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車両の“マイナーチェンジ”について

「某自動車サイトのQ&Aと同じ質問にブログもどきが答えます」の第十七弾。

今回は、多田さんの解答と私の解答は大きく異なります。
引用ページと読み比べると面白いと思います。

車両の“マイナーチェンジ”について

Q:クルマの仕様変更には、大がかりなマイナーチェンジと、ほとんどデザインだけ変えたようなマイナーチェンジがあるように思えます。そもそもマイチェンとは、いつ、どのように実施されるのですか? その際、ユーザーや販売店からのフィードバックは反映されるのでしょうか。個人的には、ユーザーの「こうあってほしい」という要望よりも、メーカーの都合で(デザインや装備、ラインナップなどが)決まっているように感じるのですが。
引用元 : 「車両の“マイナーチェンジ”について - webCG」
https://www.webcg.net/articles/-/48207

回答例(webCG)
A:もともとマイチェンというのは、クルマのフルモデルチェンジのサイクルの中間くらいで、初期の不具合やお客さまからの不評点を改善する狙いで実施されていました。“もともと”というのは、だいたい2000年以前のイメージですね。
引用元 : 「車両の“マイナーチェンジ”について - webCG」
https://www.webcg.net/articles/-/48207

以下、私の回答。
A:ある意味必要の無いマイナーチェンジを商売の都合から繰り返している。

webCGでは以下に関しても語られています。
・近年のマイチェンは安全や排ガス関係
・デザインの小変更
・スポーツカーは重要

車両の“マイナーチェンジ”について

まずは、質問に答えていきましょう。

過去の傾向から、モデルの寿命の半ばで実施されるのがマイナーチェンジ。
「販売を増やす」(もしくは、下落を最小限に留める)目的から実施されている。
結果として、環境対応や安全なども触れる事になるが、それらはオマケ。
あくまで目的は商品の寿命を延ばすことにある。

この根拠として、「トヨタ・パッソセッテ」を取り上げます。
販売期間は、2008~12年。
マイナーチェンジは未実施の車両です。

マイナーチェンジには当然ですがコストが必要です。
車両開発から製造に関するコストは当然。
販促ツールの更新も地味に費用増。
そして、部品の管理コストも増える。
メーカーは利益を追求する組織ですので、マイナーチェンジも費用対効果を検討して実施されます。
その際に、余りの不人気車の場合は、マイナーチェンジの実施無く徹底というのも選択肢に入るハズ。
この決断が明確にしていると読み取れるのが、「パッソセッテ」でした。

そして、ユーザーの要望は通るのかに関しては・・・
ケースバイケースと言うことになるでしょう。
近しいところでは、GRヤリスは着座位置に適正化をマイナーチェンジのひとつとしたようです。
これ以外にも異例と思えるレベルの修正が入っています。
あっ・・・
この場合は、ユーザー(会長)の声が反映されていますね。。。
私も一台検討しても良いかも・・・

近年のマイチェンは安全や排ガス関係

近年はどちらかというと、法規対応がマイチェンの主な目的になっています。特に安全や排ガス関係が顕著なのですが、クルマに関する規則がよく変わるからです
引用元 : 「車両の“マイナーチェンジ”について - webCG」
https://www.webcg.net/articles/-/48207

まず、マイナーチェンジで安全や排ガス関係に対応する必要性の無さを説明します。

ここでは、自動ブレーキの義務化を例とします。
・法改正 2020年1月31日
・義務化 2025年12月

改正から義務化まで6年弱もあるのです。
法改正が入る前にも事前情報は当然ですがあります。
頻繁に法改正が入り、メーカーがてんやわんやになっている・・・ハズはありません。

普通は、フルモデルチェンジのタイミングで対応出来ますよね?

