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バルーン空撮[技術解説] - α7RⅡ狂想曲:その5 レタッチャー用ワークステーションのテスト開始

LGA2011 v3 + Quadro M4000 + サーバー用メモリ128GB + intel 750series	レタッチャー用WSのテスト開始!

注意:
このページを含む、「α7RⅡ狂想曲」と題される全てのページは、0 [Zero]の業務に特化して述べられています。
それは、「幅20mのパノラマ画像を近距離で鑑賞」という用途・・・
具体的には、「高層タワーマンションのモデルルーム」や「コンコース」に用いられるパノラマ画像です。
同業者には大変参考になる内容かと思います。
それ以外の方には、「こんな世界もあるんだ・・・」程度の軽い気持ちでご覧下さい。
真剣に読むと疲れると思いますので・・・

レタッチャー用ワークステーション
レタッチャー用ワークステーションのテスト開始

←2015年10月26日撮影
レタッチャー用ワークステーションが組み上がり、テストが開始されました。
テストと言っても一般的なPCの負荷テストとは大きく異なります。

「PSBファイルの書き込み限界はどこに来るのか?」

これがテストの主題です。
副題が、「特大のPSBファイル保存時間の短縮」です。
この検証により短期的な提供商品の仕様検討が進みます。
カメラは2015年8月発売のSONY α7RⅡ。
ビデオカードは、Quadro M4000=2015年10月発売。
SSDは、2015年 Intel 750 Series=2015年5月発売。
つまり、2015年後半に発売された最新の機材を総動員した、考えられる限りで最上位のパノラマ画像です。
※商用バンに搭載できるバルーンを用いた空撮として。
なお、これを用いた最初の商品(都内のタワーマンションショールーム向け)は、2015年12月に作成予定。
仕様も未確定のままで、最初の業務は既に受注されていたのです。
初日のテストの結果は・・・
α7RⅡの最大能力を解き放っても、パノラマ画像の制作は可能になりました。
今までの64GB搭載のパソコンでは保存すら出来なかった、特大サイズのPSBファイルも保存可能。
ただし・・・ここまでのワークステーションを用意しても、Photoshop CCでの保存時間は15分以上を必要とします。
※64GBでは、保存すら出来なかったことから十分な進歩。
この時間を短縮するには、実装メモリをさらに増やす必要があります。
本来なら32GB×4本にて128GBを実現し、足りない場合は256GBへの増加という可能性を残したかったのですが・・・
この段階では断念。
1枚32GBの質の高いDDR4が市場には出回っていないタイミングでした。
※16GBでも十分とは言えない流通量。
レタッチャー用のWSに関しては、近い将来に組み替えとなる事が今回のテストから確定となりました。

これでいくらのパソコンなの?
これでいくらのパソコンなの?

マザーボード : ASUS X99-WS/IPMI 6.7万円
CPU : Xeon E5-1650 v3 7.7万円
メモリ : DDR4 16GB×8本 18.4万円
ビデオカード : ELSA NVIDIA Quadro M4000 16万円
SSD1(OS起動) : SANDISK UltraⅡ 3.9万円
SSD2(仮想ディスク) : Intel 750 Series(400GB) 5.8万円
SSD3(実データ保存) : Intel 750 Series(1.2TB) 13.5万円
HD : WESTERN DIGITAL RED 6TB×2 5.6万円
ケース・電源・OSなど 7万円
合計 84.6万円

2015年10月26日 ドル(円) 121円

この構成には、LANが含まれていません。
今回から、10GBase-Tに移行する予定です。
海外流通のマザーボードには、実装されている物も確認出来たのですが、国内では一機種のみ。
過去に採用した事が無いメーカーであることから、採用は見送っています。
Intel純正のカードを増設することになるため、こちらは5万円の費用を必要とします。
社内のLANをバージョンアップするとなると・・・ はい、こちらでも数十万の予算が必要と言うことです。
ここに、関しては後日ページを制作する予定です。
また、SSDなどに関しては増減の可能性があります。
恐らくHDはRAIDを組まないと思います。
また、実際の業務等には画面なども必要。
現在は、4Kを含む3枚構成。
さらに、ソフトなどの強化も含めると・・・
一式のWSで、200万円が想定している金額です。

HDからSSDへ
HDからSSDへ

←ここまでの大規模改修が必要になった主犯格です。
この1.2TBのSSDは、単独で2,500MB/sを超える様な読み込み速度を出してきます。
容量も十分であることから、SSDにて業務を完結する事が可能になりました。
つまり・・・RAID構成のHDは、ここから不要の時代に入ったと言えます。
過去のデータ保管などでHDは残ります。(サーバーに4~6本)
しかし、主役はSSDの時代に入ります。
最初のSSDの導入は確か・・・2008年位であったと記憶しています。
2015年現在で稼働しているSSDで、もっとも古いのは2011年の物でした。
速度・容量共に、大きく劣ることから全て廃棄となります。
なお、今回のWS入替で強く意識したのがPCIeスロットです。
短期的には、SATA接続のSSDでは仕事に支障が出ます。
Inter750Seriseの様な、PCIe接続のSSDを複数搭載することになると思われます。
なお、テスト+最初のレタッチャーWS制作という今の段階で購入されたSSDの数は、7本となりました。
Phososhop CCの仮想ディスクの安定性を検証するというのが主な目的でした。
具体的なメーカーの記述は避けますが、一般的なSSDでは一定よりも大きなPSB編集作業で支障が出ることが確認出来ました。
この用途では、Intel 750 Seriesが最初の合格品となっています。
ご参考まで。

公開日:2015/10/26
最終更新日:2015/10/26
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