Ver6_img

ドローン空撮[技術解説] - 1.0kgクラスのジンバル交換

1.0kgクラスのジンバル交換

Tarotのブラシレスジンバルは当初から2個を購入していました。
ひとつは2.0kgクラスへ。
もうひとつは1.0kgクラスに搭載します。

以下のサンプルは2013年6月29日に撮影。
一つ目で勝手がわかっていたことから、チルトの設定などもせずに機体に搭載。
※信号線を入れないと、チルト・ロールは水平になります。

HERO2は誇大広告と感じましたが・・・
HERO3は、「暗所に強い」はその通り。
これなら、ショッピングモールでの空撮も、夜景の実景も納得出来る撮影が出来そうです。

なお、この動画と、2.0kgクラス初フライトの動画は公開予定がありませんでした。
しかし・・・
同業者から「Tarotジンバルはデフォルトでも良いのですか?」との問い合わせが入ったことから、急遽公開。
1.0kgクラスは社員がいないとき(この事務所はWeb制作会社のオフィスも兼ねています)にはご覧の通りです。
あくまでピントチェック用なので、操縦も荒い物です。
ですが・・・このジンバルの初期性能を測るには十分なサンプルです。

170°の画角は歪みを狙う用途以外は使いにくいところ。
90°のナローが実務では登場頻度が高くなります。
と言っても・・・170°時の微速前進でプロペラが写るのは困ります。
このテストで、微速前進+ジンバル水平はクリアしています。

1.0kgクラススペア機
屋外テストも実施
この機体は1.0kgクラスのスペア機でした。
この機体にもTarotのジンバルを搭載。
上記の事務所内のYotube画像は、「ただ飛んだだけ」
その翌日に、屋外で機体の挙動を中心とした確認作業とテスト撮影を行っています。
この時点でもチルト制御は行っていませんが結果は満足がいく物になりました。
1.0kgクラスは設計当初からGoProのブラシレスジンバルの搭載が想定されていたことから、ポン付けでもワイド端ホバリングは可能です。

1週間ほど先の業務で、室内空撮が予定されています。
この業務から、ブラシレスジンバルの実務投入開始です。

悔やまれる・・・

1.0kgクラスの開発時に、HERO3のブラックエデションを入手しなかったことが悔やまれます。
室内用の機体にDSC-WX200を搭載すると・・・
その光量の少なさからピントを外す事が多いのが実務で判明。
室内を低空で全速前進などというワークをすると・・・「惜しいっ」という声がチェック時に漏れてきていました。
その、「惜しいっ」はピントを外したことに関して。
当たり前のことなのですが暗い室内でもブラックエディションなら、ピント外し無し。
暗めの室内の空撮という用途では無敵なカメラです。
この暗い室内から、屋外に出ると・・・というテストでどのような結果が出るか楽しみです。
楽しみと言うよりも・・・
激しい移動では崩壊することが当然。
これをワークで、如何にまとめるかを研究する必要があります。

ブラシレスジンバルのセッティングに関して

0 [Zero]はブラシレスジンバルの初心者です。
運用方法のノウハウは微々たる物です。
ブラシレスモーターのノウハウは持っていませんが4年前に、バルーンのジンバルは極めています。
今の眼で眺めても、非常に面白い事をしています。
ステディカムの機構に、ヘリ用のジャイロを2軸に組み込んでいます。
バルーン空撮という、マルチコプター以上に重量縛りが厳しい用途で、よくぞここまでと・・・
現在では安価にブラシレスジンバルが手には入ることから、このジンバルの考えは捨てて良いところ。
ただ・・・重心位置が重要であることは永遠にかわりません。
ここを軽視しているジンバルは写真でもわかりますので・・・
DSLR搭載で、動きがイマイチなジンバルはすぐにわかります。

