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アバルト500試乗 想定以上の出来の良さを確認

車両増車の候補として、アバルト500(右ハンドル・MT)の試乗を行っていました。
ブログもどきとしては久しぶりの試乗記となります。
対象は20代前半のデザイナ用の社用車。
それではいつもどおり結論から。

右ハンドル・MTはとても良くできた車。それ以外は・・・

ABARTH500の、2012年現在のラインナップ

・ABARTH500(クローズ) MTのみ 左・右ハンドル設定有り
・ABARTH500C(オープン) ロボMTのみ 右ハンドルのみ

500Cに、MT設定が無いのが残念。
MTがあれば、こちらにする可能性も高い。(UK物平行までの気持ちは無い)
(試乗はしてないけど、)あんな、出来の悪いロボMTを売るくらいなら、「まとも」なMTで売れば良いのに・・・

「あなた、都内の渋滞を知らないでしょ?」(私は山梨の田舎に在中)
と、言われれば・・・
ボルボP1800(40年前のMT車)で、「普通に都内でMTに乗ってます」と答えます。
今の快適なMT車で、都内の渋滞ごときで弱音を吐くなら・・・
プリウスでも買って下さい。
出来の良いMTでの渋滞は何も問題無いと思います。
しかし・・・出来の悪いATでの渋滞は苦行以外の何者でもありません。
ちなみに、VWやAudiのツインクラッチでの都内渋滞は十分苦行です。
都内に、あそこまでアウディ(DSG搭載車)が増えていることが私には理解出来ません。
都内のの、DSG搭載車・・・
ブランドのみで車選びをしている寂しい方です。
ちなみに、本来のVWやAudiの使い方をしている人は当然ですが除外します。(そんな人は極めて少ない)

ディラー訪問の目的は右ハンドルMTのペダル位置確認の為

社用車に乗ることとなる社員に、候補となる車を何台かピックアップさせました。
FIAT500
ABARTH500
CITROEN DS3
本人の希望は、「小さくてAT」なのですが・・・
会社としては乗れるならMT押しになります。
FIATは右ハンドルの運転環境を蔑ろにしていないのが良いところ。
ムルティプラは右バンドル環境にひとつも不満がありません。
過去に試乗している159では左ハンドルよりも右ハンドルの方が運転環境が良かったなどと記憶しています。
この様な、右ハンドルを疎かにしないFIATなので、大きな瑕疵はしていないと思いたいですが・・・

FIAT500はコンパクトカー。本当にペダル位置は大丈夫か?

当然のごとく考えてしまいました。
ドライバーは十分な経験を積んでいません。
MTでも不安がある・・・などという状況ですので、左ハンドルなど選択肢としてはあり得ません。
ABARTH500はMTのみの設定。
ABARTH500CはロボMTのみの設定。
右ハンドルMTの足もとがキチンとしていないなら、ABARTH500は候補から落とすことになります。
非力とは行っても、FIAT500にはアイシンAT仕様が用意されているのですから・・・
【加筆】
アイシンATは北米仕様。

ショールームで車内を拝見する前に、営業さんに質問。
私:「右ハンドルMTのペダルはオフセットは?」

営:「問題ありません」

私:「ならば、右ハンドルのデメリットはありませんか?」

営:「何もありません」

ここまで、お聞きしてショールームにて車両に乗り込みました。
確かに、右ハンドルMTのペダル位置は適正位置。
アクセルとブレーキの距離間など、見事と言える出来でした。
しっかり仕事してくれ!という、とても好ましい設計がされています。
この一点の確認が取れたところで、この日の仕事のほとんどは完了。
仮に、試乗無しでの購入でも大きな後悔は無い事でしょう。
ペダル位置が思いのほか良かったことから、予定はしていませんでしたが試乗を申し込むことにしました。

