「某自動車サイトのQ&Aと同じ質問にブログもどきが答えます」の第十九弾。
			車のスマホ化の象徴である液晶タッチパネル。
			この出現の意味を考えます。
		
			
			Q:クルマの内装で、物理的なスイッチ・ボタン類が減ってきたのは、どんな事情によるものですか? その機能を液晶パネルに置き換えることのメリットとデメリットをお聞かせください。
			
			引用元 : 「車内のスイッチ・ボタン類が減っているのはなぜ? - webCG」
			
			https://www.webcg.net/articles/-/48266
			
			回答例(webCG)
			
			A:大前提として、運転に集中するという観点から「基本的に車内のスイッチは少ないほうがいい」という考えがあります。
			
			引用元 : 「車内のスイッチ・ボタン類が減っているのはなぜ? - webCG」
			https://www.webcg.net/articles/-/48266
			
			以下、私の回答。
			
			A:増えてきたスイッチ・ボタン類を減らす必要性があった。
			その先にはコストダウンも・・・
			
			
			webCGでは以下に関しても語られています。
			・操作スイッチ類を液晶画面内に移管
			・音声認識
			・操作スイッチを減らしつつ安全・快適に運転
		
まずは、質問に答えます。
Q:クルマの内装で、物理的なスイッチ・ボタン類が減ってきたのは、どんな事情によるものですか?
			まず、物理ボタンが減る前に、「増える」事が繰り返されていたことを理解しましょう。
			
			・ADAS
			・ステアリングオーディオコントロール
			・マッサージ機能
			・運転モード切り替え
			
			
			上げたらキリが無いのですが、昭和の車には無かったデバイスが多数追加されています。
			これらに、数十年という時間をかけて物理ボタンで増築工事を繰り返してきたのが液晶画面が入る前の車です。
			
日々増殖する新たなデバイスコントロールを集約したいという思いと、液晶パネルの普及が重なっただけです。
			私個人としては、以下は物理ボタンとして残す事が好みです。
			
			・使用頻度の高い物
			・緊急性の高い物
			
			
			なお、使用頻度の高いにエアコンの温度コントロールは含みません。
			ここ触りたいなら、オートエアコンも無くすべき。
			なお、私はエアコン温度コントロールを年間で数えるほどしか触りません。
			
			エアコンの温度操作は、上記の二つには該当しない。
			該当するのは、以下の様なボタンです。
			
			・運転モード切り替え
			・オーディオコントロール
			・マッサージ機能のON・OFF
			
			
			これらの機能は、学習機能を駆使してもコントロールが難しいところ。
			そして、走行中にブラインドタッチで操作が求められるところです。
			意外かも知れないのがシートヒーターは含まれません。
			ここは、エンジン始動時に触るところであることから走行中からは除外出来ます。
			温度を下げるのは信号待ちのタイミング。
			高速道路ならレベル2があれば走行中に下の階層に入るのも問題なし。(ボルボはこの設計)
			同じ様なデバイスですがハンドルヒーターは物理ボタンにすべき。
			手は移動が開始されてから冷たいハンドルに熱を奪われて、ハンドルヒーターを欲する事になります。
			・シートヒーター → 乗り込んだ瞬間に冷たいと感じる
			・ハンドルヒーター → 走行が始まってからしばらくして冷たく感じる
			
			これが、シートとハンドルの違いです。
			EV車になるとシートヒーターは頻繁に触るスイッチの一つになります。
			なお、シートヒーターのスイッチを格納しろと言っている訳では無いのです。
			色々と増えてきて、何かを格納したくなったときの候補にするという話です。
			別の項に絡むのですが外気温とカレンダー(時刻含む)によりプログラムすると、自動制御が容易なデバイスです。
			