その経験から、ブラシレスジンバルの基本は理解しています。
空物ラジコン全てに言える事なのですが「基本通り」に接すれば、Tarotジンバルは期待に応えてくれます。
期待通りの動きをしないなら・・・それは基本通りに接していないことを意味します。
繰り返しますがTarotのジンバルの設計者は優秀です。
例えば、レンズを止めているブルーのアルミパーツ。
あれはカメラの重心軸を強制的に位置決めする配慮がされています。
つまり、誰でもポン付けで重心が取れることを意味します。
0 [Zero]の様にフィルター装着の方向に行くには標準部品を改造しながらバランスを取り直す必要も出てきます。
理想的にはカメラ固定フレームの都度制作。
入り口は優しいのですが使いこなすにはそれなりの技術が要求されます。

なお、ブラシレスジンバルはモーターセンシングの為に、小刻みに動きます。
結果としてローリングシャッターが発生するかも?
ここに関してはカメラの基本を理解していれば対応可能。
デジタルサーボの振動を嫌ってアナログを使った経験のある方なら、ここは納得出来ることでしょう。

Tarotのジンバルは初心者がポン付けで、もっともコスパが高いジンバルです。
初心者からプロにまで、これ一択としておすすめします。
しかし、もプロとして恥ずかしくない「キレ」を出すには・・・
それはノウハウに該当するチューニングが必要です。
レンズ交換などを行うレベルで、Tarotブラシレスジンバルを運用しようと考えてくると・・・
セッティング毎に、固定フレームは用意する必要があるのは言うまでもありません。