試乗開始
各種設定は価格相応と評価。
シート回り、ハンドル回りの調整でコストダウンは見られるが許容範囲。
室内に関しては高く評価。
コストをかけずに、上手に魅せる方法をキチンと研究しています。
国産車など、足もとに及ばない深さが伺えます。
若いデザイナの車としては勉強という意味でも最適。

それでは路上に出動します。
道路に出て、3速程度にシフトアップして・・・

私:「あっ!」
この段階で、フットレストの位置が適切で無い事に気がつく。
その旨を営業さんに伝えると・・・

営:「そうなんですよ~」と返答。
「なぜ、さっき言わない」と心の中で突っ込む。

今回の試乗で、最大のマイナスポイントがフットレストの高さ設定不良です。
高い方向にズレているので、購入後に改善できるかは不安ですが・・・
「都内で営業回り」などのハードな用途に使わない限りは大きな問題にならない範囲とも言えます。
確かに、マイナスなのですがこれ以外のプラスが大きすぎるので耐えられます。

5分程度の試乗での印象。
コンパクトカーでは過去に乗った経験があるなかでベスト。
この数年と限定すると、FITやMiniの経験がありますが・・・
自分が買うなら、ABARTH500で決まりです。
営業さんが同乗しての試乗ですので、激しくは乗っていません。
アクセルの踏み込みも8割程度と推測。(ベタにしていませんので、推測と表現)
女性なら・・・何も問題が無い早さです。(早すぎると感じるかも?)
手練れの男性が乗るなら、必ずよろこんでもらえます。

十分なファンがあるのに、洗練されている。
これがABARTH500 右ハンドルMTに対する私の評価です。
小さくて十分なエンジンがあるので、ファンの標準装備は当然。
感心したのは、「洗練」の部分です。
この落ち着き具合を実用車として評価した場合は、「洗練」という言葉で表現することになります。
本来、コンパクトカーがこうあって欲しいと望む「洗練」が備わっています。

ここで、FIATがどのような方法で右ハンドルのペダル位置を、「まとも」にしつらえたのかを考えます。
目の前の車両を観察したのでないので、机上の推測となることをお許し下さい。
「ハンドルの切れ角を少なくし、タイヤハウスの室内浸食を最低限に抑えた」
試乗をすると判明するのですが小回り半径があからさまに大きく取られています。
確実に、5mオーバークラス。
国産コンパクトではあり得ないくらいのダメダメ君です。
営業さんは、「エンジンがでかいんで~」などという説明をしていますが恐らく見当違い。
次回のモデルルーム訪問時にでも、この点は確認してみます。
「小回り半径よりもペダル位置を取った」
トヨタは真逆の選択をしてくるのはこのページを見ている方は知っていることと思います。
同じ車という商品を作っているのに、ここまでの隔たりがあります。

右ハンドルMTのABARTH500は候補として残す事が確定しました。
ならば、もう少し研究しようと、営業さんに質問をしたところ・・・
営業さんのレベルの低さ(主として人間として)が発覚。

私:「エッセエッセはコンピューターを変えているのですか?」

営:「いいえ、それだけではありません」
モク・・・

私:「えっ? 圧縮比もいじっているとか?」

営:「はい」 自信ありげに。
モクモク・・・

私:「本当ですか?」

営:「はい」 さらに、力強く。
ボ~(火災発生)

私:「嘘言っちゃいけません。ヘッドに手を入れたら、この金額じゃムリでしょ~」

この営業さんは、「その場限り」という事が会話の中で何回かありました。
アバルトは元々はエンジン屋。
私が営業なら・・・圧縮比、主要なバルブタイミングなど即答出来る用意をしますが・・・
残念な限りです。
都内のディーラーの営業さんは地方と比べるとレベルが高いと思っていましたが・・・
偶然ハズレを引いたのか、時代の変化なのか・・・
どちらにしても、残念な限りです。
以下、この営業さんからの情報なので、精度は保証出来ないままでお送りします。