			そして、メリットとデメリット。
			まず、メリット
			
			・機能を物理に制限されず無限に詰め込める
			・販売後のアップデートに対応可能
			・多言語対応が容易
			・ハードウェアのコストダウン
			
			
			デメリット
			
			・ソフトの開発費
			・機能の全滅時のバックアップ機能
			
			
			最近の自動車メーカー側の論調を見ていると、スマホ化により開発コストが上がっているとされています。
			でも、物理スイッチのスマホ化は、基本的にはコストダウンの要素になります。
			金型を必要とするスイッチの増設よりは遙かに低コスト。
			メーカーの都合による発言を鵜呑みにしてはいけません。
		
			
			それで、操作スイッチ類を液晶画面内に移管し、整理統合するという流れになっているわけですが、車内がスッキリしたように見える一方で、人によっては、使用頻度の高いものがメニューの深い階層に入ってしまい困る……ということもあるでしょう。
			
			引用元 : 「車内のスイッチ・ボタン類が減っているのはなぜ? - webCG」
			https://www.webcg.net/articles/-/48266
			
			ここで言われている、「人によっては、使用頻度の高いものがメニューの深い階層に入ってしまい困る……」の部分。
			私もUI設計をする際には様々なモニターで試すのですが、想定外の動きで驚かされる事が多いですね。
			そして、全ての方が納得出来る方法にするのは不可能という結論に至っています。
			設計者によっては、「カスタマイズの余地を持たせると全ての方に対応出来る」と反論するかも知れません。
			そこも、違います。
			そもそも、多くの方はUIのカスタマイズに挑む気はありません。
			特に高齢者が該当するのですが、意外なのが若い方にも相当数存在します。
			そして、一部の方はUIに関する考え方が時間の経過共にブレる事もあると・・・
			行き着いたのは、私が良いと思うことを突き通すになりました。
			OS(Windows)などは、最初期からカスタマイズを想定して作成されています。
			そして、少なくない方がカスタマイズをします。
			これ、私は基本的にデフォルトで用います。
			理由は、以下・・・
			
			・誰かに指導する(される)場合に混乱する
			・解説書はデフォルト画面で書かれている
			
			これが自動車の液晶画面もカスタマイズを排除する理由になります。
			
			本題に戻ります。
			まず、深い階層に入れるべき物はそれで良いのです。
			全てを浅い階層(第1階層)に配置するのは不可能。
			ここを乱雑にすると、確実に日常生活に支障が出ます。
			そして、この手の揚げ足を取る自動車ライターさんが一定数いますが、基本的には無視。
			彼らは、自動車を含むUIの設計に関して経験値が足らないことから意見を求める必要はありません。
			この話で困るのが、プロの中でも未成熟な方が一定数いることです。
			例えば、新型のアルファードの液晶画面。
			実車では、第1階層(常時表示される最重要のボタン)に半角文字が一部に用いられています。
			これ、表示領域が狭く「やむなく」という事ではありません。
			スイッチの周囲には余白が十分にあります。
			もしも、韓国などで開発しているなら・・・こうなる可能性もあります。
			でも、日本人のエンジニアが国内で開発してますよね?
			仮に、海外で開発しているとしても仕様書は作りますよね?
			その仕様書には指定フォントやサイズから、余白の比率なども指定するハズ。
			つまり、国産車としてはあってはならない崩壊をしています。
			なお、カタログ写真は見事に全角になっています。
			これ、2024年に販売されているトヨタ・アルファードの話です。
			ねっ?
			ブロでも仕事が出来てないでしょう?
		
			
			それを補うものとして、「Siri」や「Alexa」を含む音声認識の機能が活用されています。手動ではなく、声で操作をするわけです。その精度はどんどん高まっていますね。
			
			引用元 : 「車内のスイッチ・ボタン類が減っているのはなぜ? - webCG」
			https://www.webcg.net/articles/-/48266
			
			私は音声入力を重視していません。
			もちろん、外せとは言いませんが自動車コントロールの主たるところは指が担うべきと考えています。
			理由は、同乗者が存在すると気まずいから。
			家族なら問題なし。
			でも、自動車には様々な方と同乗する可能性がありますね?
			無言で同じ事が出来るなら音声入力は不要なんです。
			例外はナビの目的地入力や電話発信など。
			ここは音声が明らかに優れる。
			そして、同乗者が乗っている場合も、音声とすることで目的の共有(再確認)が可能になる。
			
