論としては・・・
ダイハツは残る。なぜなら、VWよりもマシだから。

なお、不祥事後のVWも定期的に購入しています。
これは、VWの復活の本気度を測るため。
その結果は・・・しばらくは購入しませんになっています。

Q3:軽自動車はどうなるか?

A3:ガラパゴスの継続

まずは爆弾を投げ込みます。

軽自動車のモデルチェンジサイクルは早すぎる。
この原因はユーザーの質の低さにある。

今回の不正の原因とされているは、現場の開発資源の少なさです。
これは、人員と時間のどちらもに言えるでしょう。
この様な流れに入った理由の大きいところが軽自動車の過当競争にあります。

もっと言うと・・・購入者の質が悪い!

はい。
爆弾の投下です。
今回の件も、ユーザー側に責任は無いとするのでしょうけど・・・
私は、この片棒を担いでいるのはユーザーであると言い切ります。
開発車の観点からは、自動車の性能の伸びしろは僅しか残されていないのです。
それを、安全や環境などを引っ張り出して無理矢理新型車を売っているのです。
この、安全や環境ですが・・・輸入車はとっくにはじめていたのです。
私が愛するボルボ(この頃の故障率は酷い)ですが、'80年代で両方を大事に開発していました。
皮肉になるのですが、この二つを本質では無視していたブランドは大きくなり、真面目に取り組んだブランドは成り立ちませんでした。

爆弾の続きです。
まず、軽自動車は本質的に環境に悪い代物です。
私も小さな車は必要と思います。
ですが、環境を考えるなら軽自動車のエンジンは小さすぎる。
それなのに無駄に大きすぎる。(高さ方向)
そして、商品としての寿命も少なすぎる。
ただし、この方向に向かうと企業の利益は少なくなります。

量産がコストダウンに必要なのは理解して貰えると思います。
でも軽自動車は日本専売。
そして、モデルチェンジも異常に早い。
売価も安くないのに消費者は買い求める。

こんな美味しいマーケットをメーカーが手放す事はありません。
既に洗脳は完了しているのです。
燃費も環境も税金も・・・
よく観察すれば見事に誤魔化されています。
軽自動車も550cc時代までは、そもそもの趣旨を反映していたと思っています。
それが、長い年月の中でメーカーとユーザーの居心地の良いガラパゴスをつくってきた。
日本人のエンジニアとしては少し恥ずかしいのですが、軽自動車というガラパゴスは無くなりません。
ユーザーもメーカーも、今が気持ち良いと思っている限りは・・・

GRコペンのパッシブセーフティ

おまけ:パッシブセーフティーの観点からの軽自動車

ブログもどきを長く見ている方は知っている思いますが・・・

私は「安全バカ」です。

20年以上前に起業して、その当時からカンパニーカー制度を採用しています。
その理由は、「若者に自動車選びを委ねると危険な車を選ぶから」になります。
常に輸入車(特にヨーロッパ車)は、安全と環境が国産車よりも進んでいます。
まあ・・・潜在的な危険をキチンと説明して危ない趣味車を採用するという事もあるのですが・・・

でも、安全を重視するという車選びを基本としています。
そして、初めての軽自動車としてGRコペンを選んだ理由の人がパッシブセーフティーの観点から。
素のコペンですが、軽自動車としては最長クラスのボンネットを備えています。
そして、多少重たいですが軽自動車ですのでコンパクトカーよりも軽量。
FFで自爆事故とするなら前面のクラッシャブルゾーンの長さが必要。
ここに関しては、ほとんどのコンパクトカーよりも優秀なんです。
ご覧の様に、第2世代Mini(第2世代コペンと同時期)とクラッシャブルゾーンの長さは同一。
そして圧倒的に軽いのですから自爆事故ならば軽自動車最強クラスなのです。
さらに、GRコペンではアンダーボディーに純正の補強が入ります。
なお、軽自動車の安全面のもっとも弱点と指摘出来る後方からの衝突。
ここもコペンは優秀です。
そもそもが2シーターで、後軸よりも当然ですが運転席は前にあります。
コンパクトカーの後席よりも確実に安全ですね。
なお、側面衝突に関しては・・・無理ですね。
ここ、WRCでも死亡事故の原因になってしまうところです。
側面衝突に対応するには全幅の拡幅が確実に必要です。
昨今の高級SUVが全幅の割に室内幅が狭い理由が、この対策からになります。

さらに注意が必要なのは高速道路。
渋滞の最後尾に大型車というパターンも・・・
2シーター故に普通の車両よりもマシですが、ここは少し怖い。
故に、コペンのドライバーには高速移動が発生する場合は、初代Miniクロスオーバーに乗ることを推奨しています。
こちらは、コンパクトクラスでは最強クラスの全方位パッシブセーフティー車両。
新東名では、軽ハイトワゴンがものスゴイスピードで飛んでますが・・・

洗脳は怖いですね~

R&D:軽自動車規格の見直しに関して

あくまで個人的な見解として軽自動車規格の見直しを考えて見ます。
ネット上のひとつの意見として流し見してください。

・排気量に関しては1.5L以下
・税金に関しては現行と同一
・全幅に関しては現行と同一
・全長は伸ばす方向で(0.2m前後)
・全高は、2名乗車は現行と同一
・全高は、4名乗車は現行から大幅に低減
・最高速度に関しては普通車と同等に
・高速料金は普通車と同等に
・ナンバープレートは、昔の黄色タイプへ

何をしたいかというとハイトワゴンの全廃なんですね。
ここを押さえてしまえば、軽自動車規格の矛盾を解消することが可能になります。
スライドドアのハイトワゴンの軽自動車など航空機のエンジニア的にはあり得ない代物です。
これではコンパクトカーが売れないと言われるかも知れませんが・・・
そこは全長と全幅の縛りがあることから大丈夫。
それどころかエンジンの供用などによりコンパクトカーは値下げの余地が出来ます。
そしてコンパクトカーのハイトワゴンが増える事になるでしょう。
さらに新軽自動車規格は輸出も視野に入る。
確かにメーカーや一部の販社の売上げは一時的には下がります。
しかし時間が経過すれば、これは正しい方向への修正であったと評価されるハズ・・・

でも、この様な事は出来ないと承知しての妄想なんですけどね・・・

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