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トヨタの“強さ”の決め手とは?

「某自動車サイトのQ&Aと同じ質問にブログもどきが答えます」の第四十三弾。

一月前にランドクルーザー250を発注しました。
久しぶりのトヨタユーザーとなる私にはタイムリーなお題目でした。

トヨタの“強さ”の決め手とは?

Q:自動車メーカーのなかでは、最大手のトヨタは絶好調という印象です。多田さんは、かつて社内で車両を開発した人として、その強さの秘訣(ひけつ)はどこにあると思いますか? プロダクト開発において、他社と決定的に違う優れた点があるとしたら何ですか? つくり手としてのご意見を聞かせてください。
引用元 : トヨタの“強さ”の決め手とは? - webCG」
https://www.webcg.net/articles/-/49165

回答例(webCG)
A:詳しくは、書籍『どんがら トヨタエンジニアの反骨』に書いておきました
引用元 : トヨタの“強さ”の決め手とは? - webCG」
https://www.webcg.net/articles/-/49165

以下、私の回答。
トップの能力が高いから

webCGでは以下に関しても語られています。
・書籍『どんがら トヨタエンジニアの反骨』
・サイモン・ハンフリーズ氏

書籍『どんがら トヨタエンジニアの反骨』

「自動車開発におけるトヨタの強みは“チーフエンジニア制度”にある」と言われることが多いですね。それは書籍『どんがら トヨタエンジニアの反骨』に詳しいのですが、
引用元 : トヨタの“強さ”の決め手とは? - webCG」
https://www.webcg.net/articles/-/49165

ここで、多田さんが述べているのは経営者兼エンジニア的には当たり前と思えるところなので私のコメントは省略します。

いつも通り脱線していきます。
多田さんと同じ質問に答えるシリーズも沢山やってきました。
こういう事をすると自分の訓練になるので、半分は業務としてやっています。
長年やってきたのですが、多田さんがご自分の書籍を紹介するのは初めてですね。

サイモン・ハンフリーズ氏の話が面白そうなので、早めに切り上げます。

サイモン・ハンフリーズ氏

今のトヨタに関しては、センスのいいデザイナー(サイモン・ハンフリーズ氏)がデザイン部門のトップにいるということも大きい。
引用元 : トヨタの“強さ”の決め手とは? - webCG」
https://www.webcg.net/articles/-/49165

今までも、時折聞いていたお名前でした。
まさか・・・ランクル250の関係者とは、たった今知りました。

まず、発表プレゼンを担当した車から。
プリウス(5代目:2023)
アルファード(4代目:2023)
レクサスLBX(2023)
ランドクルーザー250(2024)

デザイン監督
ハリアー(3代目:2013)
アルファード(3代目:2015)
C-HR(2016)
ジャパンタクシー(2017)
RAV4(5代目:2018)
GRスープラ(2019)

ちょっと、凄くないですか?
ページは起こしてないのですが、以下の車には注目していました。
タイミングさえ合えば購入した可能性のある車です。
プリウス(5代目:2023)
アルファード(4代目:2023)
レクサスLBX(2023)
GRスープラ(2019)

プリウス(5代目:2023)
これ、ディーラーで腰掛けました。
その室内の印象は・・・
・空力を捨てて、一般人のイメージのみを追いかける潔さ(褒めてます)
・過去ユーザーを切り捨てるメーター位置(とても、褒めてます)
印象としては、凄く良かったんです。
文句、たらたらになりそうなのにとても良かった。
室内の全ての位置関係に明確な意思が宿っていた。
極めつけがメーターの位置。
この位置は、ハンドルの12時方向を握ってふんぞり返ったシートポジションを取ると崩壊する様に設計されていました。
もちろん、この考えは正しいのですが、昔のトヨタならこんなことは出来ないな~と強く印象に残っています。
そして、Aピラーの角度。
ここまで寝かせると、実は空力的には不利になります。そして、車は確実に重くなる。
つまり、燃費に悪い方向に働くデザインなのですが・・・
一般人が欲しいと感じれば勝ちなんです。
この考え方も参考になりました。
この様に、過去の色々をぶち壊しまくっていたので、ある程度の実績がある外国の方がやったんだろうなとは思っていました。
もちろん、この様な形をデザイン案のひとつとして検討する事は出来ます。
でも、これを市販まで踏み切って結果を出すのがスゴイ。
多田さんは、「もし彼がホンダか日産に移籍したら、たちまち業界の勢力図に影響が出るでしょう。」と言っています。
そこは、少し違って、この様な優秀な方が提案しても日産では受け入れることが出来ないと思います。
間違い無く、営業も製造現場からもクレーム入るデザインを押し切る必要があるのですから。
さらに結果も伴う。
たった一回のモデルチェンジでプリウスミサイルのイメージを吹き飛ばした。
素直に、スゴイと思います。