装着タイヤに関して

展示車・試乗車の全てにコンチネンタルが履かれていました。
試乗車は標準車の16インチ装着車。
今回の評価はエッセエッセを装着していない標準車での評価になります。
過去の試乗経験からは、「コンチネンタル装着はハズレ」という印象を持っています。
想定速度が高すぎる事から、市街地走行ではコンチネンタルのネガの部分が大きすぎるというのがその根拠。
しかし・・・
ABARTH500ではコンチネンタルがベストと言えるマッチンクが取られています。
まさかと思いつつ、営業さんに質問。

私:「装着タイヤはすべてコンチネンタルとか?」
普通のメーカーは、「どのタイヤかは入るまでわからない」と答えます。

営:「はい」
確かに、見渡す限りの車両は全てコンチネンタル。
なら、エッセエッセの17インチは崩壊するなと考えて・・・

私:「エッセエッセもコンチですか?」

営:「いいえ。ミシュランです」
うれしすぎる答えが返ってきます。
国産メーカーではあり得ない事ですが・・・
小回り半径よりもペダル位置を優先してくれるFIATの事です。
このタイヤの使い分けは十分ありえると感じました。
ただし・・・
例の営業さんからの情報ですので、話半分で聞いて下さい。

コラム1:装着タイヤが選べない新車をキライ

ブログもどきの試乗の評価はタイヤとセットであることがほとんど。
気に入った車に関しては例外なくタイヤと同時に評価を行います。
必要であれば・・・空気圧の調整を行い試乗を行うなどという事もいつものこと。
それほどに、タイヤを重要視しています。
私が新車よりも、登録車(試乗車落ち・新古車)を好むのには理由があります。
それは「装着タイヤが確定されていること」
これに尽きます。
試乗はミシュラン・プライマシーHP。やってきた車にはコンチネンタル・プレミアムコンタクト。
そりゃ~、乗り味は別物になってしまいます。
ミシュランからコンチネンタルなら、まだ良い例。
過去最低の経験はA6オールロードクワトロの購入時。
当然ですが試乗車は無し。
A6アバント(ミシュラン装着)にて、試乗を実施し購入を決定。
やってきた、新車にはダンロップが装着・・・

皆さんも知っている通り、車には時として「勝手に」改善(改悪)が施されています。
輸入車では試乗した車両と購入した車両では別物ということも普通に起こります。
もちろん、良い方向にかわっているなら歓迎ですが・・・実際には悪い方向に変わる事もあります。
中古なら、タイヤも含めて各種セッティングや組み付け品質は目の前の車その物。
これなら安心出来ます。

21世紀の工業製品と言っても、車は人がつくる物。
組み付け担当者の、当たり外れで、人が感じる領域の出来が左右される事も承知する必要があります。
新車装着タイヤが固定されているなど、走りを重視する車両なら出来て当然と言えるのですが・・・
多くのブランドが出来ていないのが現状。
アバルトで、新車装着タイヤが固定されているのはとても貴重なこと。
この一点のみでも、応援したくなります。

コラム2:ABARTH500の左ハンドル

敵を増やしそうな内容ですが・・・
「ABARTH500の左ハンドルのオーナーさんと酒を酌み交わしたい」
試乗した限りは右ハンドルの欠点は無いと言っても良いレベルでした。
しかし、ABARTH500には左ハンドルの設定もある。
発売から十分な時間が経過していることから、左ハンドルを先行して右ハンドル後追いという段階でもない。
過渡期で左右販売されている雰囲気もありません。
確実に左ハンドルの需要があるから、用意されていると思って良いでしょう。
この時点で、国内インポーターの志の低さを嘆きたいところ。
それを購入しているユーザーの浅はかさも悲しいところ。
左ハンドルの自動車税は5割増し。
微々たる物ですがエコカー減税の財源に回せませんかね・・・
なお、この頃車ネタが増えてきたのは、「エコカー減税が無くなるから」
物事の本質から考えると、エコカー減税には賛同しかねます。
それ故に、エコカー減税が終了してからの車両購入計画の発動です。
この点に関してはどこかでページを起こします。

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