Ver6_img

ドローン空撮[技術解説] - 空撮会社のノートパソコン

空撮会社のノートパソコン
T510 T530

現場で用いるノートパソコンの入替を行いました。
採用したのは、ThinkPadのT530。
ここでは、空撮現場に用いるという前提でノートパソコンを考えます。

←左が、今まで使ってきたT510。
右側が新規に導入したT530。
引退するT510も、メモリ16GB・HDD500GB
普通に考えれば十分なスペックです。
基本的にはロケのみの使用。
通常のノートパソコンではコストダウンの対象となるビデオ・Wi-Fiボードも性能十分な物を使っています。
交換の理由は、「バルーン空撮業務でHDDの容量が不足気味だから」
現在の空撮屋のノートパソコンはカメラに準ずる重要機材。
バルーン空撮起因のPC入替ですが、マルチコプター業務でも用いる事から、ドローン空撮[技術解説]にて取り上げます。

それでは、空撮屋が現場で用いるという観点からノートパソコンを考えて見ます。

HDD容量

スチール撮影主体なら、1TB以上のHDDしか選択肢は無いでしょう。
必要ならば、内蔵HDDの2基搭載なども検討する必要があります。
現場で簡易加工なども行う進んでいる会社ならメモリの増設も当然。
長期ロケが想定されるならUSB3も必須と言えます。
SSDに関しては、「空撮屋」という限定を付ければ不要と考えています。
撮影データの転送時のボトルネックを理解しているなら、ご自身で適切な選択が出来るかと思います。

◆0 [Zero]の場合
このパソコンは、バルーン空撮でも用います。
マンション眺望撮影の業務では、128GBのCFを1日に打ち切るという激しい物。
この様なHDD容量を圧迫する業務は、都内の仕事が多いことから長期ロケにはなりません。
一時的に200GB以下のデータのバックアップが取れれば良いので、2013年現在では1TBのHDDで事は足ります。
マルチコプターの動画撮影の場合も、GoPro(フルHD)がメインなら大きな問題とはなりません。
4Kを用いたCM撮影などに入る段階で、機材車にデスクトップPCを備え付けることになります。
※現在制作中の機材車は、デスクトップPC搭載が想定されています。

拡張ビデオボード

動画系の撮影を主体として、屋外でのチェックが必要ならビデオボードの性能も重視する必要があります。
普及価格帯のオンボードビデオでは、フルHDの再生には問題が出てきます。

普及価格帯のノートPCでは、この用途に不向きです。
ノートパソコンでフルHDの動画を確認するには、画面解像度と同等にビデオボードにも気を付けましょう。
安価なPCでは、画面の質も劣ります。
プロの現場でのチェック用なら、自ずとハイエンドPCが必要になります。

◆0 [Zero]の場合
2013年10月の段階では、画像転送装置を用いていません。
撮影完了後にデータをPCに転送してチェックするというスタイルになっています。
この際にバッテリー駆動で駒落ち無しでフルHDが再生出来ることがパソコンの条件となります。
前モデルでも(拡張ビデオ搭載)でも、大きな問題ではありませんでしたが、新モデル(T530・NVIDIA NVS 5400M )では、さらに画質が向上しました。

Wi-Fiボード

業務に用いる機材によってはWi-Fiなどの強化も必要になります。(カメラメーカーの用意するWi-Fiリモートなど)
この際には、ノートPC側のアンテナやWi-Fiボードの性能も考える必要があります。

普及価格帯のノートPCでは、Wi-Fi到達距離などは短めとなります。
そこそこの大きさを持ったボディと具体的なWi-Fiボードの記載を確認してください。

◆0 [Zero]の場合
今回は、BTOモデルの購入であることから、標準のCentrino Advanced-N 6205(これでも十分な性能)から、Centrino Ultimate-N 6300にグレードアップしています。
具体的な検証は行っていませんが、過去の経験からは普及価格帯のノートPCとは比較にならないWi-Fiの安定性が約束されるはずです。
ノートPC側のWi-Fiを重視している訳では無いのですが、将来の備えとして強化しています。

耐久性

屋外で用いるのが空撮屋のパソコンです。
通常のパソコンよりは、雨・ホコリ・衝撃などに配慮した選択が必要です。

「工事現場対応」などという機種もありますので、そちらも検討しても良いでしょう。
車外に出すことは無いというノートパソコンなら、この様な観点も必要無いのですが・・・
「車外に出さない」ならノートパソコンの必要性があるのか?という話になってしまいます。
フィールドで用いるノートPCの耐久性は高い方が良いのは、言うまでもありません。

