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ドローン空撮[技術解説] - 黎明期から成長期に入ったマルチコプター空撮

黎明期から成長期に入ったマルチコプター空撮

マルチコプター空撮が流行っている。
このバブルとも言える状況はどのような方向に進んでいくのでしょうか?
なお、このページは求人目的として書いています。
一般の方は参考程度にご覧下さい。

0 [Zero]がマルチコプター空撮の先々にどのような見通しを持っているのか?
そして、どの分野に向かうのかを述べていきます。
業界を俯瞰することもありますが基本的には0 [Zero]の目線から述べられています。

星の評価に関して
あくまで、0 [Zero]主眼の評価です。
全ての空撮会社に、当てはまる物ではありません。
マルチコプターは多くの分野で活躍の場が用意されています。
2013年現在では進出可能な全ての分野で将来性は高いと評価出来ます。

テレビ関係の撮影【ドラマ・バラエティ】 重要度:★★★★★

2013年6月現在、0 [Zero]のマルチコプターの主業務です。
マルチコプターを従来型ラジコンヘリと比較すると、プロペラ接触危険率が低い事がマルチコプターの特徴。
軽量マルチコプターなら、大きなケガを負わせることも無い。
このメリットを最大限に活かせるのが人物込みのテレビ番組の撮影です。
具体的にはドラマとバラエティ番組です。
ドラマに関しては数年以内にマルチコブターは定番の撮影手段の一つとなります。
そして、永遠にその地位を保ちます。

0 [Zero]では数年以内に複数の撮影チームを確保することを目標に設定しています。
このページも、求人活動の一環です。

テレビ関係の撮影【ネイチャー系】 重要度:★★

2013年現在のこの用途は特殊なパイロットを必要とない簡単なワークで成立します。
この分野はパイロットの技術に高い物を求められません。
つまり、この数年でライバルが増える事を意味します。

ただし・・
ネイチャー系はあるところから細分化してくと睨んでいます。
水中を絡めたり、飛行速度に特化させたりと・・・
開発者からは面白い分野です。

0 [Zero]では出来る範囲でこの用途対策は進めていきます。
積極的な投資は行いません。
※社員が強く望めば、0 [Zero]も参入します。

CM・映画の撮影 重要度:★★★★

マルチコプターのハイエンド用途がCMと映画撮影です。
常に最上級の機材とテクニックが要求される用途です。
今まではカメラサイズの関係から0 [Zero]の不得意分野でした。
軽量機体での基礎研究を、もう少し行ってから本格的に参入します。

出願準備を進めている特許はこの分野を主に想定したものになっています。

スチール撮影【マンション眺望】 重要度:★★★★

低層物件且つ、ある程度の敷地面積があることを条件に、マンション眺望撮影業務を開始します。
0 [Zero]はバルーン空撮による超高層マンション眺望撮影のトップブランドです。
この分野で他社に遅れを取ることは許されません。

2013年秋から、一部サービスを開始します。
ただし、超高層などに関しては基本的に参入の予定はありません。
あくまで、墜落範囲が限定出来る低層物件に限ります。

2013年10月29日加筆:
マルチコプタージャマーの存在を公開しました。
この公開のタイミングから、マンション眺望撮影用途の機体は、無期限の開発凍結に入りました。

スチール撮影【パンフレット用途】 重要度:★★

ここはライバルが非常に多いマルチコプター空撮カテゴリです。
0 [Zero]は積極的に入らない分野です。
特に高い安全性を重視する案件中心に、撮影案件を広げる予定です。

既に、機材開発としては成熟期に入っています。
大きな機材開発の予定はありません。

スチール撮影【測量】 重要度:

当分はこの分野に進出する予定はありません。
仕事量はある分野ですが0 [Zero]の向かうべき方向ではありません。

コラム:黎明期から成長期に入ったマルチコプター空撮

「マルチコプターが飛ばせれば、仕事があった」
マルチコブター黎明期はこの様な時代です。
0 [Zero]も含めて、2010~12年頃に自己をアピール出来た方はツキがありました。
2013年現在も、ツキのみで仕事は取れています。
とても、良い時代でした。
これは写真の黎明期と非常に似ています。
「撮れるだけでスゴイ」という点で一致します。
つまり、写真の歴史を振り返るとマルチコプター空撮の未来の一部も見えて来ます。

一定の投資を行えば、美しい映像が誰でも撮れるという時代がそこまで来ています。
2013年の初夏はその入り口に入っていると言っていいでしょう。
2014年は安価なブラシレスモーター採用のジンバルが普及機に入ります。
マルチコプター空撮はここから成長期に入ります。

「撮れることに価値がある」という、黎明期は終わりを告げて映像に付加価値を求める成長期に入ります。
スチール写真は成長期に入ると分野毎に専門の写真家が現れました。
コレと同じ事がマルチコプター空撮にも発生します。
マルチコプター空撮にも、分野毎のプロが発生してきます。

ここで、写真の歴史とマルチコプター空撮とで、大きな枝分かれが発生します。
写真は汎用機(一眼レフ)のレンズを交換することにより様々な撮影に対応した。
これと同じ事がマルチコプター空撮では成立しません。
写真の世界と同様に、レンズ(カメラ)を交換すれば、必要とする画角は撮れます。
しかし・・・
マルチコプター(ラジコン)の、特徴である自由に動けるという最大のメリットを作品に活かそうとすると・・・
汎用品では直ぐに限界に達します。
汎用品では作品で差別化が出来なくなってきます。

室内用クアッドコプター マルチコプターの成長期は必要とされる映像表現に特化した専用機が多数出てくる時代です。
2013年2月に開発された、1.0kg 4モーターなどは典型的なマルチコプター成長期の初期の機体と呼べます。
今後は映像表現に必要な様々な変わり種が多数生まれます。
その中から、幾つかが定番となる。
ここから、マルチコプターの成熟期に入ります。

成熟期に入る頃には・・・
レーザー測量によりモデル空間を自分の中に蓄積。
その空間の中を自立航行。
カメラジンバルは人物認識をしながら自動制御。
フライト前に、ディレクタが撮影プログラムを機体に打ち込み、後は自動で撮影を遂行する・・・
リアルタイムで環境認識も可能であることから、人物の飛び出しにも自動対応。
この程度のレベルに達する事でしょう。

成熟期に入るのも、そんなに遠い世界ではありません。
ボトルネックとなっているのはPCの処理能力のみ。
ここが解決できれば、物理的には上記の成熟期想定の機体はフライト可能です。
成熟期に入ると、熟練パイロットなども不要になりそうなのですが・・・
それは少し違います。
飛行経路を示すプログラムの打ち込みはエンジニア(カメラマン)がする必要があります。
フライトセンスの無いディレクタなら・・・結果は伴いません。
当然ですがプログラムの初期の知識は必要です。
結局のところはしっかりした技術をもったディレクタがプログラムを打ち込む必要があります。

今後、数十年の間にマルチコプターの機材はもの凄い勢いで発展していきます。
人材に求められる能力はその都度変化しますが・・・
「基本的なフライトセンス」と、「コンピューター全般の知識」
この二つが必須能力です。

公開日:2013/06/07
最終更新日:2013/10/29
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1) マルチコプターの導入

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