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ドローン空撮[技術解説] - 「GoPro HERO3 + ブラシレスジンバル」初フライト

GoPro HERO3 + ブラシレスジンバル
次期2.0kgクラス6モーター

ブラシレスジンバルを組み込んだテスト機が初フライト完了しました。
結果は想定よりも良い物となり・・・

2013年6月28日に、Tarot GoPro 2 Axis Brushless Gimbalを組み込んだ、次期2.0kgクラスの初フライトが完了しました。
フライト重量は1,650g
0 [Zero]の制作しているヘキサコプターとしては過去最高に軽量化された機体となりました。
GoPro HERO3を搭載することが前提であることから、カメラ搭載位置は低く遠くへ。
重心適正化の観点から、カウンターウエイトとなるなるバッテリーは後方に搭載しています。

HERO3搭載ヘキサ
テスト結果に戸惑う・・・
・モーターはAクラスとBクラスにて構成(業務はSクラス)
・プロペラは墜落経験有りのB級品
・テスト時の風速は5m/s前後(直近観測ポイント10分瞬間最大6.1m/s)
・レンズ画角は170°(非改造)
・機体側(NAZA)の設定はデフォルト設定

この条件で、HERO3を回しています。
今までの経験(サイバーショット)ではローリングシャッターが出てくる条件です。
しかし・・・
想定を裏切るキレのある画が得られました。
Z15+NEXのサンプルよりも、こちらの方が良いと取れる質です。
モーターとプロペラがB級品でも実用となる画がとれています。
恐らくですが・・・
マグネシウムフレームの長さが共振ポイントを外す都合の良い長さに填まってしまったのかも知れません。
もちろん、圧縮方向につかっている純正のダンパーの効果も極めて高いのでしょう。

ブラシレスジンバルの制御に関しては想定通り。
画質のキレが想定以上。
HERO3への食わず嫌いが悔やまれます。

HERO3+ブラシレスジンバル
GoPro HERO3の問題点
今まで、ブラックエディションの採用に積極的ではありませんでした。
その理由は1年ほど前に集中的に行われていたGoPro HERO2のテスト結果が思わしくなかったことから。
その期待を裏切る画質からGoProに対する毛嫌いがありました。
ラッテンフィルターなどを170°想定に装着するなど・・・
いろいろと、テストは行っていたのですが行き着いた結論は、「仕事に使えない」でした。

この認識を今日から改めます。
今後はGoProが0 [Zero]のメインカメラとなります。
取り急ぎ、スペアボディ・スペアバッテリー・データカードを発注。
放置していた、画像転送器機の導入計画の再開。
0 [Zero]が他社と比べて遅れていた部分を一気に強化します。

本題に戻ります。
「GoPro HERO3の最大の問題点は?」と問われれば・・・
「それはテレ端90°の画角です」と答えます。
ブラックエデションのレンズがHERO2とは別物であることはわかりました。
しかし・・・テレ側が足りないのは実務では致命的です。
これからキチント計測しますがテレ側90°の水平画角(未計測)と仮定すると・・・
フルサイズでは18mm相当の超広角レンズです。
これで、人物寄りは厳しい・・・(女優さん的に)
RX100にブラシレスジンバルという線は残しますがHERO3を極めるという方向の方が0 [Zero]らしいと思えます。
そこで、海外サイトでHERO3のレンズ交換に関して調べると・・・
5.4mm(85゜)とか、8mm(58°)などの、交換候補となりそうなレンズの存在が判明。
まずは5.4mm程度から試すとします。
仮に、5.4mmが実務投入レベルになると仮定すると・・・
画角毎にボディを用意する必要が出てきます。
90~170°(標準)想定に1セット。
75°(28mm)想定に1セット。
50mm想定に1セット。
業務と考えると、この位は用意する必要があると思います。
レンズは基本的にはボティと一体型。
各々がスペアも必要で、研究用も必要と・・・
ブラックエデションが10台体制になるのは時間の問題と思われます。

マルチコプター空撮で、誰もが安価なブラシレスジンバルを手に入れることは可能になりました。
これからはシンバル以外で個性を出す必要性が出てきます。
GoProのレンズ交換なども、そのひとつです。

加筆:初期設定に関して
このページのサンプルは購入したジンバルを組み立てたのみです。
チルトの信号線は接続しています。
ソフト側にはチルトに関する設定項目のみ打ち込み。
GoProワイド端を用いるに、もっとも重要な「チルト水平維持からの直進」を試しています。
※この時の設定ではワイド端の全速直進ではペラが写る。(ナローでは問題無し)
この取付から2日後に、機体の調整を兼ねて5フライトほど、2.0kgクラスのテストを実施。
5m/s以上でも、実務に耐えられる画質であることを確認しています。
テスト中に一回のみ、「カクッ」として不審な動きを確認。(即時に復帰)
こちらに関しては以降は再現性無し。
この不審な動きに関しては今後も観察します。
2つ購入したジンバルのもう一つは1.0kgクラスに搭載。
こちらも、問題無し。
なお、昨日(6/29)に、このジンバルは4個追加発注。
軽量化・誤動作対策・対雨対策・GoPro改造などの研究をはじめます。
とりいそぎ、フィルターワークに必要な部品は発注。
ジンバル側に軽度な改造を施し、次の業務から2.0kgと1.0kgを実務に投入します。
加筆日:2013/06/30

公開日:2013/06/28
最終更新日:2013/07/01
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