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バルーン動画撮影[技術解説] - 1ヶ月の運用テスト結果

自己採点は60点

バルーン空撮

動画撮影に対応した新型の撮影システムを実務に導入して1ヶ月が経過しました。
その間に4回の実務と5回のテストを行っています。

結果は良好でした。

実務では動画の導入はありませんでした。
パノラマ撮影や一般空撮の業務を行っていました。
従来通りの空撮業務です。
一方でテストでは動画とミニチュア空撮を中心に行っています。
従来(改良を重ねてきた初代)機と比較すると、上空での水平精度では優れる。
強風時は撮影システムにダメージが入ることが確認出来ました。
現在は旧システムをスペアとして保管していますがパーツレベルに解体後に新設計の撮影システムに再構築することになります。

◆実務
都内:最大風速6m/s 調査目的パノラマ撮影
福島:最大風速10m/s以上 一般空撮・VR空撮
都内:最大風速10m/s(強風注意報発令中) スポーツイベント空撮
都内:最大風速1m/s マンション景観パノラマ撮影

◆テスト
テスト1:オペレーターの練度向上
テスト2:TS-E24 F3.5LⅡのカメラテスト
テスト3:09111バルーン(新品)慣らしテスト
テスト4:標高900m条件(塩川ダム)での重量レンズ+対風テスト
テスト5:標高1,350m条件(八ヶ岳倶楽部)でのミニチュア空撮

実務とテストを別けるために別々に記載しています。
実際はテストと実務が交互に入っています。
今が2009年11月11日。
新型の導入日が2009年10月16日と記録されています。
約1ヶ月で、9日間フライトを行っていることになります。

リステル猪苗代空撮 実務での、この一ヶ月の印象は・・・
風が強かったことが印象に残っています。
撮影システムよりも、実務時の風の強さの印象が残っています。
特に福島の撮影時の風が強烈でした。
直近の観測データでは最大11m/s。
撮影場所は防風林の位置の関係から、風が早い場所に位置する事になりました。
観測所で最大風速を観測した同時刻頃に繋留場所では15m/s以上の風を感じました。
過去のテストでも経験したことのないレベルの風でした。
この撮影は強風のためにバルーンが破損して終了という結果に終わりました。
(その時点で撮影予定が完了したため)

その後も都内のイベント撮影で、8m/sクラスの風の中でフライトなど・・・
風に悩まされました。

この二回の強風下の実務にて、安全の高さは十分に確認できました。
同時に、強風により制御部分の信頼性が劣化するという事も確認できました。
想定の範囲なのですが制御サーボは定期的な交換を必要としそうです。

テスト3:標高500m以下なら、動画撮影が可能か?

テスト3:09111バルーン(新品)慣らしテスト

このテスト時に撮影されたテストショットです。
重量レンズ(約800g)を搭載しバルーンリリース後に回収という流れを収めた動画です。
この標高ならスタビライザーが有効に働いていることが確認出来ます。

テスト5:標高1,350mでは余剰浮力無し

風の強さ。搭載している撮影機材の重さと、テスト3と同一です。

明らかに画像の止まりが悪化します。
カメラとレンズの重量が1.6kgを超えるという組み合わせです。
実務で考えられる、最重量の組み合わせでのテストですので結果と当然とも言えます。

改善予定

重心位置の説明

搭載レンズが重い場合(このページ内のYouTube全て)は図①のカウンターウエイトが軽すぎます。
カメラ+レンズ+周辺制御部分に関しては軽量化は限界まで達しています。
後はここを重くするしかありません。

しかし、イタズラに重くするのは何もメリット無し。
図②図③を上に移動させるというのも一つの方法ですが・・・
回転時にバランスを崩すのも気に入りません。

完全バランスを保ったままで、図①にマスを集中させるというのが改善の方向です。

ただし・・・
この方向性は設計当初から向いている正しい方向なので・・・
効果的な改善策が思いつかないというのが正直な気持ちです。

公開日:2009/11/11
最終更新日:2013/11/15
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