◆0 [Zero]の場合
今回も防塵性能の高い機種を選択しています。
過去の経験から、軽度な降雨・降雪という環境下でもこの機種は問題を起こしません。

携帯性

徒歩のロケが多いタイプの空撮会社なら譲れない所かと思います。

徒歩移動時の機材は軽い方が有利です。
ノートPCのスペックで携帯性を重視するなら、その様な選択も有りでしょう。

◆0 [Zero]の場合
過去の実務では、1kgを下回る重量のノートPCの採用に迫られていません。
このタイプの業務の場合は、荷揚げのスタッフが付いてくれることがほとんどです。
ノートPCよりは、マルチコプターの動力バッテリー重量が重要です。
携帯性よりは、画面の質と耐久性を選んでいることになります。

windows7
0 [Zero]は、ここまで考えています

今回のPC購入は、2013年9月。
OSは、普通ならWindows8というタイミングです。
購入したノートPCのOSは・・・Windows7
BTOですので、自分の意志でWindows7を選択しています。
なぜ、旧式のOSを選んでいるのか?
それは、Windows7にて機体のセッティングは出されているからとお答えします。
「OSとマルチコプターには関係が無いだろう」と言う方もいるかも知れません。
あなたは、PCに関しては深い知識は無い方ですね?
フライトコントローラーの設定などには純正ソフトを用います。
これらにも当然ですが、バグが入っています。
問題なのは・・・Windows7(恐らく開発環境)では出ないのに、Windows8で出てくるというパターン。
恐ろしいのは、表面上は問題無いのに、コントローラーに書き込むプログラムにバグが入るという種類のバグ。
0 [Zero]は、元々がWebサイト制作会社です。
航空写真ナビ家具配置シミュレーターの心臓部も内製するWeb制作会社の中でも技術に特化した会社です。
今でこそ空撮会社として名が通っていますが、数年前は、「フル・フラッシュサイトなら0 [Zero]」という時期がありました。
このソフト制作の知識から、フライトコントローラーのプログラマを一切信用していません。
過去の技術解説にも述べていますが、安定が確認出来たファムウェアは、不必要にバージョンアップしません。
ソフト制作知識をもっているからこそ、フライトコントローラーが寄り安定する方法を選んでいます。
パソコン(ソフト・ハード)は、安定性重視。
プロの道具ならば、当然の選択と考えています。
細かいところですが、これが0 [Zero]のスタンダードです。

