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ドローン空撮[技術解説] - 軽量マルチコプターにベストなカメラは?

軽量マルチコプターにベストなカメラは?
CX550

バッテリー搭載位置の可変構造

フライト重量2.0kg以下と限定したマルチコプター。
この機体に、どのようなカメラを搭載すれば良いのか・・・
2013年1月現在の販売機種から、ベストのカメラを考えます。

2013年1月9日に新型ハンディカム発表。
←0 [Zero]でも、ハンディカムタイプのビデオカメラは所有していました。
これは数年前にバルーンによる動画撮影の研究をしていた頃の名残。

今まで、ハンディカムタイプをマルチコプターに投入しなかったのはカメラ重量の為。
空間手ぶれ補正を搭載するCX720V(2012年1月発表)はバッテリー込みで645g。
これを積む為に、機体側も強化すると3kgクラスの機体を必要とします。
2012年の0 [Zero]の主力となったサイバーショットHX30Vは254g。
ミラーレス一眼と同等クラスの重量となる初代空間手ブレ補正搭載ハンディカムは0 [Zero]の選択肢にありませんでした。

ここではこの254gを基準重量として2013年の主力カメラを検討していきます。

開発中の機体

機体の軽量化は進み、HX30Vなら1,8kg以下が可能になった

←現在、開発中のVer2機体。
今の段階で、HX30V(フード・フィルター付)搭載で、1.8kg以下も可能なところまで軽量化が進んでいます。
当初は安全率の向上に軽量化分を割り振ろうと考えていましたが・・・
空間手ブレ補正搭載モデルも積んでも2.0kg以下で実現可能という試算が出来ました。

現在のHX30Vでも、ほとんどの用途(ドラマ等)で画質的なクレームは入っていません。
HX30Vの最大の問題は録画中の画像出力に対応していないこと。
画像転送を考えると、どうしてもハンディカム(画像出力可能)の方が魅力がありました。
2013年1月発表の軽量なハンディカムタイプのカメラ(空間手ブレ補正)と3軸ジンバル。
さらに、画像転送装置を取り付けても2.5kg以下に収められることは確定。
仕事の幅が広がることは間違いありません。

HX30Vとハンディーカムの比較

サイバーショット
DSC-HX30V
2012年2月発表
ハンディーカム
CX630V
2013年1月発表
ハンディーカム
CX430V
2013年1月発表
ハンディーカム
CX390
2013年1月発表
ハンディーカム
CX720V
2012年1月発表
重量 254g 475g
+221g
375g
+121g
238g
-16g
645g
+391g
イメージセンサー 1/2.3型 "Exmor R"
CMOSセンサー
1/3.91型 "Exmor R"
CMOSセンサー
1/3.91型 "Exmor R"
CMOSセンサー
1/5.8型 "Exmor R"
CMOSセンサー
1/2.88型 "Exmor R"
CMOSセンサー
広角端 28mm ※1 26.8mm ※2 26.8mm ※2 26.8mm ※2 26mm ※2
手ブレ補正 光学式(疑似3軸) 空間光学方式 空間光学方式 光学式(疑似3軸) 空間光学方式
映像記録 60P,60i 60P,60i 60P,60i 60P,60i 60P,60i

※1:手ブレ補正使用
※2:手ブレ補正未使用

画質向上か?軽量化か?

0 [Zero]が注目するのはCX430VとCX390。
CX430Vなら、現状(HX30V)よりも画質が向上するのは確定。
重量も121gの増となるのですが・・・フードやフィルターも軽量化できると思われるので、この差は縮まります。(HX30Vはフィルタ必須)
開発中の機体 さらに、ハンディカムの縦長の形状は機体の搭載にも都合が良い。
Ver2ではカウンターウエイトとなるバッテリーの容量を落とすことにより軽量化を進めました。
その結果、カメラの搭載位置を中心に寄らさなければならないという問題も出てきています。
この重量バランスを取るのにハンディカムは都合が良いと言えます。
現在のところはCX430Vが本命。

そして、CX390。
同業者は目もくれない普及価格帯のハンディカム。
重量は現状以下。
恐らく、撮影中の画像出力も可能。
機体の重量バランスを整えられる縦長の形状。
画質がHX30Vと同等なら、即時に採用です。

ここで、開発途中の機体のジンバルに注目してください。
今まではロール軸はカメラの後方からコントロールしていました。(Z15とかと同じ)
これを、上から吊る方式としています。
この形状は前後バランスを取る観点から不利。(受光部の位置が同じなら前加重となる)
しかし・・・前後方向のカメラの大きさの差違には対応しやすい。
つまり・・・
0 [Zero]では次世代(2013年の初頭の発表)のハンディカムにて空間手ブレ補正対応機が軽くなると考えていました。
この新型ハンディカムありしの機体がこの写真のテスト機です。

「空間手ブレ補正がコンデジについたら意味ないじゃん」
この様なツッコミは却下します。
空間手ブレ補正ユニットの形状の特性から奥行きを深く確保する必要がある。
つまり、サイバーショットへの搭載は無いと睨みました。
例年通りなら・・・ハンディカムの新型は1月に発表。
結果として、狙い通り(CX430V)の展開になっています。
このページを書いているのは1/10。
新型ハンディカムは1/9発表なのでネタを仕込む時間はありません。

恐らくですが・・・
CX430VもCX390もどちらも購入します。
そして、最終的にメインカメラとなれば複数台を購入。
なお・・・HX30Vは既に5台を購入しています。

公開日:2013/01/10
最終更新日:2013/04/11
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