「某自動車サイトのQ&Aと同じ質問にブログもどきが答えます」の第三十四弾。
			実は、NAロードスターのマニアでした。
			そして、CX-80の発表により、X7の購入の可能性を消されてしまいました
		
			
			Q:多田さんのクルマQ&Aをいつも楽しみにしています。このたび『どんがら トヨタエンジニアの反骨』を拝読し、同著のなかでかつてマツダとも交流があったことを知りましたのでうかがいます。マツダが現在推進している“ラージプラットフォーム戦略”は時流に沿ったものといえるのでしょうか。エネルギーダイバーシティ―やマルチパスウェイが叫ばれるなか、多大な投資に見合う新規FRプラットフォームなのでしょうか。マツダファンなので心配です。
			引用元 : 「マツダのラージプラットフォーム戦略は成功するか? - webCG」
			https://www.webcg.net/articles/-/48785
			
			回答例(webCG)
			
			A:いままでのマツダの技術力をもってすれば、ちゃんとした、すばらしい製品はできるのです。ただそれが売れるかどうかは別の話であり、難しいに違いない。
			
			引用元 : 「マツダのラージプラットフォーム戦略は成功するか? - webCG」
			https://www.webcg.net/articles/-/48785
			
			以下、私の回答。 
			webCGでは以下に関しても語られています。
			これを書いているのは、2024年11月です。既に、CX-60が不評であることは周知となっており、つい最近にCX-80が発売されたというタイミングです。
			この後出しのタイミングでのコメントとなります。
			
			A:2030年頃に向けての予言となりますが、「結果として成功」になるコトでしょう。
			根拠は、北米の景気はソフトランディングすると思っているから。
			
			・アメリカは、6気筒以上
			・直6のファミリーカー
		
			2024年11月のタイミングでは、電気自動車関係で大きな動きが出てきています。
			今までは、「○○年にはエンジン廃止」という方向で自動車メーカーは動いていました。
			少なくとも、表向きは・・・
			
ここで、質問です。
マツダに電気自動車のイメージはありますか?
			はい。
			見事にありませんね。
			お茶を濁す程度に電気の参入はありますが、一部メーカーの様に将来の全て賭けるような動きをしていなかったのです。
			この一点が、なんともマツダらしい(褒めています)
			2024年秋の段階ではメーカーも含めてコチラの方向に修正が入っていますが、フルEVなどは・・・ この手の開発に携わっている者から言わせると「当分は普及期に入らない」のです。
			私は、過去の購入車を見ていただけるとわかるとおり一台も電気自動車を購入していません。
			候補に上げる事は希です。(過去に、バイポーラ型のハイブリッドは検討した=バッテリーの劣化テストをしたかった)
			ドローンのR&Dが業務であり、空撮業の時代には、バッテリーの内部検査まで行ったり、コンシューマ向けバッテリーをテスト用に大量購入したりと、並の自動車開発者よりもリチウムバッテリーは詳しかったりします。
			ちなみに、新車時のBEVの性能の高さは認めます。
			でも、仕事がら、バッテリーの劣化が手に取るようにわかってしまうため・・・落ち着いて乗っていられないんです。
			なお、自動車メーカーの開発者にも私の様な方はいます。
			そして、キチンと意見はしています。
			その意見を聞いた後にどのような判断をするのかが経営者です。
			例えば・・・
			・VWは社運を賭けて
			・BMWは、イヤイヤと電気にも手を出す(でも、専用プラットフォームはつくらない)
			・トヨタは有り余る資金で全てに手を出した(本心はEVにだと思っていない)
			・日産やホンダは・・・
			
			主役のマツダはどうしたかと言うと・・・
			電気自動車を華麗にスルーです
			国産勢だと、スバルがこのタイプですね。
			
			ここから本題に戻ります。
			マツダは、EVでやっちまった~感があるメーカーと比較すると、ラージプラットフォームを新規に起こしても全体の投資は少ないのです。
			それどころか、もっとも登場が遅かったICE FRの大型車プラットフォームという価値が出てくる可能性すらあります。
			仮に、ラージプラットフォームが大失敗したとしても、電気に振り気味だったメーカーと比較するとキズは少なめ。
			肝心なデビュー作となったCX-60は、ボロボロだったようですが、CX-80でも戻した様です。
			試乗はしていませんがCX-60が固めに仕上がっていたのは新規プラットフォームとは別の話です。
			まあ、信頼性の部分に関しては時間(サプライヤー)が解決してくれるコトでしょう。
			
