ドローン空撮[技術解説] - ドローンのデザインとは?

ドローンのデザインとは? 

2016年11月下旬に、【特願A】 (次世代ドローンの基本特許)が国際公開されます。
2ヶ月後に、【特願G】 (宅配ドローン専用のヘリポート)が続きます。
一連の特許出願に関する技術解説特集です。

はじめに

最初にドローン開発者に一石を投じます。

「集金目的の実証実験からは何も生まれない!」

空撮から宅配まで、幅広い用途にドローンは研究されています。
世界中で開発が行われていますが、多くは汎用機が使い回されています。
放射配置のマルチコプターにプロペラガードを備えてパイプに対してプル(引き)配置。
一部の例外(Amazonなど)を除き、新たな試みは見て取れません。
中にはVTOL(垂直離着陸機)などの独自機体も見て取れますが、その多くが実務に投入されていません。
本題から外れますがVTOLは、マルチコプターと比較すると着陸時の脆弱性が致命的です。
「揚力を発生させる翼が、着陸時の投射面積を大きくする」
これが小型VTOLの構造的な欠点です。
0 [Zero]的には、VTOLは産業機としての未来を見いだせません。
本題に戻ります。
ドローン(マルチコプター)と従来型ラジコンヘリコプターとの最大の違いがプロペラ接触危険率です。
プロペラ接触危険率とは、2012年に0 [Zero]が示した独自の安全基準です。
マルチコプターは、その名の通り多くのプロペラを有します。
各々のブレードの破壊力は、機体重量÷ブレードで算出されます。
つまり、同じ重量なら、2枚のブレード(ラジコンヘリコプター)と16枚のブレード(一般的なオクトコプター)では、後者の方が安全です。
※従来型はテールローターのロスにより、さらにマルチコプターが有利
さらに、シンプルな固定ピッチにより、「開発・メンテナンスの両面で低い技術で可能」という点の理解も必要です。
・プロペラ接触危険率が低いので安全
・固定ピッチによりシンプル

このメリットを無視しての、以下の様な発想(機体開発・運用実験・企画)は全て無意味です。
・乗用マルチコプター プロペラ接触危険率を無視
・人物が存在しない場所での運用 対人接触を想定しないなら従来型の方が優れる
・プロが用いる高機動撮影機 運動性は従来型の方が優れる

「使用目的からドローンはデザインされる」
これが、0 [Zero]のドローンに対する基本姿勢です。
目的(業務)に対応させる為にドローンが必要。
人物の近接空撮なら、軽量且つプロペラ接触危険率の低い機体が必要。
場合によっては、フライト時間や操縦安定性も犠牲にします。
宅配ドローンなら、強風時の着陸性能や荷物の安定性など、宅配に特化した機能が必要です。
そして、プロペラの映り込みなどは考える必要がありません。
この様に、目的からドローンのデザインが考えられるのが当然と思うのですが、世の実証実験機は、「普通=汎用機」です。
実証実験は当然のことですが、実務を想定した機体で実施するべきです。
耐風性能や墜落限界などは、別の場所で必要に実施すれば良いこと。
実証実験では・・・まさに、実務を想定した環境下で最後の仕上げとして行われるべき内容とすべきなのです。
完成率10%以下と呼んで良い完成度で、実証実験の旗を掲げるのは・・・開発者としての資質を疑われます。

今後のシリーズ記述解説では、様々な産業用途の核心に迫ります。
その多くは、0 [Zero]が既に特許出願済の内容。
取り上げない分野は・・・まだ、0 [Zero]が出願していないのかも知れません。
気がついていないのかも知れません。
予算が無いのかも・・・知れません。
0 [Zero]の出願内容を参考にするのも大いに結構です。
ただし・・・法令準拠でお願いします。

産業ドローンに必要なデザインとは?

産業機と限定して、ドローンの評価項目として以下を示します。
・重量
・実用フライト時間
・最高速度
・最大上昇速度
・最大降下速度
・実用ペイロード
・プロペラ接触危険率
・墜落時の破壊力
・着陸時の対応風速
・上昇気流耐性
・GPS電波の受信性能
・制御電波の受信性能
・障害復旧性
・整備性
・位置精度
・カメラへの映り込み
・物理攻撃耐性
・燃費
・二重化
・イニシャルコスト
・ランニングコスト

産業ドローンを開発するには、上記から何を重視しするかを選択します。
相反するスペックもあることから、「全てで最上級」などと言うことはあり得ません。
例えば、重量と最高速度。
安全性を重視した軽量機は、同じ前面投射面積なら最高速度は低く設定されることになります。
同様に、軽量機体は最大降下速度も低めです。
つまり、「軽く、降下速度も速い機体は、普通はつくる事が出来ません。」
軽さと降下速度のバランスで迷う用途はすくないですが、以下はどうでしょう?
「重量と実用フライト時間」
やはり、軽い方を安全性の観点から無視できない。
しかし、フライト時間も長く設定したい。
この様な選択を迫られたときには、重くてフライト時間が長いという傾向に多くのドローンの基本設計は向かっています。
この様に相反する性能の底上げには、何らかのブレイクスルーが必要です。
動力バッテリーの性能向上などが、一般的かと思います。
マルチコプターでは、機能改善の余地が大きく残っていると0 [Zero]は考えています。
世界の開発者の多くは、制御や付加機能に関心が向かっています。
しかし・・・
ドローン本体の基本性能は研究が足りないと考えます。
この様な相反する重要な性能底上げに、ブレイクスルーが必要です。
それが、0 [Zero]の出願済特許群となります。

以降のページは特許申請済の内容が多くなります。
実務が混雑していることから、公開ペースはゆっくりとなりますが、ご了承下さい。

公開日:2016/11/11
最終更新日:2016/11/11
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