公開日:2013/06/30
最終更新日:2013/07/01
前へ一覧次へ

ドローン空撮[技術解説] 関連リンク

142) 【特願D】宅配ドローンヘリポート
141) 宅配ドローン着陸姿勢と特願A
140) 宅配ドローン理想重心機と特願A
139) ドローンのデザインとは?
138) バッテリー初期不良の原因特定
137) DJI純正バッテリーの自己放電確認テスト
136) 5機目のDJI PHANTOM2
135) DJIは信用出来るのか?
134) 2016年のDJIクオリティの確認
133) 宅配ドローン実証機制作 その3 特許と許可申請
132) 宅配ドローン実証機制作 その2
131) 宅配ドローン実証機制作 その1
130) 航空法改正
129) 【特願A】実フライトテストNo1
128) 「ドローンから落下させる」機構制作とテスト
127) ドローンの飛行時間について
126) ゲインとは?
125) 首相官邸屋上のドローン落下事故に関して
124) リポバッテリーの検査方法
123) GoProのNDフィルタに関して
122) ホワイトハウス無人機墜落に関する推測
121) 特許出願機の実体化
120) 墜落原因の報告義務について
119) 危険な業者の判断方法
118) 注文者責任のとらえ方の変化に関して
117) マルチコプターが旅客機を墜落させる
116) マルチコプター全面禁止というシナリオ
115) マルチコプター墜落原因の解析について
114) GPSハッキング
113) 管理責任者の表示
112) フライト総重量の明示
111) 湘南国際マラソン墜落事故を考える
110) 雨とリチウムポリマーバッテリー
109) DJI lightbridge テスト開始
108) DJI Phantomd純正プロペラの評価
107) T-MOTOR Antigravity MN2214の評価 その2
106) SUNNYSKY Xシリーズの評価 その2
105) 大型機とFPVの解禁
104) 「螺旋下ろし」で安全な機体回収
103) 固定ピッチのメリットとデメリット おすすめ
102) 3Dプリンタ打ち出し部品を信じるな!
101) 3Dプリンタとマルチコプター
100) 技術解説100ページの区切
99) マルチコプターとPL法
98) スチール撮影用マルチコプター入門
97) リポバッテリー内部検査の理由
96) T-MOTOR Antigravity MN2214の評価
95) SUNNYSKY Xシリーズの評価
94) フルスクラッチマルチコプターのススメ
93) SONY SEL1018は、マルチコプター空撮に使えるか?
92) Amazon Prime Air
91) α7とα7R
90) 動画撮影前提のマルチコプターフライトテクニック
89) 航空法第二条
88) リポバッテリー充電ステーション設計中
87) マルチコプタージャマーについて
86) 空撮屋必修の書籍 :「一般気象学」 おすすめ
85) 電波障害の再検証
84) 空撮会社のノートパソコン
83) マルチコプター空撮機材車
82) 選別落ちリチウムポリマーバッテリーの例
81) プロペラバランスを極める
80) 機材車増車
79) 受注制限に関して
78) ブラシレスジンバル【1.0kgクラス】 業務投入開始
77) ブラシレスジンバル・最初の2週間
76) 1.0kgクラスのジンバル交換
75) 「GoPro HERO3 + ブラシレスジンバル」初フライト
74) ブラシレスジンバル組み付け中
73) パソコンの高性能化により、機体を軽量化?
72) モーターを使い切るノウハウの公開 おすすめ
71) 黎明期から成長期に入ったマルチコプター空撮
70) 夏場の駐車車内の温度上昇対策
69) 「社員パイロット」の責任範囲
68) 「幽かな彼女」ワーク解説
67) マンション眺望撮影専用機体の開発開始
66) コンパクトデジカメの可能性
65) 「フライト重量」は重要な技術スペック
64) 1.0kgクラス・最初の1ヶ月
63) AR.Drone 【屋内ハル】の流用
62) 1.0kgクラス4モーター フレーム再設計
61) 1.0kgクラス4モーター開発経過
60) 屋内限定業務用クアッドコプター開発開始
59) ハンディーカムCX430V導入
58) DJI Wookong-MのGPSアンテナ
57) DJIの品質は大丈夫なのか?
56) フタバ14SGは空撮送信機の定番と成り得るか?
55) サイバーショットDSC-WX200発表
54) リチウムポリマーバッテリーの短絡テスト おすすめ
53) 「科捜研の女」2時間スペシャル撮影例
52) 軽量マルチコプターにベストなカメラは?
51) GTOスペシャルのワーク解説
50) リチウムポリマーバッテリー考察
49) 変電所付近での電波障害
48) ノーファインダー撮影が基本
47) DJI Wookong-Mの暴走原因の特定完了
46) 墜落テスト[2.0kgクラス 6モーター 2012年12月編]
45) DJI Wookong-Mの最新ファームに関して
44) AR.Drone 2.0はブロの撮影に使えるか?
43) プロペラ接触危険率 おすすめ
42) 2.0kgクラス高機動タイプ [Ver2] 開発中
41) 2012年夏のマルチコプター墜落の解説 【このページにて原因の特定説明】
40) 「受注見合わせ」と、「フライト制限」に関して
39) 重量級テスト機体の処分
38) マルチコプターに関する特許出願の内容
37) オクトコプター初フライト
36) 「人物接写空撮」とは?
35) 「2.0kgクラス 6モーター」第一期大規模改修完了
34) 「引きのカット」のカメラ角度について
33) 軽量マルチコプターだから出来ること
32) 0 [Zero]の機体が軽く精度が高い理由
31) マグネシウム合金が理想的なマルチコプターフレーム材
30) 6モーターは危険?安全?
29) 8モーターが安全な理由
28) 4モーターが危険な理由
27) DSLR搭載機開発の一時凍結
26) 初のマルチコプター空撮業務の解説
25) マルチコプターの事故と注文者責任 おすすめ
24) 降雪時のマルチコプター空撮サンプルとは?
23) エクストリーム空撮
22) プロペラバランス
21) リチウムポリマーバッテリー
20) マルチコプターの防振対策
19) JR XG8 本採用
18) モーターテスト用ベンチ制作
17) GoPro HE HERO2 専用ジンバルの試作例
16) 機体設計の方向性
15) ラピド工房
14) DJI Wookong-Mは最新ファームによりトラブル解決
13) αゲルとジンバル
12) 空撮ムービー撮影にフルサイズ一眼は必要なのか?
11) バルーン空撮屋の都合
10) DJI WooKong MとJR・DMSS2.4GHzとの相性?
9) DJI WooKong Mの初期不良確定
8) 犯人はコントローラー?受信機?
7) DJI WooKong Mのトリムズレ
6) 上空フライトテスト
5) 離陸から撮影までの所要時間
4) 実務を想定した弱風条件の動画撮影
3) 1号機にカメラ搭載
2) 最初の一週間
1) マルチコプターの導入

Home | ドローン空撮 | バルーン空撮 | 社長ブログもどき | 会社概要