			そして、ラージプラットフォームが成功するかの最大のポイントはアメリカの景気です。
			ここがしっかりとしている限りは個人的には成功になるのではと考えています。
			
			なお、CX-80の現車はショールームで見てきました。
			個人的には、サードシートへの乗り込み時のセカンドシートの機構が手動であった点を最大に評価します。
			マツダが狙っているのは北米の実用的なファミリーカーという部分。大型SUVの後出しじゃんけんですので、ここはよく考えられていました。
			
			ここから質問に答えます。
			「“ラージプラットフォーム戦略”は時流に沿ったものといえるのでしょうか。」
			これ、質問された方もわかって聞いていますが、「時代には合っていません」
			逆張りは、超大手が手を出すには危険ですが、マツダサイズなら・・・許されるのでは無いでしょうか?
			
		
			
			いま自動車はアメリカ市場で売れないとビジネスになりませんから、今回の新戦略も「直6エンジンを載せたクルマをアメリカで売ろう」というのが要点でしょうが、困難な面があるのは間違いありません。アメリカ市場においてはV6かV8で勝負しなければならないはずで、マツダはいまシミュレーションを使ったクルマづくりに取り組んでいますが、その点ではいまからV型エンジンに舵を切るのは難しく、6気筒以上であれば(技術的に直4の延長上にある)直6を選んだほうが確実なわけです。
			引用元 : 「マツダのラージプラットフォーム戦略は成功するか? - webCG」
			https://www.webcg.net/articles/-/48785
			
			伝統的に北米に主眼を置いている4気筒の準備しかないメーカーは以下です。
			・スバル
			・MINI
			・VOLVO
			
			確定で言えるのは上記のメーカーですが、「ビジネスになりません」と書くのは失礼に当たりませんか?
			それとも、王者トヨタの余裕?
			私も北米の自動車サイトやストリートビューを見ることがあるのですが、実際の路上は「いかにもアメリカ」という車ばかりでは無いという印象です。
			日本人的には、スバルが国内よりも北米を向いているのは有名なところ。
			MINIも実は北米を向いています。
			VOLVOも大昔から北米重視のラインナップです。
			
			今回の場合は、「マツダはアメリカのアッパー層を狙った」ならその通り。
			正確にはアッパー層の少し下。
			日本で言うなら、ハリアーの購買層を狙ったのでは無いでしょうか?
			CX-60は、XC60を。CX-80は、XC90を強く意識しています。
		
			
			直6がファミリーカーにふさわしいかというと、歴史が証明するように、難点はあります。物理的にエンジン長があるため搭載が難しいというのはそのひとつ。近年は技術改良もあって(メルセデスのように)少しは表舞台に戻ってきていますが、ごく一般的なファミリーカーでの使用を前提にすると、相変わらずパッケージ上の疑問は残ります。
			引用元 : 「マツダのラージプラットフォーム戦略は成功するか? - webCG」
			https://www.webcg.net/articles/-/48785
			
「ごく一般的なファミリーカー」はとりあえず置いて進めます。
			実は、直6のファミリーカーを20年前に購入していました。
			直5のアメ車も購入していました。
			現在進行形で直6の7人乗りも検討していました。
			何をもってファミリカーとするかですが、スライドドアが無いと言うことで国内よりも北米として良いのでしょう。
			そして、北米では直6のファミリカーは成立していると・・・歴史で証明出来ているのですが?
			 
			
			←問題はコイツですね。
			'04年式 VOLVO 初代XC90 T6
			まさかの、横置き6気筒です。
			
			その当時も長距離移動向けの営業車として購入したのですが、高速道路の振動が大きく早期に手放したという車です。
			なお、XC90は最終的にはV8まで搭載しています。
			SUVの元祖ならBMW X5
			7人乗りSUVの元祖ならXC90です。
			CX-80を含む北米向け7人乗りSUVの基本パッケージはこれで確立されたと言って良い車です。
			X5も、サードシートの需要から採用されていますが、最終的には絶対的な空間が足りずにX7を出すことになります。
			つまり、5m以下で7人乗りSUVを成立させるなら、「縦置6気筒」は困難である事が読み取れます。
			でも、パッケージと言う部分では、この車は大成功の車なんです。
			現行型のパッケージも、これを引き継いでいますが、私の様な国産ミニバン嫌いにはオアシスとなっている車です。
			幅1900mmを超えると、「ごく一般的なファミリーカー」では無いと言われるとその通りなのですが・・・
		
 
			