アルファード(4代目:2023)
歴代モデルは、機会があるたびに試乗していました。
そして、この型で初めて購入しても良いな~と感じました。
デザインは置いておきましょう。初めてセカンドシートが使い物になると感じたのです。
今では、ネットでも書かれていますが、過去のアルファードのセカンドシートの乗り心地は酷い物でした。
オーナーさんに面と向かっては言えませんが、酷い物でした。
これが現行型では良くなっていたんです。
一部の家族が嫌悪感を示したため購入することは無いと思いますが、現行型は良く出来ています。
そして、このエクステリアデザインでは、見るべき物があります。
それが、ボンネットの高さです。
ハッキリ言いまして整備担当的には迷惑な高さです。
昨今の車は、歩行者衝突の関係から高くなるのは致し方無いのですが、この高さは異常と言えるレベルです。
この高さの目的は二つ。
一つ目は、あのグリルを納めるため。(前の型からサイモン・ハンフリーズ氏の作品なんですね)
二つ目は、拘り有るユーザーにエンジンの搭載位置が低いと勘違いさせる為。
もちろん、ここでも燃費は悪化要因です。
ここも、見事でした。

レクサスLBX(2023)
実は、これが本命でした。
MTでハンドル支援付き。
これ、私が興味を抱くのは当然と言えます。
今年の初めくらいから公式サイトの注文開始を観察していたのですが、これを決める前にランクル250になってしまいました。
この車のハイライトは、レクサスとしてMTを用意したことにつきます。
GRヤリスとのニコイチなど、見所満載である事から、アリーン搭載のタイミングで今後も購入を検討してみます。

GRスープラ(2019)
今回は、販売されていませんでした。
仮に、ランクル250が無くて、コイツがあったなら購入していたと思います。
もちろん、MTです。
これに興味を抱いたのは、BMWの古めのインフォシステムを搭載していたから。
最新式を複数台持っていますが、とてもストレスの掛かる代物です。
古いから安定しているでは無く、新型のエンジニアがタコなんです。
新車で購入できるインフォシステムとMTが購入検討理由です。

まとめ 何よりもデザインという考え方の是非

自動車の販売台数とデザインは密接な関係がある。
過去にも、自動車としてはどうかな?と思える車でヒット作があります。
ボルボ 850とプジョー206です。
どちらも、この型の前は私が購入検討をした車です。
つまり、ボルボ940とプジョー205ですね。
この二つの車とメーカーは奇しくも同じ運命を辿ります。
850も206もメーカーの予想以上の販売に繋がったことから、その後の自身の開発に大きな影響が出てしまいました。
具体的には、「車なんて、デザインが良ければ売れる」という気付きです。
なお、そのヒット作はその時点のベストなデザインです。
モデルチェンジをすると、基本的には劣化します。
そして、売上げも徐々に落ちていくことになる。
この2社に共通するのは、ヒット作の後に長期の不振期を迎えたという点です。

本題に戻ります。
では、トヨタはどうなるのか?
ここですが、上記の二社と同じ道を通る可能性はまずありません。
決定的な違いがヒット作が1車種だけでは無いと言う点です。
サイモン・ハンフリーズ氏が絡んでいるとされる車種の多くはヒット作です。
特筆すべきは、デザインの引き出しが一つではないという点です。
プリウスとアルファードとランクル250。
これ、普通の方は同じデザイナーの作品とは思いません。
一発屋では無く、ヒットを継続出来る事は、この時点でも確認できます。
故に、今後も同様なヒットは続きます。
もしも、サイモン・ハンフリーズ氏が引退したらどうなるか?
ここに関しては、フェルディナント・ピエヒが抜けた後のVWグループを見ればわかるよねと言っておきます。
デザイナー・設計者としての技量が高い方は居ることでしょう。
でも、それを最終的な商品まで突き通せる力を持つ方は簡単には出てこないという事です。

ランクル250のデザインは、とても良いと思います。
プリウスなどにも共通しますが、現在のトヨタ車は「実性能を多少犠牲にしてでも、市場が求めるデザインを成立させる」という意思が非常に強い。
ランクル250も、その方向性が極めて明確です。
特にボンネット前端左右の高さは象徴的で、アルファードにも通じる“力強さ”を演出しています。もちろん、これは視界性や空力性能の観点では不利です。
ただ、それでも商品として成立させてしまうのが現在のトヨタの強さなのでしょう。
実際、ラングラーともブロンコとも異なる存在感を獲得しています。
ヘッドライトの変更で、北米は丸目、欧州は角目、オーストラリアはプラド調と・・・とにかくスゴイ。
一方で、個人的にはクロカンとして考えると、もう少し前方視界や機能性を優先した方向も見てみたかったとは感じます。
ランクル40やラングラーの形は、オフロードで必要とされている形からデザインされています。
とはいえ、そうした実用優先の設計だけでは、現在の市場でここまでのヒットにはならなかった可能性も高い。
このあたりのバランス感覚こそ、現在のトヨタ、そしてサイモン・ハンフリーズ氏の強さなのだと思います。

サイモン・ハンフリーズ氏は、売れるデザインの車の企画を社内に通すという事に関しては、現在トップと呼べる方です。
今回の質問である、トヨタの強さの根本を担っているのはサイモン・ハンフリーズ氏です。
私は、彼の引退後のトヨタが心配です。
今は、売れるデザインがあるから問題なしです。
でも、昨今のトヨタ車を観察すると、車の機能という点では、実は他車に劣っているという事は結構あります。
デザインの優位性がなくなった後は、ボルボやプジョーの様な没落を経験する可能性はあると記しておきます。

某自動車サイトのQ&Aと同じ質問に答えてみる

◆番外編
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◆第2期
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◆第1期
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