公開日:2013/10/16
最終更新日:201/01/23
前へ一覧次へ

ドローン空撮[技術解説] 関連リンク

142) 【特願D】宅配ドローンヘリポート
141) 宅配ドローン着陸姿勢と特願A
140) 宅配ドローン理想重心機と特願A
139) ドローンのデザインとは?
138) バッテリー初期不良の原因特定
137) DJI純正バッテリーの自己放電確認テスト
136) 5機目のDJI PHANTOM2
135) DJIは信用出来るのか?
134) 2016年のDJIクオリティの確認
133) 宅配ドローン実証機制作 その3 特許と許可申請
132) 宅配ドローン実証機制作 その2
131) 宅配ドローン実証機制作 その1
130) 航空法改正
129) 【特願A】実フライトテストNo1
128) 「ドローンから落下させる」機構制作とテスト
127) ドローンの飛行時間について
126) ゲインとは?
125) 首相官邸屋上のドローン落下事故に関して
124) リポバッテリーの検査方法
123) GoProのNDフィルタに関して
122) ホワイトハウス無人機墜落に関する推測
121) 特許出願機の実体化
120) 墜落原因の報告義務について
119) 危険な業者の判断方法
118) 注文者責任のとらえ方の変化に関して
117) マルチコプターが旅客機を墜落させる
116) マルチコプター全面禁止というシナリオ
115) マルチコプター墜落原因の解析について
114) GPSハッキング
113) 管理責任者の表示
112) フライト総重量の明示
111) 湘南国際マラソン墜落事故を考える
110) 雨とリチウムポリマーバッテリー
109) DJI lightbridge テスト開始
108) DJI Phantomd純正プロペラの評価
107) T-MOTOR Antigravity MN2214の評価 その2
106) SUNNYSKY Xシリーズの評価 その2
105) 大型機とFPVの解禁
104) 「螺旋下ろし」で安全な機体回収
103) 固定ピッチのメリットとデメリット おすすめ
102) 3Dプリンタ打ち出し部品を信じるな!
101) 3Dプリンタとマルチコプター
100) 技術解説100ページの区切
99) マルチコプターとPL法
98) スチール撮影用マルチコプター入門
97) リポバッテリー内部検査の理由
96) T-MOTOR Antigravity MN2214の評価
95) SUNNYSKY Xシリーズの評価
94) フルスクラッチマルチコプターのススメ
93) SONY SEL1018は、マルチコプター空撮に使えるか?
92) Amazon Prime Air
91) α7とα7R
90) 動画撮影前提のマルチコプターフライトテクニック
89) 航空法第二条
88) リポバッテリー充電ステーション設計中
87) マルチコプタージャマーについて
86) 空撮屋必修の書籍 :「一般気象学」 おすすめ
85) 電波障害の再検証
84) 空撮会社のノートパソコン
83) マルチコプター空撮機材車
82) 選別落ちリチウムポリマーバッテリーの例
81) プロペラバランスを極める
80) 機材車増車
79) 受注制限に関して
78) ブラシレスジンバル【1.0kgクラス】 業務投入開始
77) ブラシレスジンバル・最初の2週間
76) 1.0kgクラスのジンバル交換
75) 「GoPro HERO3 + ブラシレスジンバル」初フライト
74) ブラシレスジンバル組み付け中
73) パソコンの高性能化により、機体を軽量化?
72) モーターを使い切るノウハウの公開 おすすめ
71) 黎明期から成長期に入ったマルチコプター空撮
70) 夏場の駐車車内の温度上昇対策
69) 「社員パイロット」の責任範囲
68) 「幽かな彼女」ワーク解説
67) マンション眺望撮影専用機体の開発開始
66) コンパクトデジカメの可能性
65) 「フライト重量」は重要な技術スペック
64) 1.0kgクラス・最初の1ヶ月
63) AR.Drone 【屋内ハル】の流用
62) 1.0kgクラス4モーター フレーム再設計
61) 1.0kgクラス4モーター開発経過
60) 屋内限定業務用クアッドコプター開発開始
59) ハンディーカムCX430V導入
58) DJI Wookong-MのGPSアンテナ
57) DJIの品質は大丈夫なのか?
56) フタバ14SGは空撮送信機の定番と成り得るか?
55) サイバーショットDSC-WX200発表
54) リチウムポリマーバッテリーの短絡テスト おすすめ
53) 「科捜研の女」2時間スペシャル撮影例
52) 軽量マルチコプターにベストなカメラは?
51) GTOスペシャルのワーク解説
50) リチウムポリマーバッテリー考察
49) 変電所付近での電波障害
48) ノーファインダー撮影が基本
47) DJI Wookong-Mの暴走原因の特定完了
46) 墜落テスト[2.0kgクラス 6モーター 2012年12月編]
45) DJI Wookong-Mの最新ファームに関して
44) AR.Drone 2.0はブロの撮影に使えるか?
43) プロペラ接触危険率 おすすめ
42) 2.0kgクラス高機動タイプ [Ver2] 開発中
41) 2012年夏のマルチコプター墜落の解説 【このページにて原因の特定説明】
40) 「受注見合わせ」と、「フライト制限」に関して
39) 重量級テスト機体の処分
38) マルチコプターに関する特許出願の内容
37) オクトコプター初フライト
36) 「人物接写空撮」とは?
35) 「2.0kgクラス 6モーター」第一期大規模改修完了
34) 「引きのカット」のカメラ角度について
33) 軽量マルチコプターだから出来ること
32) 0 [Zero]の機体が軽く精度が高い理由
31) マグネシウム合金が理想的なマルチコプターフレーム材
30) 6モーターは危険?安全?
29) 8モーターが安全な理由
28) 4モーターが危険な理由
27) DSLR搭載機開発の一時凍結
26) 初のマルチコプター空撮業務の解説
25) マルチコプターの事故と注文者責任 おすすめ
24) 降雪時のマルチコプター空撮サンプルとは?
23) エクストリーム空撮
22) プロペラバランス
21) リチウムポリマーバッテリー
20) マルチコプターの防振対策
19) JR XG8 本採用
18) モーターテスト用ベンチ制作
17) GoPro HE HERO2 専用ジンバルの試作例
16) 機体設計の方向性
15) ラピド工房
14) DJI Wookong-Mは最新ファームによりトラブル解決
13) αゲルとジンバル
12) 空撮ムービー撮影にフルサイズ一眼は必要なのか?
11) バルーン空撮屋の都合
10) DJI WooKong MとJR・DMSS2.4GHzとの相性?
9) DJI WooKong Mの初期不良確定
8) 犯人はコントローラー?受信機?
7) DJI WooKong Mのトリムズレ
6) 上空フライトテスト
5) 離陸から撮影までの所要時間
4) 実務を想定した弱風条件の動画撮影
3) 1号機にカメラ搭載
2) 最初の一週間
1) マルチコプターの導入

Home | ドローン空撮 | バルーン空撮 | 社長ブログもどき | 会社概要