			ミニバンタイプなら縦置でもパッケージが成立するという例です。
			十分な全幅と垂直のボディ形状なら縦置きエンジンは一部を室内に入れ込むことでパッケージは成立するのです。
			これはまさかの5気筒です。
			空間的には余裕があることからディーゼル振動を考慮しての選択と推測されます。
			なんてこと無いですね。Vクラスがコイツと同じ事をしています。(V6ですが)
			なお、Vクラスも直6縦置化は可能です。
			でもこのパッケージは明確なデメリットがあって運転席の着座位置が上がります。
			俗に言う、シアターシートにすることが出来ないのです。
			さらに、バルクヘッドの周辺が混み合うことからヘッド回りのメンテナンスで不利になります。
			そう考えると、6気筒ディーゼルが向いているパッケージと言えます。
			
			ここで取り上げた過去に購入している車両は、20年以上前の設計です。
			その当時の技術でも、6気筒のファミリカーは成立したという証明出来る車です。
			
			ここで、「ごく一般的なファミリーカー」の話に戻します。
			困るのが、何を持って「ごく一般的」とするのかです。
			まず、経済優先とするならば、その観点から6気筒は成立しないのです。
			※ディーゼル6気筒は車両価格の観点から経済的では無い
			決してパッケージが崩壊するからではなく、経済性から6気筒の採用が無いだけなのです。
			なお、横置き6気筒の初代XC90は、二代目では4気筒専売車となりました。
			装備面では、一段のアップを果たしての4気筒専売です。
			何を言いたいかは察して下さい。
		
 
			
			多田さんが心配しているのは、新規のプラットフォームでは無く高級化路線の部分です。
			「マツダの高級車を売れるのか?」の部分です。
			この点はマツダも理解していて、着々と高級車の方向に時間をかけてシフトしていたんです。
			早いところではミニバンの終売。
			そして、店舗の黒基調シフト。
			店舗なんてレクサスと言っても良いような外観をしています。
			写真で見ると、この目論見は順調に進んでいる様に見えます。
			でも、肝心な商品で迷いが出てしまっているのです。
			それが、「スポーティーとラグジュアリーのバランス」です。
			CX-60は、明らかに過剰にスポーティー。
			BMWの最量販車のX3を狙っています。
			そして、崩壊・・・
			
			ここ、まさにBMWが良い例なのですが、奇数SUV系は明確にラグジュアリーの方向で仕上げられています。
			仮にMスポーツとしても、一昔前と比べれば良好の乗り心地であることが最近のBMWです。
			マツダは、ラージプラットフォームの初手でこの方向には振らなかった。
			理由はいくつからあると思うのですがレクサスと被るのを避けたかったというのが大きいところでしょう。
			
			なお、今回のラージプラットフォームのを含む一連の改革からは、バブルの頃の多チャンネル化の失敗を思い出させます。
			でも・・・あの頃と比較すると絶対的な投資金額は少ないハズなんです。
			今は商品が迷走しているから結果が伴わないだけ。
			日本人が考える高級車の方向に明確に舵を切れば、少なくとも国内の販売は一定数出ると思います。
			マツダを支えるのは、アンチメジャーメーカー層であることでしょう。
			その層はある程度は寛容ですので、少しの改良でもお客様は戻るハズです。
		
 
			なお、ラージプラットフォームの影響を何気に受けていました。
			←購入検討をしていたX7のコンフィギュレーター出力です。
			最終的には、この予算を営業車2台に割り振るコトになるのですが、実は原因のひとつがCX-80の登場でした。
			購入検討が本格的に進んでいたのが2024年の夏です。
			BMWで滅多にお目にかからないアメトリンとクロームの切り返しでデザインしていました。
			CX-80の発売は、2024/10/10。
			イメージカラーは、「アーティザンレッドプレミアムメタリック」です。
			これ、私の購入しようとしていたX7とまる被りです。
			私のセンスが正しいことを少し後押しされたようで嬉しいですが・・・
			
			X7は、ナビをセンターコンソールに埋めるために魔改造まで計画していました。
			この計画は、CX-80の登場により打ち砕かれて・・・その予算は2台に分かれる事になりました。
			その一台が、BMW 218dアクティブツアラーで、もう一台がMINIとなりそうです。
			結果としてBMW内で売上げが動いているので・・・私は良い客ですね。
			ちなみに、同じタイミングでMINIとBMWの同プラットフォーム車の比較になります。
			ハイ。いつも通り研究者目線の車選びをしています。
		
			◆番外編
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			スバルの水平対向エンジンの燃費性能について
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			車両の“マイナーチェンジ”について
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