			なお、タッチと音声の中間としてジェスチャーもありますね。
			これ、BMW M4に入っていますがデフォルト設定ではシフト操作(MT)の動きから起動してしまいます。
			私のシフトの握り方もあるかも知れませんがディバックはATでされてるんでしょうね。
		
			
			あとは、クルマ側が自動で判断してくれる機能に頼るというアプローチです。例えばヘッドライトなら、「常時ハイビームで点灯できるようにしたうえで、ハイ/ローの切り替えをセンサーで自動的に行う」など。
こうした手段はますます高度化してドライバーの好みを学習するようになり、エアコンやワイパーなどの操作スイッチを減らしつつ安全・快適に運転できるようになっていくでしょう。
			
			引用元 : 「車内のスイッチ・ボタン類が減っているのはなぜ? - webCG」
			https://www.webcg.net/articles/-/48266
			
			機能の自動化は出来が良ければ賛成。
			自動化によりスイッチが減るという部分は、ライト・ワイパー以外に関しては賛成。(これも、出来が良ければ)
			
			なお、多田さんのコメントを見る限りは、ワイパーのスイッチは減る対象と取れました。
			まさか、ワイパーを管理画面内に格納するという意味では無いですよね?
			ライトやワイパーは、この先50年は物理ボタンのままが正解です。
			ここは学習しきれないイレギュラーが発生しますので、学習させるという発想が危険です。
			現在と同様に一等地に物理ボタンを必要とするデバイスです。
			もちろん、特定の場所でワイパーを動かすなどと言うことが繰り返されるなら学習すべきでしょうが・・・
		
			◆番外編
			オリンピックで“空飛ぶクルマ”が空を飛ぶ! 大阪・関西万博は大丈夫?
			
			◆第2期
			ホーンの音がさまざまなのはどうしてか?
			マニュアルトランスミッションは消えて当然?
			クルマのリコールが増えているのはなぜなのか? 
			コストの制約がなかったらどんなクルマを開発したいか?
			マツダのラージプラットフォーム戦略は成功するか?
			欧州車と日本車との性能差について
			スバルの水平対向エンジンの燃費性能について
			特別仕様車って本当に得ですか?
			オートマチックトランスミッションは、トルコン式とデュアルクラッチ式のどっちがいい?
			ファミリーカーにちょうどいいパワーは何馬力?
			カーボンパーツの将来性について
			トヨタの豊田章男会長は本当に運転がうまいのか?
			車両開発において「ドアの閉まり音」は意識されるか?	
			マツダ以外の日本メーカーは、なぜディーゼル車を積極的につくらないのか?
			「プラットフォーム」とはなんですか?
			クルマの車名はどう決める? : 【副題 自動車と商標権】
			センターディスプレイは必要か?
			SUVブームはなぜ起こったか?
			シフトパドルは供回り式と固定式のどっちがいい?
			車内のスイッチ・ボタン類が減っているのはなぜ?
			クルマの専用タイヤはなぜ必要か?
			車両の“マイナーチェンジ”について
			自動車メーカーとパーツサプライヤーの関係について
			ADASのあるクルマづくりの長所と短所について
			ミニバンに大型サンルーフが設定されないのはなぜ?
			エンジン搭載車はいつ消える?
			EVでもクルマの個性は出せるのか?
			ディーゼルのスポーツカーが出てこないのはどうしてか?
			クルマのアタリ・ハズレって実際にありますか?
			
			◆第1期
			LEDウインカーの採用車種が少ないのはなぜ? 
			リトラクタブルヘッドライトはなぜなくなった?
			サスペンションのブッシュ類の交換時期は??
			ピラーアンテナが少なくなった理由は?
			プラグインハイブリッド車では使わないガソリンは劣化する?
			タコメーターの後付けは可能?
			なぜ輸入車のウインカーレバーは左にある?
			テールランプの結露を防ぐ方法は?
			ホイールをボルトで固定するメリットは?