これを根拠として、マイナーチェンジにて安全や排ガス関係に対応する必要性は否定します。
ただし・・・
事実として、マイナーチェンジのタイミンクで安全や排ガス関係に対応している車両はあります。
それらは、商売の都合から、マイナーチェンジのタイミングまで引っ張ったに過ぎません。
出せるのに出さなかっただけ。
これは、新発売時に価格を下げたかったとか、マイナーチェンジの看板の一つにしたかったとか・・・
どちらにしても、メーカーの販売都合でコントロールされていただけです。

デザインの小変更

いわゆるデザインの小変更は、結局好き嫌いが分かれてしまい、あまり売り上げアップに貢献しないことも多い。わざわざデザインを変えるよりも、ボディーカラーの追加やシート表皮の変更のほうが効く、ということは多々あります。
引用元 : 「車両の“マイナーチェンジ”について - webCG」
https://www.webcg.net/articles/-/48207

F56前期のテールランプ

この件に関しては、国産車を例にしてコメントを出すだける知識がありません。
継続的に追いかけてる車両の多くは輸入車であることから、ここではMiniを例にマイナーチェンジの狙いを解説します。

← 第3世代Miniの前期

テールランプは第2世代からの引き継ぎで、「円のモチーフ」で構成。
でも、明らかに大きすぎでバランスを崩しています。
これの購入時に、この狙いは読み解く事が出来ませんでした。

順番が逆になるのですが、最近になって前の型となる第2世代を3台購入しています。
その結果、第3世代前期は、第2世代からデザインが繋がっていたことが明確に理解出来ました。
そして、後記する新デザインとの狭間でとっちらってした悲しい世代であることも理解出来ました。

ユニオンジャック・テールランプ

←数年後のマイナーチェンジ

マイナーチェンジでユニオンジャックモチーフのテールランプになりました。
この発表で、当初の狙いは理解出来ました。
この、ユニオンジャックを納めるために前期は不自然に大きなテールランプも押し通したと・・・

つまり、当初からマイナーチェンジでデザインが完成することは織り込み済みだったのです。

いや、「完成」はおかしな表現ですね。
前期モデルでは、敢えて抜いていたのです。

BMWは、この手の事が大好きです。
現行の3シリーズのヘッドライトでも同様な事をしています。
明らかにマイチェン後の方が整っている。
重要なのは、マイナー前後で比較すると、多くの方がマイナー後を好むデザインとしていること。
Miniにも言える事なのですが、オーナーで余裕がある場合はマイチェンを理由に買い換える事もあるレベルです。
BMWのお約束と言って良い部分なので、全てのモデルがこの傾向にあります。

自動車メーカーの新車デザインの考え方には二つの傾向があると思います。
A 新車発表時にベストのデザインを出す
B マイナーチェンジでベストなデザインを出す

恐らくトヨタは前者なのでしょう。
私の手元の車両では、ボルボが同様の傾向にあります。
そして後者の代表がBMW(Mini)
BMWが面白いのが、マイナーチェンジでMT車両の変速比を触ってくること。
8年前に書いているページですが、お好きならどうぞ。
Mini One 6MTの呪い

面白いのが、トヨタとボルボで少し考え方が違うこと。
当然ですがトヨタは前期と後期で大きくデザインを変更してきます。
そして、どちらが良いかは人によって異なる。
しかし、最近のボルボは、後期になっても大きくデザインを変えません。
明らかにデザインに自信があるから出来る行為です。
ちなみに、安全系のデバイスに関してもこの傾向です。
こういうところには好感が持てますね。

多田さんの意見は、あくまでトヨタを基軸とした考え方で全てのメーカーに当てはまらないと考えた方が良いでしょう。

スポーツカーは重要

スポーツカーのような走行性能がウリのクルマは話が別で、毎年のように手を入れることが重要。機能性向上はもちろん、マメに改良することでメーカーの本気度がユーザーに伝わり、販売につながる、という面があります。
引用元 : 「車両の“マイナーチェンジ”について - webCG」
https://www.webcg.net/articles/-/48207

ここも専門外ですが、頑張って推測します。
恐らく、ロードスターなどのイヤーモデルの事を言っているんですよね。
ネット上の試乗記などを見ると、褒めるポイントになっています。
ここでコメントを出しにくいとしているのは、このイヤーモデル毎の変更を経験していないからになります。

ここで、結論から書いてしまいます。
スポーツカーはモデルチェンジ周期が長めである。
当然の事ながら、発売から期間が経過すると売れ行きは落ちてくる。
そのてこ入れとして、再度の記事化を狙う。
その際にはライターさんが褒めるポイント(結果はどうであれ修正が入った)を作らないと扱われにくくなる。
つまり、ユーザーにアピールする為では無く、メディア向けにイヤーモデルは考えられている。
この様に推測します。
事実として、改良毎に良くなっている車も多数あるとは思いますが根底にあるのは商売です。

