2012年12月7日に、1号機は納品されました。
この一週間で、20フライトを消化した事から、簡単にまとめます。
◆目的
・バッテリーの慣らし
・パイロットの慣熟
・機材の信頼性のテスト
・従来ヘリコブタとのフライト感覚の違いの確認
・初歩的なセットアップスキルの習得
・新型送信機の慣熟(テレメトリー搭載)
この20回のフライトは、飛行時間とバッテリーの消費電力(充電電力)の全てが記録されています。
これにより、バッテリーの劣化やフライト時の適正温度などを把握します。
最終的には「何フライト(飛行時間)にて、バッテリーを廃棄するのが適切」
この判断をする根拠とします。
もちろん、商品やロット間の当たり外れ。
周囲の温度や積載重量。 充電電流や使用モーターなど、バッテリーの寿命を左右する要素は多岐に渡ります。
複雑な判断材料からシンプルに判断する為に、フライト記録は重要と考えています。
機材導入から一週間であることから、慎重にフライトを行っています。
最初の6フライト(バッテリー二巡)までは、同一条件にて同じ時間をフライト。
具体的には、地上2メートルにてのホバリング。
この段階で各バッテリーの性能のバラツキをチェックします。
その後、徐々に上空フライトに移行し、機体のクセを観察。
パイロット(開発者)は、従来のラジコンヘリコプターの経験が長いことから、主に従来型との比較を行っています。
十分な信頼性が確認出来たことから、自律航行に任せて直上150mまでの垂直上昇。
その後の安定したホバリング性能を確認しています。(無風条件にて)
この一週間は、事務所の所在地である山梨は安定した天候になっていました。
風は、常に3m/s以下。
狙ったわけでは無いのですが、フライト時は常に1m/s。
この様な風の弱い条件では、素晴らしいフライト性能を有することは実感出来ました。
プロとして空撮に取り組み、ブロの現場にてマルチローター機を導入します。
失敗が許されないプロの現場で、安全且つ確実に結果を出す。
この為には、「機材の物量」と「十分な慣熟」
これが最適な解決方法と考えています。
トラブルはテストで出し切る
本番にて、万が一のトラブルが発生するのを何としても避けなければなりません。
その為に、多数の機材を購入し信頼性の高い機材を選別。
そして、同等性能のバックアップ機材を常に用意。
体が自然に動くまで、慣熟を行い、突然の問題発生でもスムーズに対応出来る技術を身につける。
プロの仕事では、様々な条件から、常に適切な判断が出来る事を要求されています。
被写体や太陽の位置関係。
使用するカメラ機材とレンズの特性。
風などに代表される自然条件。
ギャラリーなどの第三者の有無や、被写体の重要度合い。
「逆光で見にくかった」
「寒いからバッテリーの性能が十分でなかった」
「電波障害で・・・」
プロである以上は、言い訳は出来ません。
それらも、全て想定した上での慣熟テストを重ねる必要があります。
この一週間で氷点下の最初のテストは実施出来ました。(-1℃)
誘導灯無しの低高度のフライトテストも実施。(このページの写真)
上空で全てのモーター停止による自然落下もテスト済み。(2m程度自由落下)
今は、強風が来るのを待っている状況です。
この冬の間に、降雪とマイナス10度以下のフライトテストは実施します。
この一週間の主なトラブルは、自律制御ユニットのプログラムに起因するものでした。
幾つか出ているのですが、無視できない事柄を一つのみ紹介します。
専門用語:「トリムズレ」
自動車に例えると、「勝手に車が左に流れていく」様な状態です。
当然ですが、まっすぐ走るように設定はしています。
それが、何回かフライトを重ねていると、勝手に左に流れるようになってしまいます。
製品の不良なら困るのですが、ファームウェアのミスなどであることも否定できません。
しばらくは様子を見ることになります。
※現在は、フライト毎に手動にてトリム調整。
改善されない場合は、GPS自律飛行ユニットを、もうワンセット購入。
製品のロットに問題があるのか?
製品のクセ?
ファームのバグ?
自律安定装置と送信機との相性?
様々な可能性を探りながら、機材の信頼性は向上とノウハウの蓄積を行っていきます。