バルーン空撮[技術解説] - 空撮と送電線

送電線事故の何が怖いのか?

送電線付近でのバルーン空撮

・感電事故は、人身に関わる重大な事故となります
・送電ストップは多大な迷惑を掛けることになります

送電線は、電柱などの電線と違い被覆により守られていません。
もしも、送電線間が短絡されると、2~100万ボルトの電圧により重大な送電線事故が発生します。
ちなみに、新幹線で2万5千ボルトです。
家庭では100Vです。
つまり・・・最大で家庭用の1万倍の電圧です。
送電線の周囲では、その強力な電力によりバルーンが吸い寄せられるほどです。(理論上の話です。具体的なテストの経験はありません)

電気の特性上、電圧を上げると効率良く電力が供給できることから主幹に近いほど電圧は高くなります。
また、電圧が高いほど鉄塔の高さは高くなります。
100万ボルトクラスは100m以上。
低い電圧の物でも30m程度の高さはあります。。

30~100mは、バルーン・ラジコン・クレーンの空撮では常に影響のある高さです。
空撮に携わる者は送電線にどのような危険があるのかを熟知する必要があります。

送電線とハーネスとの距離

バルーン空撮時の社内ポリシー

・送電線との距離は20m以上(風速2m以下)
・送電線から100m以内の撮影は現場判断

上記が送電線に関する社内規定です。
各地の電力会社への問い合わせと自社の機材・運用スタッフの経験値を総合的に考えて社内規定として設定しています。

←緑色の線が送電線です。
画面中央から左上に伸びているのがバルーンを繋留しているハーネスです。
写真では確認しにくいですが、実際に送電線が走っています。
これが風速2m以下の撮影時の限界点の目安です。
0[Zero]の開発した空撮バルーンは、小型のタイプとしていは例外的に風に強いバルーンです。
空撮専用車両を採用することから、年間の空撮カット数は通常のバルーン空撮会社と比較にならない数になっています。
調査目的などで、「海」「谷」「山間部」など通常の空撮会社では立ち入らない場所での撮影経験が豊富にあります。
豊富なノウハウを持っているからこそ設定出来る距離です。
一般のバルーン空撮会社では、バルーンを自由にコントロール出来ないことから事故に備えて80m以上離れることを推奨します。

  • 富士山四合目でのテスト
  • 海岸(江ノ島)でのテスト 
  • 風速4mの条件でのテスト動画
  • 電力会社との情報交換を進めています

    東京電力の資料 地元の電力会社を中心に空撮に関係する情報を常に収集しています。
    場合によっては、電力会社の担当者が同行し実際の送電線付近にてバルーン空撮を行い安全基準の確認などを行うこともあります。

    ←東京電力から頂いた資料です。
    現在はバルーンも含めて空撮に対する社内の基準が定まっていないとの事です。
    ラジコンヘリコプターの規定をバルーン空撮に当てはめているというのが実状の様です。
    全国的に電力関係は同様な傾向です。
    送電線以外にも高速道路・鉄道なども空撮に影響があるのですが、基準が明確にされていないというのが実状です。

    意外と多い送電線事故

    ラジコン空撮は危険率の高い空撮です 送電線事故というのは一般の方が思っているよりも発生しています。
    停電などならないとニュースなどにならないため、事故が発生しているという実感がありません。
    先日の東京電力との打合せの際にも、地元(山梨県内)での送電線事故をお伺いしましたが、予想以上の数でした。

    今のところ、バルーン空撮では重大な送電線事故は発生していません。
    ラジコン空撮などと違い送電線事故は即時に人身事故になるという認識がしやすいからかもしれません。
    しかし、事故が発生すると重大な短絡事故に発展する可能性があります。

    ラジコン空撮も大きな事故は発生していません。
    これは、空撮に用いるラジコンが比較的小型であることから、短絡事故を起こしにくいという特性からです。
    仮に事故が発生していたとしても、送電線を切断出来るほどの威力は持ち合わせないことから表面に出てこないという可能性もあります。

    空撮という業務の絶対数が少ないことから現在は撮影者の自主規制に任せている状態です。
    もしも送電線の付近にて、空撮会社に依頼をする際は注意が必要です。

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