後は好き勝手に書いていきます。
上記したマイナーチェンジのデザインに関しての推測を応用することになります。
恐らくですが、国産メーカーの設計は新車発表時に完成していません。
これ、BMWの様に敢えて抜いているのでは無く、出来てないのではと推測します。

GRコペンの室内

←手持ちの国産車で新車販売から十分な期間を経過したスポーツカー
※GRが付いてますので、「スポーツカー」で良いんですよね?

・ベース車両の販売 2014年~
・GRコペンの販売 2019年~
・現車の購入2023年4月

最初にオーナーさん、ごめんなさい。
この車ですが、運転環境の設計がゴミです。
はい、「ゴミ」表現を使います。
そのくらい、運転環境の設計力が低すぎます。
ダイハツ独特の低コスト主義に当てはめてもコストを増やさずに出来る事を、「見逃し」過ぎています。
気が付いていて、諸事情から諦めるのでは無く、気が付けてないのです。

もう一度、ごめんなさい。
乗る度に苦痛です。

ここで、怒っているのは以下。
・着座位置 → 高すぎる
・シフト → 無理な着座位置に合わせるために不自然にオフセット

この原因もどこかで掘り下げますがここでは概要のみ。
全ての原因は、初代コペンのバルクヘッドの高さにあります。
これをフルモデルチェンジのタイミンクでキャリーオーバー。
モルモデルチェンジで見直しが検討出来る大きな瑕疵です。
こんな会社ですので、マイナーチェンジでてこ入れされるハズはありません。

意地悪な方は、「そんなにイヤならシート下げれば良いのに・・・」と言うでしょう。
それは、却下します。
本来だったらシート位置を開発時に下げれば良いだけ。
開発陣もシート位置が高いことは認識しているようで、低コストの対策としてシフトのシャフト?に手を加える。
つまり、シートを下げてもシャフトも手を入れる必要があるんです。
そしてシートを下げると不自然に高いナビの位置が気になるハズ。
あっっっそこを考えてのナビレスオプションの設定?
どちらにしても気が付いている事は確定。
そして、シートの高さは色々な都合で変えられない事も確定。
設計屋として、こういうのは落ち着きません。

私も航空機の設計屋ですの何を考えてこうなったのかは理解出来ます。
・オープンを成立させる為
・荷室容量の確保
・日本人の女性対応

色々と言い訳は言うのでしょうが、全てを叶えつつコストもさらに落とすことは可能です。
実は、コペンの購入前はダイハツは好きな会社でした。
でも、実際に購入して設計の手抜きを肌で感じると・・・応援できる会社とは思えなくなっています。
なお、例の不正問題とは全く関係の無い評価です。

これを根拠として、新車販売時の瑕疵を毎年修正しているだけとコメントします。
最初にキチンと設計が固まって入れば、後々に修正する必要はありません。

少し方向性を変えましょう。
スポーツカーの購入層的に、「頑張っている感」を出す必要性があるか?
「う~ん」
良くわからんです。
少なくとも、私の購買心理には働きません。

BMW M4

← MT FR 480ps
これはスポーツカーと呼んでも良いですよね?

2年前に購入して、最近まで買い換えの検討をしていました。
結果として買い換えを見送りましたが、検討した理由が最後のMT車の客注になる可能性があったから。
数年後にハッキリとしますが、本当に最後のチャンスだったなら後悔・・・しますね。
なお、マイナーチェンジは発生しますが・・・前期モデルの方が人気が出る可能性が残っています。
それが室内の変更の部分です。
現在の流儀に則って、物理ボタンが減少の方向へ。
そして、新デザインのメーターへ。
この二つの変更は、ATの場合は歓迎の方向と同意出来るのです。
ところがMTのスポーツカーとしてどうかと問われると・・・疑問になる。
個人的にはスポーツーカーのメーターはアナログが良いと思っています。
そして、M4の内装として前期と後期のどちらが良いかと問われると・・・
今の段階では、前期となりますね。

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